高知大学教育学部附属幼稚園

幼稚園紹介

高知大学教育学部との連携教育プログラム

幼児期は、幼児ならではの豊かな感性がひらく時期です。附属幼稚園では、高知大学教育学部の幼児教育、美術教育、音楽教育、教育科学、家庭科教育、理科教育を専門とする先生方とともに、幼児期の豊かな感性を引き出すための独自のプログラムを開発しています。

高知大学との連携教育プログラム見学について

本園では教育関係者を対象に高知大学との連携教育プログラム(絵の具・運動遊び・自然探検)を公開しています。

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附属幼稚園におけるジェンダー・性的多様性を考慮に入れた取り組みと課題

磯部 香 先生 ISOBE Kaori

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/准教授
教育学部 学校教育教員養成課程(家庭科教育コース)

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Associate Professo
Faculty of Education, Teacher Training Division (Home Economics Education Course)

SDGsの目標にも掲げられているように、現在、教育の中でもジェンダー平等、(性的)多様性が非常に着目されています。多様な背景を持つ子どもたちが自身の個性やアイデンティティを大切にしながら生きていくためには、どのようなサポートが子どもたちに必要なのかを考えていきたいと思っています。子どもたちがこの高知でのびのびと育つために、保護者の皆さんの声、地域の皆さんの声をどうぞお聞かせください。

ミニコンサート

幼稚園にはないピカピカの管楽器を見た年長組から「トロンボーンだ」と名前が出ました。何度か開かれているミニコンサートですっかりお馴染みの楽器となったようです。年長組は持ってきたミニバケツ、年中年少組は手拍子で参加して演奏をしました。毎回趣向を凝らしたコンサートで、楽しいひと時を過ごしています。

梶原 彰人 先生 KAJIWARA Akito

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/准教授
教育学部 学校教育教員養成課程(音楽教育コース)

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Associate Professor
Faculty of Education, Teacher Training Division (Music Education Course)

人は、太古の昔から、歌い、リズムを刻み、音を奏でながら音楽とともに生きてきました。奏でては消えてゆく音によって祈りをささげ、愛を語り、喜びを伝え、悲しみを分かち合ってきました。だからこそ音楽は、年齢、性別、国籍、そして時間を超えて楽しむことができるのです。音楽活動への取り組みは、自己を表現する感性を豊かにし、仲間と一緒に演奏する楽しさを共有し、そして一生懸命練習してきた発表を「聴く」姿勢を育みます。自己を表現できるからこそ、他者を思いやり尊重することができる。「ミニコンサート」を通じて園児たちと一緒に過ごすひと時は、音楽のそんな魅力を気付かせてくれる大切な時間です。

能に親しむ

いつもは元気な子ども達もお囃子が聞こえてくると、自然と静かになります。
子ども達にも親しみやすい演目を鑑賞し、お囃子に合わせて舞ったり、楽器を鳴らしたりと様々な表現を楽しみます。日常とは少し違う雰囲気を味わい、日本伝統芸能に親しむ時間となっています。

金 奎道 先生 KIM Gyudo

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/准教授
教育学部 学校教育教員養成課程(音楽教育コース)

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Associate Professor
Faculty of Education, Teacher Training Division (Music Education Course)

現代を生きる子ども達にとって、わらべうたや民謡などに比べ、能楽などの古典芸能は慣れ親しんでいる音楽語法とは異なり、子どもの生活とはかけ離れていると思われます。しかし、謡・仕舞・囃子で構成される能を大人の学習法の如くそのまま提示するのではなく、幼少期の身体的機能と結びつけ、手・足などの身体全体の動きを取り入れると、保育内容として位置づけることができます。また、狂言の表現である「見立て」の演技、笑うときや泣くときの仕草などを用いると、子ども達が喜怒哀楽の感情を理解し、自分たちの表現として見い出すことができます。これからも、子ども達の豊かな心を育む音楽活動の一つとして「伝統文化」に対する関心や理解を深めていきたいです。

