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令和8年度「大学教育について考えるランチセミナー」<合理的配慮が必要な学生への向き合い方>が開催されました。

公開日 2026年6月29日

 令和8年度「大学教育について考えるランチセミナー」<合理的配慮が必要な学生への向き合い方が開催されました。

授業について考えるランチセミナーは、テーマを変えて、毎月第2・第3木曜日に開催しています。

テーマの詳細やお申込みについては、FD・SDの取り組み | 高知大ポータル (kochi-u.ac.jp)の、「大学教育について考えるランチセミナー」ページをご覧ください。

-----開催報告-------

開催日時

 第1回:6月11日(木)12:05~12:50

 

 第2回:6月18日(木)12:05~12:50

 

参加者数

 第1回:6月11日(木) 82名

 

 第2回:6月18日(木) 87名

 

司会・登壇者

 

      第1回 講師: 飯尾 健 (徳島大学高等教育研究センター)

             

                   第2回 司会: 飯尾 健 (徳島大学高等教育研究センター)

                 登壇者: 高橋 由子(高知大学学び創造センター)

                                                                                

 

◆内容 

 今月のセミナーは「合理的配慮が必要な学生への向き合い方」をテーマに、第1回では大学における合理的配慮の定義や活用できるリソースの紹介、また第2回では授業設計におけるユニバーサルデザイン(UD)の観点について、高知大学の高橋先生を登壇者として「授業のUD化と合理的配慮Tips『みんなが学びやすい授業づくり』」の紹介を中心として、参加者とのディスカッションを交えながら実施した。

第1回:   第1回では、講師よりまず大学において合理的配慮が求められる背景について、障害者差別解消法およびその2024年4月の改正に伴う大学における合理的配慮の義務化が説明されたほか、大学・高専・短大全体では約2%の学生が何らかの障害を有しており、その中でも発達障害や精神障害を持つ学生が約半数を占める傾向にあることが示された。
 続いて、講師から合理的配慮について検討するにあたり教員が活用できるリソースとして、文部科学省 障害のある学生の修学支援に関する検討会の『障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第三次まとめ)』(https://www.mext.go.jp/content/20240321-mxt_gakushi01-000034752_2_1.pdf)や、日本学生支援機構(JASSO)の『教職員のための障害学生修学支援ガイド』(https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/shogai_infomation/shien_guide/index.html)「障害学生に関する紛争の防止・解決等事例集」(https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_shogai_kaiketsu/index.html)が紹介された。さらにこれらのリソースをもとに、講師から事前に寄せられた困りごとに対する提案やヒントが共有されたほか、参加者とのディスカッションが行われた。

 

第2回:   第2回では高橋先生が登壇し、「授業のUD化と合理的配慮Tips『みんなが学びやすい授業づくり』」(https://www.kochi-u.ac.jp/_files/00499286/20220425.pdf)をもとに、授業におけるユニバーサルデザイン(UD)化に向けた解説が行われた。UD化の意義として、UD化は合理的配慮を支える「基礎的環境整備」であり、事前に障害に対する障壁を解消しておくことで、個別の合理的配慮の必要性を軽減できる可能性があるとともに、障害を持たない学生も含めたすべての学生が学びやすくなる工夫であることが示された。
 UD化に向けた具体的な工夫として、「見ること(電子データの提供、UDフォントの採用)」「聞くこと(テキスト情報の伝達、情報の記録の許可)」「書くこと(記述方法の多様化、録音の許可)」「見通し(手順の明示、集中できる時間の確保)」「コミュニケーション(具体的な指示や多様な発言方法の許可)」の5つの観点から、全学生が学びやすくする手法が紹介された。
 その後は司会や参加者を交えたディスカッションを行い、司会からのコメントや参加者からの質問に対する回答や解説が高橋先生から行われた。

◆成果と課題

 

 参加者へのアンケートの結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、第1回、第2回ともにほぼすべての回答者から肯定的な回答(「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計)を得ることができた。とくに第2回では、すべての回答者から肯定的な回答が寄せられた。また、他の設問においても、両方の回でほぼ肯定的な回答が得られた。

 

表 アンケート設問「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」回答結果

 

第1回(6月11日)

第2回(6月18日)

とても当てはまる

15(53.6%)

15(60.0%)

どちらかといえば当てはまる

12(42.9%)

10(40.0%)

どちらかといえば当てはまらない

1(3.6%)

0(0%)

まったく当てはまらない

0(0%)

0(0%)

合計

28(100%)

25(100%)

※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。

 

 自由記述においては、よかった点・有益であった点として、第1回において「合理的配慮に関する法的根拠やJASSOの事例集などのリソースを知ることができた」といった意見や、「他大学の教員も同じような悩みを持っていることが分かった」というコメントがあった。また第2回では、特に「UDフォントをはじめとするユニバーサルデザインという考え方は、障害の有無にかかわらず全ての学生にメリットがあることに気づいた」といった点が挙げられた。
 一方、セミナーの改善点や希望として、一般的な事例を取り上げることが多いため、より個別具体的な事例に踏み込んだり参加者との対話を増やしてほしいといったものが見られた。

 合理的配慮についてはこれまでのセミナーでも継続的に実施しており、実施するごとに多くの教職員が参加している点からも、教職員にとって重要なトピックでありつづけていることがうかがえる。一方で合理的配慮は教員の状況・学生の状況・および大学の支援体制といった多くの要因が複雑に関係する問題であり、多くの参加者が集まるセミナー形式ではすべての事例に適用できるような明確なヒントを提示することは難しい。本セミナーに対する個別具体的な事例への相談についてのニーズも高いが、専門家が登壇した場合であっても相談者の所属する大学の支援体制や対象となる学生の状況等についての知識が十分でないことも多く、どの程度まで効果的な助言ができるかは未知数の部分がある。今回、合理的配慮について重要なキーワードとして、教員・支援組織と学生との「建設的対話」(https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_shogai_kaiketsu/column/column26.html)の必要性が提示されたが、今後も参加者とも「建設的対話」を続け、セミナーという形式において最適な内容について模索していく必要があると考えられる。

 

アンケート回答結果

第1回 (n=28)

第2回 (n=25)

◆セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)

 

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