学科長挨拶

看護学科長
大坂 京子

 いつの時代も社会は変化し続けていますが、現代ではその速さは加速し、医療の場でも常に新しい情報、知識、技術が求められています。一方で、看護に携わる者の対象者をケアしたい、人々の健康に寄与したいと湧き上がる看護の力は変わりません。

 高知大学医学部看護学科は1998年に前身となる高知医科大学医学部看護学科に設置され、二十有余年の間に多くの看護師、保健師、養護教諭を輩出しています。また、国立大学で初となる大学院での助産師育成過程を開設し、高度な実践力を持つ助産師を社会に送り出してきました。
 本学科では、「豊かな人間性と高い倫理観に裏付けられた感性を育て、看護をグローバルな視点からとらえ、人々の健康生活のために援助し、看護学の発展に貢献しうる創造力を有する専門職の育成」を理念としています。教養科目が体系化されており、看護学を学ぶ上で重要となる、広い視野で人間と人間を取り巻く環境を理解するためのカリキュラムが充実しています。また、専門科目では、医学科医師による人間の生物学的見地に立った最先端医療を学び、高い専門的知識を修得します。根拠に裏付けられた安全で信頼できる、医学と融合した看護を学ぶことができます。構内には高知大学医学部附属病院があり、実習場所の保証や、教員と臨床が連携して指導を行うことにより、複雑な健康問題に対応できる力を養うとともに、学生の高い満足感と学習意欲を駆り立て、臨床での学びが深化します。さらに、地域での実習も充実しており、初年次から中山間部から在宅とあらゆる場所での実習が行われ、学びの蓄積により地域包括ケアを担う人材と成り得ます。
 医学部附属病院は、1981年に先駆的にITを導入した経緯があり、看護学教育にも早期から情報通信技術(ICT)を取り入れ、遠隔医療や情報社会に対応できる看護師を育成しています。学生の主体的な学びを促進する効果的な教育方法を駆使し、コミュニケーション力、多職種と協働する力、問題解決能力等の基礎的な力を養い、社会の変化に柔軟に対応できる革新力を有した、生涯研鑽し続ける人材の育成を目指しています。