幼稚園教諭養成課程における「領域に関する専門的事項」に求められる授業内容の検討 ―「幼児と表現」のモデルカリキュラムを手がかりに― (PDF)

美術館探検

美術館に足を踏み入れると、いつもは元気な子ども達も静かになり、じっと作品を見つめその世界に引き込まれ始めます。「なんか、喜んでいるみたい」「空をとんでいるね」自分の感じたことを伝えたり、友達の感じたことを受け止めたりしながら作品を鑑賞しています。また普段は見ることの出来ない美術館の裏側も見せてもらう楽しいひと時となっています。

吉岡 一洋 先生 YOSHIOKA Kazuhiro

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/教授
地域協働学部 地域協働学科

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Professor
Faculty of Regional Collaboration, Department of Regional Collaboration

美術館での鑑賞教育は、物の色や形、素材を自由に感受し創造性を育むことが肝要なのではないでしょうか。鑑賞体験は、美術史や色彩論により作品を理解するだけでなく、附属幼稚園で実施している「絵の具遊び活動」へ接続し、絵画表現や造形表現に活かすことができます。子供たちにとって美術館での視覚的・造形的な経験が多様な表現方法の涵養になると確信します。美術に関する専門分野を有する学芸員と連携し、美術の知識・経験を子供たちの多感な感性と結びつけるような活動を促進していきたいと思います。

野角 孝一 先生 NOZUMI Koichi

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/准教授
教育学部 学校教育教員養成課程(美術教育コース)

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Associate Professor
Faculty of Education, Teacher Training Division (Arts and Crafts Education Course)

美術作品を鑑賞する場合、見ていて理解しやすい作品もあれば、よく分からない作品に出合うことがあります。作者自身は制作の意図があると思いますが、見方は自由です。鑑賞することで「すごい」、「きれい」などの他に「鳥が飛んでいるように見えた」、「ここに行ってみたい」など、新しい発見ができればうれしいものです。大学教員も一緒に鑑賞することで、園児達自身が新しい発見を楽しむ手助けができればと思います。

絵の具遊び

「モップで絵を描いてもいいの?」「壁にも?」ふだんは使わないようなもので、大学の部屋いっぱいに敷き詰められた紙に絵を描いて楽しんだり、幼稚園の園庭にあるモニュメントに自分だけの色を作って塗ったり、ふだんごっこ遊びをしている丸木小屋にも塗ったりと、いつもはできないダイナミックな絵の具遊びを子ども達は楽しみにしています。

野角 孝一 先生 NOZUMI Koichi

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/准教授
教育学部 学校教育教員養成課程(美術教育コース)

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Associate Professor
Faculty of Education, Teacher Training Division (Arts and Crafts Education Course)

絵具遊びは何十リットルもの大量の絵具を大きな紙などを使いながら、絵具や色と仲よくなれるたのしい活動です。ご家庭で絵を描く場合は、一般的な画用紙に描かれると思いますが、絵具遊びでは最大2m×3mもの大きな紙を使うなど、よりダイナミックな活動となり、参加した園児たちは必ず笑顔になります!様々な道具や身体を使いながら絵具の感触や、絵具の混色をしっかりと実感できる絵具遊びは附属幼稚園ならではの活動です。 私は指導する立場ですが、家ではなかなか出来ないこの活動を、私自身も子供の頃に体験できていればよかったのになあと、心から感じています。
そんな魅力的な絵具遊びを附属幼稚園で一緒に体験できるのをお待ちしています!

