ご挨拶Message

寺田典

高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科教授
診療科長

寺田典生てらだよしお
 当科においては糖尿病、内分泌疾患、腎臓病、膠原病、高血圧など多くの現代人が抱えている生活習慣病のトータルケアと先進医療をめざしています。
 私自身の専門の腎臓病領域でも、慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の概念が提唱されてから10年以上が過ぎ、今やCKDはわが国の成人人口の14%の頻度であり「国民病」と言われております。とくに、CKDが透析導入だけでなく重要な心血管病リスクであることが認識されるに至り、CKDの啓発活動と対策がなされています。高知県では行政・医師会と大学を含めた基幹病院でCKD対策の病診連携システムを全国にも先駆けて作り活動しています。当科の担当するCKD 、糖尿病、高血圧、メタボリックシンドローム、リウマチを合わせると非常に多くの患者様の人口が推定されます。これらの疾患は、慢性的な経過となることが多く、服薬だけでなく、食事療法、運動療法、メンタルケアを含めて、総合的な生活習慣病のトータルケアが必要となります。当科では総合的な診療体制が組める診療環境が整っており、腎臓病を含めた生活習慣病のトータルケアを目指しております。
 さらに大学病院として、他の病院では行っていないような高度先進医療を行っております。難治性の腎臓病や膠原病に対し、LDL吸着療法、血漿交換療法や免疫グロブリンの大量療法など集学的な治療を行っております。また遺伝性の腎疾患である多発性嚢胞腎に対してはトルバプタン療法を行っております。このように当科では、患者さんに最高の医療を提供すべく、日夜努力をしておりますので、ご来院、ご紹介を心よりお待ちしております。
 研究、教育面ですが、私は、優れた医学研究を成し遂げるためには、日常の臨床を大切にし、的確な疑問点を見いだすことが、肝要と考えています。独創的で国際的評価に耐えうる、腎臓病・生活習慣病の病態解明や新規の治療法開発の研究にも取り組み、高知発の世界に発信できる優れた臨床研究、高度先進医療を目指したいと考えております。一つの例として、急性腎障害の病態に関する研究を遺伝子レベルの解析から新規の診断法の研究を進めています。またもう一つの重要な目標は、臨床教育と卒後研修体制を充実させ、研修医の先生方と学生さんに魅力ある教室を作り、多くの若い方に私共の内分泌代謝・腎臓内科に入って頂けるような環境を整え、リサーチマインドを持った信頼される内科医を多く養成することです。
 上記のような研究、教育体制を整えるためには、関連各科、関連病院の先生方の御協力、御支援が是非とも必要でございます。宜しく御指導、御鞭撻お願い申し上げます。

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経歴

1984年
東京医科歯科大学医学部医学科卒業
1984年
東京医科歯科大学第2内科医員
1988年
米国国立衛生研究所(NIH)研究員
2002年
東京医科歯科大学大学院 腎臓内科助教授
2008年
高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科学講座 教授
2010年
高知大学医学部付属病院 栄養管理部長
2012年
高知大学医学部附属病院 副病院長(~2016年)
2016年
高知大学医学部臨床医学部門・部門長

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専門医、学会活動など

  • 日本内科学会認定医、専門医、評議員、元理事、四国支部長
  • 日本腎臓学会専門医、指導医、評議員、理事
  • 日本透析医学会認定専門医、指導医、評議員
  • 日本高血圧学会、専門医、評議員
  • 国際腎臓学会雑誌(Kidney International) Editorial Board (2020年 4月~)
  • アメリカ腎臓学会雑誌(Journal of American Society of Nephrology) Editorial Board (2000年 1月~2004年6月)
  • 日本腎臓学会雑誌英文誌(Journal of Clinical and Experimental Nephrology) Editorial Board (2007年6月〜)
  • 日本内科学会雑誌編集委員(2011年4月〜2015年3月)
  • 薬剤性腎障害ガイドライン作成委員会委員(2013年〜2016年)
  • 急性腎障害(AKI)診療ガイドライン作成委員会委員長(2014年〜2017年)
  • 1994年 日本内科学会奨励賞受賞
  • 1997年 日本腎臓学会大島賞受賞
  • 1997年 日本心血管内分泌代謝学会若手奨励賞受賞
  • 2003年 日本透析医学会総会学会賞(木本賞)

