現場の声

Road to Surgical Specialist 
〜外科専門医への道〜

2年間の初期研修終了後、何科に進むかは人生の大きな選択です。
外科医を選んだら、まず取得を目指す資格が外科専門医!
今回、若手医師に今の職場環境と外科の魅力、
外科専門医取得に向けた取り組みについて尋ねてみました。
外科医に興味がある人は必見です。
現場の声 Dr. Araki
 現在は入局1年目です。千葉県出身で高知大学医学部を卒業後、幡多けんみん病院で初期研修を行いました。学生の頃から消化器外科医になりたいと思っていたので、初期研修の間は外科関連の科(消化器外科、消化器内科、病理診断科、放射線科など)を多く研修していました。その後2023年4月に統合外科に入局しました。
 手を動かすことが好きだったので医学部に入学する前からなんとなく外科医になりたいと思っていました。2年生の頃の地域枠の実習で手術を初めて見学した際に、癒着した組織がきれいに剥離されていく所、腸管を再建した所をみて、「自分も同じようなことがしたい!」と思い、その頃から外科医志望になりました。
 術前の消化管造影などの検査、手術、術後管理など周術期の一連の流れをある程度時間にゆとりのある中で行えています。基本的には上級医がそばにいてくれる環境なので、迷ったときには相談することが出来ます。一からしっかりと修練したい人には最高の環境だと思います。
 まずは外科専門医をとるためことを目標としています。大血管の症例が10例、小血管の症例が10例、呼吸器症例が10件などなど様々な分野に渡る経験が必要なので、色々なグループを3ヶ月ずつ周る予定です。
 外科はしんどい科、QOLの低い科と思われがちです。確かに手術日は夜遅くまで手術をしていることや、緊急手術で呼び出されることもあります。
 しかし、それ以上にやりがいのある科だと思っています。入局して間もないですが、「手術して良かった。」と患者さんが満足して退院されて行く時が、一番外科医になって良かったと感じています。外科に興味を持っている人は是非一度、見学に来てください。
現場の声 Dr. Fukunaga
 初期臨床研修終了後、高知大学外科学講座に入局しました。入局後は乳腺グループ、下部消化管グループをローテートしました。また、入局1年目には3ヶ月間心臓血管外科でも研修をさせていただきました。現在は、乳腺グループに所属しています。
 乳腺グループは現在4人で診療を行っています。月水金は外来、火木は手術を行っています。しっかりとした指導体制のもと、執刀もさせていただいています。乳腺疾患は診断から治療、緩和のマネジメントまで幅広く診療できるところが魅力です。
 まずは、外科専門医の取得を目指しています。様々な分野の知識や技術を身につけていきたいと思います。サブスペシャリティについては乳腺外科専門医の取得を考えています。
 優しさだと思います。
 手術はみんなで行うのでチームワークも大切だと思います。
 外科学講座はとても雰囲気の良い医局です。女性医師も多く、仕事と子育てを両立されている方もたくさんいます。外科に少しでも興味のある方は、ぜひ医局にご連絡ください。
現場の声:Dr. Tanaka
 大学卒業後、名古屋で2年間の初期研修を行いました。後期研修から当科に入局し、1年9ヶ月、市中病院で勤務した後、現在に至ります。大学では1年間、肝胆膵グループで研修した後、現在は下部消化管グループに在籍しております。
 市中病院の特性によりますが、自分は3次救急を担う急性期病院での勤務であったため、日中・夜間、平日・休日問わず多数の緊急症例を経験することができました。若手外科医が執刀できる機会は市中病院の方が多いと思われます。待機や救急当直の回数も比較的多いため、それなりにハードな生活になりますが、多数の急性期外科を経験することができました。
 大学病院ではロボット手術などの先進医療や市中病院での対応が難しい高リスク・高難度症例を経験することができました。一般的な外科手術も行っておりますので、市中病院と比較すると執刀機会は少なくなると思いますが、学年に応じて一定の執刀機会は望めます。アカデミックな活動に力を入れている先生方も多いので、学会等への参加機会も増えました。医師の数は市中病院と比較すると多いため、待機や救急当直の数は比較的少なくなり、QOL面では大学病院に分がある印象です。
 外科専門医取得のためには消化器外科手術の他、心臓血管外科や呼吸器外科、乳腺外科、外傷外科などの症例が必要になります。
 初期研修中は消化器外科だけではなく、心臓血管外科も3ヶ月間ローテーションし、その他呼吸器外科、乳腺外科、外傷外科手術にも積極的に参加しました。後期研修開始以降も急性期市中病院での勤務、その後の大学病院での勤務で、十分な症例数を経験することができました。今年の夏の学科試験に向けては、日々の症例に対する学習に加えて、今後は過去問題集の演習も行う予定です。
 仕事が辛くなる時は特にありません。科の特性上、十分な睡眠時間が確保できないことが多々ありますので、体調を崩さないよう日頃から適度な運動をして十分な睡眠をとるように意識しています。また少ない休日を十分に活用できるように早めに予定を組んでおくことを意識しています。
現場の声 Dr. Maeda
 出身は兵庫県で、大学から高知にきて、それ以来、高知県に住んで13年ほどになりました。大学時代はサッカー、軽音、よさこいなどに精を出していました。卒後臨床研修終了後は高知大学外科学講座に入局し、2年大学、2年幡多けんみん病院で研修し、今年からまた大学病院で勤務しております。
 消化器だけでなく、心臓血管外科、呼吸器外科の手術経験も必要であったので、お願いして手術に入れていただいていました。外傷に関してもネット講座などで点数を取れるものがあったのでそれらを活用して必要な点数を取得しました。試験勉強については過去問やテキストを参考に勉強し、特に消化器以外の分野は普段あまり経験しないため、苦労したことを覚えています。
 高知市内での試験であり、前日に幡多から移動し、ホテルで勉強していました。夜は少し飲みに行って早めに就寝し、当日も試験が午後からだったので、喫茶店で最後の追い込みをしていました。会場では久しぶりに受ける試験ということもあり、少し緊張しながらも落ち着いて受けることができました。会場入りをゆっくりにした結果、受付が最後になってしまい、早めに来ていた同期に来ないんじゃないかと、心配をかけたそうです。
 妻も他科で医師として働いていますが、入局時に異動は合わせて欲しいとお願いさせていただき、幡多けんみん病院や大学への異動は一緒にしてもらって非常にありがたかったです。
 緊急手術などで遅くなることもありますが、チーム内で連携して分業することでなるべく早く帰宅することを目指し、手術がない日などは定時で上がれることが多いです。休日のon,offもはっきりしているので、休みの日は趣味のキャンプなどにも行けてライフワークバランスは良好だと思います。
 外科専門医を取得し、次の目標として消化器外科専門医の取得を目指しているところです。消化器外科専門医となると、さらに高度な手術経験や学会、論文発表も求められるため、資格取得に向けて日々精進しています。