細菌のDNA解析でブリ類養殖の連鎖球菌症原因菌の長年にわたる変遷を初めて解明

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農林海洋科学部の今城雅之准教授と深田陽久教授らによる論文が、「Journal of Fish Diseases」に掲載されました。

ブリやカンパチなどのブリ類養殖で大きな被害をもたらす連鎖球菌症(れんさきゅうきんしょう)は、日本を代表する魚の細菌感染症のひとつです。この病気は1974年に高知県で初めて確認され、本学における魚病研究の礎を築いた楠田理一名誉教授が、その原因菌を世界に先駆けて解明しました。それから約50年が経った現在も、高知県をはじめ全国のブリ類養殖で大きな被害をもたらす重要な病気となっています。しかし、原因菌がこの約50年の間にどのように変化してきたのかについては、これまで詳しく分かっていませんでした。

今回、今城准教授と深田教授らは、2016年から2025年に高知県を中心とした養殖場で分離された原因菌について、細菌の複数の遺伝子を比較して系統や特徴を調べる「MLST解析」という手法を用いて詳しく調べました。その結果、これまで主流だった原因菌のタイプに代わって新たなタイプが広く定着していることに加え、これまで知られていなかった薬剤耐性を示す新しい系統が出現し、養殖現場で広がっている可能性があることを初めて見いだしました。これらの発見により、連鎖球菌症の原因菌の流行状況が近年大きく変化していることが明らかになりました。

今回の研究は、連鎖球菌症の原因菌が約50年の間にどのように変化してきたのかを初めて解き明かしたものです。この成果は、今後の診断法やワクチンの改良、薬剤耐性菌への対策、さらには養殖現場における病気の発生やまん延の防止につながることが期待されます。

【論文情報】
 <論文名>Multilocus Sequence Typing-Based Molecular Epidemiology of Lactococcus garvieae and Lactococcus formosensis in Japanese Amberjack, Greater Amberjack and Striped Jack Aquaculture
 <和訳>日本のブリ、カンパチおよびシマアジ養殖魚から分離された Lactococcus garvieae および Lactococcus formosensis 菌株のMLSTを用いた分子疫学解析

 掲載URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42461165/