藤本新平

高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科 教授
高知大学医学部附属病院 糖尿病センター長

藤本 新平ふじもとしんぺい
 2011年より、内分泌代謝・腎臓内科の糖尿病・代謝領域の教授として着任致しました。2016年からは附属病院 糖尿病センター センター長も兼任しております。
 糖尿病は2019年において全世界で4.6億人を超えると推定され、今後も特にアジア地域では著しく増加していくと予測されています。人類に対する大きな脅威と認識されており、2006年には糖尿病の国連決議が採択されました。糖尿病診療は基礎医学の発展とも連動し、薬物介入を例にとっても近年目覚ましく進歩をとげました。また大規模臨床研究の進展により治療の理念も大きく変化しました。さらに糖尿病診療は医師のみでなく他職種と連携したチーム医療が不可欠で、超高齢社会の進展や糖尿病患者の著しい増加に対応した病診・地域連携の構築が必須です。このように、糖尿病分野では社会面、臨床面、研究面で、近年例をみない多層的で大きな変化がきたされており、既成の概念にとらわれない幅広い視野・見識を持つ糖尿病を専門とする若い医師が切望されます。大学病院は、教育・研究・診療に心血を注いでいる多数の先輩医師が在籍し、また同年代の医師も在籍していますので、切磋琢磨していくには絶好の場です。私も若い医師と臨床・研究において、ともに仕事をしていくことを生き甲斐としていますので、少しでも興味のある方は是非ご連絡下さい。最優先で対応します。
 糖尿病学は研究面においても基礎・臨床の両面の視点が必要な領域であり、広い視野を必要とします。2型糖尿病の病態解明と対策を基礎研究、臨床研究両面から特に代謝・栄養学的アプローチを重視して発展させたいと考えています。研究内容については研究紹介の項をご覧ください。
 診療面では、進歩の著しい糖尿病診療を反映し、最新のエビデンスに基づく糖尿病治療の実践、患者中心の看護師・管理栄養士・薬剤師・運動療法士と連携したチーム医療の実践、他科領域との有機的連携、糖尿病専門医・糖尿病療養指導士の育成、臨床栄養学的アプローチ重視の疾患治療の実践、地域医療における糖尿病啓発活動の推進、糖尿病患者会活動・糖尿病協会活動の支援などに取り組み、高知県における糖尿病診療の拠点としての責務を果たしたいと考えます。以下に私が着任してからの糖尿病診療拠点の形成に関する実績について挙げさせて頂きます。
・ 医学部附属病院に糖尿病センターを設立し、各科連携と病診連携を推進
https://www.kochi-ms.ac.jp/~hsptl/guidance/onespost/tonyobyo.html
・ 糖尿病専門医の養成専門教育と資格取得者の増加
・ 院内 糖尿病ケアサポートチーム(DCT)によるチーム医療の実践と日本糖尿病療養指導士の育成
・ 高知大学医学部附属病院 糖尿病患者会「しゆう会」の設立と運営
・ 日本糖尿病協会高知県支部 支部長として県内糖尿病啓発活動の推進
・ 高知県糖尿病療養指導士認定機構の設立と高知県糖尿病療養指導士の認定(2020年4月現在463名)
http://www.cdekochi.jp/index.html
・ 高知県糖尿病性腎症重症化予防プログラムの策定と実施の推進
https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/131801/2018022800162.html
 今後も糖尿病の診療・教育・研究の発展にますます努力していく所存ですので、皆さん方におかれましては、よろしくお願い申し上げます。

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経歴

1991年
京都大学 医学部卒業
1996年
京都大学 医学研究科 博士課程 (内科系専攻)
2001年
京都大学 医学部附属病院 糖尿病・栄養内科 助教
2006年
京都大学 医学研究科 糖尿病・栄養内科学 講師
2010年
京都大学 医学研究科 糖尿病・栄養内科学 准教授
2011年
高知大学 医学部 内分泌代謝・腎臓内科教授
2016年
(併任)高知大学医学部附属病院 糖尿病センター センター長

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専門医、学会活動など

  • 日本糖尿病学会 専門医、指導医、学術評議員、中国四国支部幹事、用語委員会 委員長
  • 日本糖尿病協会 高知県支部 支部長、高齢者糖尿病対策委員会 委員長
  • 日本内科学会 評議員、総合内科専門医、認定医
  • 日本病態栄養学会 学術評議員、専門医、指導医
  • 高知県糖尿病療養指導士認定機構 中央委員会委員長
  • 高知県糖尿病医療体制検討会議 座長
  • 糖尿病学会 「糖尿病診療ガイドライン 2019」 策定委員会委員 2017年02月
  • 2011年度 日本糖尿病学会賞(リリー賞)「糖尿病における膵β細胞代謝-分泌連関障害の分子機構」受賞

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