公開日 2026年2月5日
令和7年度「授業について考えるランチセミナー」<学生が自ら考え主体的に学習するための授業づくり>が開催されました。
授業について考えるランチセミナーは、テーマを変えて、毎月第2・第3木曜日に開催しています。
テーマの詳細やお申込みについては、FD・SDの取り組み | 高知大ポータル (kochi-u.ac.jp)の、「授業について考えるランチセミナー」ページをご覧ください。
-----開催報告-------
◆開催日時
第1回:1月8日(木)12:05~12:50
第2回:1月15日(木)12:05~12:50
◆参加者数
第1回:1月8日(木) 90名
第2回:1月15日(木) 82名
◆コーディネーター・講師・登壇者
コーディネーター: 蝶 慎一(香川大学大学教育基盤センター)
第1回: 小坂 有資(香川大学大学教育基盤センター)
第2回: 蝶 慎一(香川大学大学教育基盤センター)
◆内容
第1回: 第1回では、講師が担当する授業の中から、課題発見学習を取り入れている「社会デザインとマイノリティ問題」「瀬戸内国際芸術祭とマイノリティ問題」の2科目をとりあげ、学生主導型の学習をどのように促しているかについて解説がなされた。
まず、マイノリティの人々が生きやすい社会をデザインするという、デザイン思考の習得を組み入れた授業「社会デザインとマイノリティ問題」について解説が行われた。この授業は全8回中最初の4回でマイノリティの人々が抱えている課題を発見し、続く4回でその課題に対する対策や、その対策についての自分の関わり方を考えるという構成になっている。それぞれの回では個人で行う授業外の課題をもとに授業内でグループワークを実施するという形をとり、学生がなぜ授業外学習を行うのかを意識づけながら実施されていることが示された。さらに各回でグループワークがどのように行われるかについても、使用しているツールや具体的な課題内容に言及しながら解説が進められた。
続いて「瀬戸内国際芸術祭とマイノリティ問題」の科目について紹介が行われた。この授業においては、フィールドワークを取り入れ、学生がマイノリティという視点から離島における課題の発見と解決を試みる授業であることが説明された。授業は大きく以下のような流れで行われる。まずグループワークに向けて個人で瀬戸内国際芸術祭が行われる離島それぞれの歴史や課題について調べ、それをもとにグループで実際に調査するための項目を作成するといった準備を行う。翌日には各離島でフィールドワークを行い、設定した項目にもとづいて、マイノリティの視点から瀬戸内国際芸術祭が離島にどのような影響を与えているか調査を行う。その調査結果をもとに、離島における課題とその解決方法を提案する。これらを5つの離島について行うことで、デザイン思考を学びながら学生が主体的に学びに関わっていくよう工夫されていることが示された。
講師からの発表後には、参加者との質疑応答が行われた。
第2回: 第2回では、香川大学全学共通科目「越境する学問」における実践をとりあげ、多様な専門分野の教員が協働して学生が主体的に学習することを促す授業作りの実践について講師から解説が行われた。
「越境する学問」は6つの分野の教員がそれぞれ自身の専門分野にもとづいた授業を行うことで、大学に入学したばかりの学生が様々な学問の意義を知り、大学での自身の学びをプロデュースする(=「学びの構えを転換する」)ことを目的とした科目である。この授業は大学教育基盤センターが主導しており、各分野の教員が参加・協力して授業が設計されているなっている。また多様な背景をもつ教員同士の交流にもつながることから、香川大学における新任教員研修プログラムにも認定されている。また、多様な分野にもとづく授業が展開される中で、各回の統一性をもたせるために、各回では学生・教員双方から選定された3つのテーマにもとづく授業が実施されるといった工夫も紹介された。さらに授業の模様を録画して各教員が授業の様子を共有できるようになっているほか、各種ICTツールを積極的に授業に導入していることも示された。
授業各回において学生の主体的な学びを促すための仕組みとして、講師からは事前学習として次回扱われる学問分野について調べ、授業後には授業での新しい発見について振り返りレポートとしてまとめ提出するという取り組みが紹介された。また、これらの授業を受けて最終的に今後の学びのプランについて、3か月後、3年後、10年後といった3つの時点を意識した最終レポートをまとめるよう課題とすることで、学生に中長期的に主体的に学ぶことを意識させるように工夫がなされている。さらに講師からは、学生・教員双方からの声を紹介し、授業の成果や今後の課題についても提示された。
◆成果と課題
参加者アンケートを行った結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、第1回、第2回ともにほとんどの回答者から肯定的な回答(「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計)を得ることができた。とくに第2回では、すべての回答者から肯定な回答が得られた。また、他の設問においても、いずれの回でほぼ肯定的な回答が得られた。
表 アンケート設問「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」回答結果
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第1回(1月8日) |
第2回(1月15日) |
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とても当てはまる |
13(61.9%) |
12(70.6%) |
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どちらかといえば当てはまる |
7(33.3%) |
5(29.4%) |
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どちらかといえば当てはまらない |
1(4.8%) |
0(0%) |
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まったく当てはまらない |
0(0%) |
0(0%) |
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合計 |
21(100%) |
17(100%) |
※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。
自由記述においては、第1回では個人の学習や課題をどのようにグループでの学習に結び付けるかを知ることができた、フィールドワークをベースにした授業実践について知ることができたという感想が寄せられた。とくに、授業それぞれの実践について、各回でどのような課題を課し、それらがその後の授業や学習にどのようにつながっているかが詳細に説明されたことについて高い評価が寄せられていた。第2回では「越境する学問」の授業設計や課題の設定について、自分の授業についても参考になった、自分も参加してみたいという記述がみられた。また一方で、具体的な評価方法をどのようにしているのか分かりづらかった、事前学習と授業時の学習とをどのように結び付けているのか、といった、より詳細に内容について説明してほしい、知りたいという希望や改善点も寄せられた。
今月は主に特定の授業実践事例を深掘りし、どのように設計されているか、その設計にどのような意図があるのかについて詳細な解説を行った。アンケートからは、参加者が普段とは異なるタイプの授業実践に接したという点で有意義な機会となったことがうかがえた。今後も継続して、このような特徴ある実践の紹介を続けていきたい。
アンケート回答結果
第1回 (n=21)

第2回 (n=17)

◆セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)