吉岡 一洋 先生 YOSHIOKA Kazuhiro

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/教授
地域協働学部 地域協働学科

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Professor
Faculty of Regional Collaboration, Department of Regional Collaboration

子ども達が表現する作品を見ていると、そこには芸術の本質があるように思います。それはなぜでしょうか。ものごとを感受する力が鋭く、知ろうとする力から閃きに繋がることで素晴らしい創造性を発揮しているからです。子ども達は絵画の技術が上手い、下手ということに縛られません。それが更に創造性を助長しています。伸び伸びと描く子ども達の作品は、制作者だけでなく鑑賞する人にも明るさや笑顔を生みます。「絵の具遊び活動」において制作された作品は、大学附属病院とも連携し、「色とかたち展」(美術作品展)として、社会におけるアートの役割を問うような活動としても広がっています。これからも美術表現の場を子ども達と一緒に楽しんでいきたいと思います。

安全教育

野中 陽一朗 先生 NONAKA Yoichiro

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/准教授
教育学部 学校教育教員養成課程(教育科学コース)

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Associate Professor
Faculty of Education, Teacher Training Division (Educational Sciences Course)

幼児教育段階では,安全な生活習慣や態度を身に付けるだけでなく、危険な場所での行動や事件・事故災害時に教職員や保護者の指示に従い行動し、危険な状態を発見したときに教職員や保護者など近くの大人に伝えることが求められています。
そのため、附属幼稚園で実践知に基づき月1回に実施されている安全教育の内容等に対して、発達心理学的な視点を踏まえ実態を捉えることを進めています。 そして、実際に附属幼稚園で実施される「地震・火災時を想定した避難訓練」や「交通安全教育」に着目し、個々の幼児の特性を踏まえた行動観察を実施し、個々の幼児の行動傾向を明らかにしていきたいと考えています。
将来的には、こうした基礎的な知見に基づき、幼児のタイプに応じた安全な生活習慣や態度を向上させる安全教育の教材開発、保育活動の開発を附属幼稚園の先生方そして保護者・地域の皆さまと行っていきたいと考えています。

園庭のいきもの

「うわー これ何?」「とってもいい匂いするね」ふだんより少し理科的な物の見方や考え方のヒントをもらい園庭を歩くだけで様々な声が子ども達から上がります。木に名札を付けたり、いきものを観察したりしながら、園庭での新しい発見を楽しんでいます。

中城 満 先生 NAKAJO Mitsuru

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/教授
教育学部 学校教育教員養成課程(理科教育コース)

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Professor
Faculty of Education, Teacher Training Division (Science Education Course)

園庭は子どもたちにとってもう一人の先生です。私たち大人でも教えることができないくらい大事なことをじかに教えてくれる先生です。でも、その先生は決してあちらから語り掛けてくれることはありません。人間のほうから歩み寄って初めてその大事なことを教えてくれ始めます。だからこそ、子どもたちにはそういう“もう一人の先生”の存在を知っていてほしい。そういう願いをもっています。園庭の自然からたくさんのことを子どもたちには学び取ってほしいなと思います。そういうお手伝いができたらいいなと思っています。

早寝早起き朝ごはん

「幼稚園でもらった牛乳を飲みました」「朝ごはんには、たんぱく質をとるように気をつけています」『早寝早起き朝ごはん』についての保護者の声です。2003年から生活習慣についての調査をしていますが、調査の食品配布や資料配布をきっかけにご家庭でもさらに『早寝早起き朝ごはん』の意識が高まっているようです。

原田 哲夫 先生 HARADA Tetsuo

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/教授
教育学部 学校教育教員養成課程(理科教育コース)

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Professor
Faculty of Education, Teacher Training Division (Science Education Course)

2003年から教育学部附属幼稚園の先生方・保護者の皆様との共同研究という形で、質問紙を用いた調査をお願いしています。15年間で、毎年調査のごとに、子ども達が朝型に変わっています。レコーデイングダイエットに似た効果でしょうか。ある年、朝牛乳を配布して、毎朝子ども達が飲むと、夜型の子ども達が朝型になり睡眠の質がよくなりました。15年のデータから朝納豆を食べると子どもは睡眠の質が良く早寝早起きの傾向があります。実は朝食でタンパク質を多く含む食材(納豆、牛乳、卵、ハム、ソーセージ、魚、豆腐、肉類など)を摂るとタンパク質を構成するアミノ酸のうち、トリプトファンがセロトニン(元気物質:朝限定で合成)に脳で合成され、夜8時ごろはセロトニンからメラトニン(入眠物質)へ脳内で変化します。朝食の納豆で昼間元気いっぱい、夜はぐっすり眠れる元になります。毎年、質問紙調査をさせていただきながら、時には緩やかな介入もさせて頂き、分かったことは、調査にご協力いただいた保護者の方や子どもさんたちにお知らせし、子ども達の健やかな成長にお役立ていただけるよう頑張っています。今後ともご負担にならない範囲でご協力いただき、研究を進めていきたいと思っております。どうか今後ともよろしくご協力・ご指導いただきますようおねがいもうしあげます。

