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真実を求め続けて(2年生実習・鏡川クラスター)

 12月8日、鏡川クラスター2年生(「記憶の記録と継承」チーム)は、ゲスト講師をお招きして座談会ワークを実施しました。

 今回のゲスト講師の方は、学校教諭をしている高知大学OB。
 学生時代、恩師や学友、地域の方々によって、子どもたちをみんなで大切に育もうとする地域社会の有り様や、足元から平和を考え教育に生かそうとする人びとと出会いました。広島出身であるご自分とも向き合い、県内の被爆者の方々への聞き取りも行いました。そうした中で、数字の背景にあるものや“わかった”とされて矮小化されている過去の出来事と出会い直すこともあったそうです。
 卒業後も、仲間たちと議論し活動を共にする中で、元慰安婦の方々と出会い、戦中日本へ強制連行されたアジアの人びとの遺骨が土中に眠る現場へと赴き掘り起こしに参加したり、そのご遺族と出会い、時に現地で会うことを拒まれるといった経験を重ねていきます。それはゲストにとって、なぜ過去を知るのか、悲惨な加害・被害の経験を“なかったこと”にしていく社会の未来はどのようなものか、を考え続けさせられる経験だったそうです。 
 「知ろうとしていない私たちの方がマヒしているんじゃないか」
 「戦後すぐに映画監督の伊丹万作はだまされることの罪を説き、「「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう」と指摘した。自分たち自身が真実を求めることを手放してしまえば、素晴らしい憲法の下でもきっとまた騙される。考えず、簡単に騙されて他者に人生を委ねてしまう。そうなってはいけないと思って知り続け、他人事と思わず取り組み続けています」

 学生たちはこれまで、ビキニ事件を主として学習を重ねながら、未経験の者が悲惨な経験や失われた物事をめぐる記憶をどのように受け継ぐことができるのか、考え続けてきました。悲惨な体験や失われた物事をめぐる記憶を、ゲスト講師の方々や映像・文献を通して具体的に知る中で、知ることの意味・知ったことの意味と意義を、時に苦悩しつつも実感してきました。 
 座談会ワークは映像や演劇経験、語りを交えつつ、高知や故郷の広島、福島や沖縄、韓国での出会いや交流のご経験の中でゲストの哲学・思想が醸成された、そんな様子が伝わってくるものでした。学生たちは、学ぶことの意味、知ろうとすることの力を改めて感じたようです。
 「だまされる人がいるからだます人がいる、という言葉がとても強く響いている」「学んでいかないと、自分でそういう見方を養っていかないと知らず知らずのうちに加害者になるというのが残る」「知るきっかけができ、次は自分が発信できる側になれるか、まだわからない。けれど無関心層からは抜け出すことはできるのかなと思う。考え続けていきたい」といった声が上がっていました。


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