高知大学農林海洋科学部・大学院総合人間自然科学研究科農林海洋科学専攻

高知を拠点にしたグローバルな学び
日本の西南暖地に位置し、黒潮が接岸する高知県は、
東南アジアやアフリカなど熱帯・亜熱帯地域の農学研究の最前線でもあります。

世界に広がる学びの場

農林海洋科学部では、フィールド特性を活かし、
様々な制度やプログラムを通じてグローバルな学びを展開しています。

SUIJI
インドネシア3大学(ガジャマダ大学、ボゴール農業大学、ハサヌディン大学)、四国3大学(愛媛大学、香川大学、高知大学)の6大学が協働して実施する、学生の相互派遣・受入プログラムです。
目的
熱帯地域における農業発展に関する教育研究を協働で進める
内容
両国の学生が年2回(日本とインドネシアで1回ずつ)、2~3週間にわたって共に農山漁村に滞在し、サービスラーニングに取り組む
履修
1年生から

先輩の体験談

1年生からインドネシアの学生と一緒にフィールドワーク!

SUIJIプログラム履修生 3年(2018年取材時)矢野諭稔
僕は1年から2年にかけて、SUIJIプログラムを履修しました。SUIJIでは夏に日本、春にインドネシアと1年間に2回、それぞれ3週間ほどのサービスラーニングを体験します。参加するのは2か国6大学の学生。農学系だけでなく文系、工学系など様々な専攻の学生がいて、国や分野を超えて学びと交流を深めることができました。

実習は、目標設定から取り組み内容、スケジュール管理まですべて自分たちで組み立てます。日本の実習で心に残っているのは、2年目に行った愛媛県明浜町です。「地域外や海外から来た皆さんの目線で地域の課題を発見し、ここに新しい風を起こしてほしい」と激励を受け、地域のいろいろな方と関わりながらフィールドワークを行いました。その中で、ミカン農家さんが海洋保全のことを考えていたり、漁師さんが森林の間伐を行っていたりと地域全体がひとつになって活動している姿を見て、広い視野を持つことの大切さを教わりました。

これらSUIJIでの経験を通して僕が学んだのは、「考えること」の面白さです。関連する事柄や歴史を調べたり比較したりすることで、深い気づきや新しい発見につながることを体感しました。また、英語は大切なコミュニケーションツールなんだと実感できたことで、義務感ではなく楽しく学べるようになりました。  SUIJIを通じて得た取り組みの姿勢や自分の中の軸を、今後も大事にしながら勉強や研究に励んでいきたいと思っています。

トゥガル市での実習の様子

先輩の体験談

3年生で挑戦した日本代表!
トビタテ留学JAPANで得たもの

留学体験者 4年(2018年取材時)中嶋萌絵
私が、政府の留学制度「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」 に挑戦したのは、自分のやりたいテーマに対して自由に学びが組み立てられる点に魅力を感じたからです。競争率の高いプログラムですが、農林海洋科学部はこれまでも学生が選ばれた実績があり、それを支援してこられた先生方に私もサポートをしていただいて、チャンスを掴むことができました。選考段階だけでなく留学先大学の選定や師事する教授とのコンタクトまで、きめ細やかにフォローいただいたおかげで望み通りの留学を叶えることができ、感謝しています。

私が取り組んだテーマは「日本茶ツーリズムの可能性を追求する」です。
もともとのきっかけは、ベトナム茶葉の機能性成分や微量元素の分析のために研究室の仲間と2週間ベトナムに行ったこと。そこから高知や日本の茶畑に興味を持ち、「日本のお茶や茶産地の魅力を発信することで、一次産業の活性化や地方再生につなげられないか?」という自分のテーマにたどり着きました。
留学前には、京都の茶畑で3ヶ月間のインターンシップに参加し、日本茶の栽培・加工やインバウンド(訪日外国人)を対象にした体験型観光などを学んで準備。そして2カ月マレーシアで語学研修や紅茶畑の視察をした後、カナダの東海岸にあるニューブランズウィック大学(University of New Brunswick)に留学しました。

ベトナムの茶畑

マレーシアの茶畑

ニューブランズウィック大学では、観光学やお茶のツーリズムについて見識のある経済学部の教授のもと、様々な学びを得ることができました。その傍ら、日本茶のPRのために授業を1コマ借りて緑茶の飲み比べを催したり、町の観光案内所でテイスティングイベントを行ったりと、課外活動にも積極的に取り組みました。すべての経験が、自分自身の大きな成長につながったと感じています。

観光案内所での日本茶PR活動

復学後の現在は、「本当の日本茶の価値を発信していく」ために自分に何ができるかを、農学の科学的アプローチや経済・観光といった社会学的アプローチなど多角的な視点で模索している最中。今後の卒業研究や就職活動にもつなげていきたいと考えています。
私は一歩踏み出して留学することで、世界が大きく広がりました。皆さんも、そういったチャンスをぜひ掴んでほしいと思います。