竹内 日登美 先生 TAKEUCHI Hitomi

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/教授
教育学部 学校教育教員養成課程(幼児教育コース)

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Lecturer
Faculty of Education, Teacher Training Division (Preschool Education Course)

忙しい日本人は、保護者も子どもも夜更かし生活で、睡眠時間の短さは90年代から変わらず世界トップレベル。特に、育児期の女性保護者の睡眠時間の短さは驚異的で、その保護者に世話をしてもらう乳幼児期のお子さんも世界トップレベルの短時間睡眠となっています。私たちはこれまで15年近く高知のこどもの生活リズム改善にかかわっており、早起きと朝ごはんが小さいお子さんに浸透する様子を観察してきましたが、そこに早寝が伴わないために睡眠時間が短縮する傾向があることもわかってきました。実は、これは全国の早寝早起き朝ごはん運動の現場でも起こっている問題で、近年、睡眠科学に携わる関係者は「早起きは必ずはやねとセットで!」と呼びかけるようにしています。特に、発達途上の子どもは大人より長い睡眠時間を必要とします。高校生頃まで続く脳の発達を支えるためにも、幼児期のうちから、十分な睡眠時間を確保して、健康につながる生活を自分自身で作り出す力を身に着けていくことが大切です。そのための取り組みや、教材開発を通して、みなさまの健康づくりのお手伝いができればと考えています。

運動遊び・体力測定

鬼遊びゲーム終了の合図と共に担任のところに走ってきて「先生、お兄さんから取ったよ。ほら見てオレンジ色」と嬉しそうにフラッグを見せに何人もの子ども達がやって来ました。保健体育教育コースの大学院生、大学生のお兄さんお姉さんと一緒にするフラッグを使った鬼遊びは、運動が苦手でもフラッグをしっぽに見立ててゲームすることで楽しさがいっぱいです。このほかにも遊びを取り入れた体力測定もお兄さんに一緒に走ってもらったりしながらするので自然にできます。

幸 篤武 先生 YUKI Atsumu

教育研究部 人文社会科学系 教育学部門/准教授
教育学部 学校教育教員養成課程(保健体育教育コース)

Research and Education Faculty, Humanities and Social Science Cluster, Education Unit/Associate Professor
Faculty of Education, Teacher Training Division (Health and Physical Education Course)

我々の研究室では主に2つの教育研究活動を附属幼稚園で行っています。
一つは運動あそびの魅力を感じてもらうための活動です。これまでに「鬼遊び」や「的当て遊び」、「スポーツリバーシ」など様々な運動遊びを子どもたちと一緒に行ってきました。また「スポーツ体験会」として、実際の競技スポーツを行っている様子を間近で見学したり、使用している用具に触れたりしました。
もう一つの活動は子ども達の体力測定です。測定は小学校でも行われるボール投げや幅跳びなどを全ての学年で実施しています。測定では幼稚園の先生など身近な大人も気づかなかった能力を発揮する子がいたりします。また「すごいね」と言うと、はにかみながらも誇らしげな表情を見せてくれる子もいます。この体力測定の結果は、3年間の成長がわかるようにして保護者の方にお返しをしています。
これらは学術的な意義だけではなく、子ども達に「また少しお兄さんお姉さんになれた」と感じてもらうための取り組みでもあります。

幼稚園教諭と幼稚園教諭・保育士志望学生の手洗いの評価 (PDF)

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