地域協働を組織する力を育てます。

学生の声学生の声

逆境を糧に

渡辺 イオナIona Watanabe
(徳島県立富岡西高等学校 出身)

 大学生になって2年が経ち、卒業までの折り返し地点に到達しました。

 1年生の頃は、新型コロナウイルスの影響で授業の大半がオンラインとなり大学に足を踏み入れる機会が少なかったり、私生活でも外出自粛で遊びに行けなかったりと、思い描いていた大学生活とあまりにかけ離れておりたくさん悔しい思いをしました。

 しかし、2年生になってからは新しい生活様式が定着しオンライン講義も減り、やっと大学生らしい生活を送れるようになりました。実際に同級生と会って同じ教室で顔を合わせて講義を受けられる嬉しさをしみじみ感じます。

 私は2年次からデザインゼミを選択し、実習活動が始まりました。絵が描けるわけでも美術に詳しいわけでもなく、美術館を巡るのが好き、おしゃれが好きという単純な理由だけで選んだため、初めは友達や先輩との実力の差による劣等感や、求められていることにうまく応えられない焦燥感でいっぱいでした。

 しかし、IllustratorやPhotoshopを基礎から丁寧に教えてくださる頼もしい先輩方、小さな成長を見逃さずいつも前向きな言葉をかけてくださる先生、どんな時も味方でいてくれて優しさで包み込んでくれる両親、苦しい時も励まし合い一緒に頑張ってくれた友達のおかげでここまで諦めずに努力し、成長することができました。

 また、2年生に進級したことをきっかけにカメラや油絵など新しいことに挑戦するようにもなりました。趣味や芸術に触れる機会が増えたことで、より感性が豊かになり充実した毎日が送れるようになりました。特に、デザインゼミで行われている展覧会で私の写真や油絵を飾らせて頂き、DMやパンフレットも一から自分達で作成した際に、自分の挑戦や努力が形に残る嬉しさや達成感を味わうことができました。

 この1年間を振り返ってみると、1年次の不安や悔しさを吹き飛ばしてしまうほど濃密で刺激ある経験を得ることができたと感じます。また、地域協働学部デザインゼミでしか味わえない貴重な経験もたくさんでき、本当に有意義な1年になりました。

 今年は成人というひとつの節目を迎え、来年からはデザインゼミで後輩ができるので、人から尊敬されるような立派な人間になれるようこれからも精進していきたいと思います。

(※2023年執筆)

“高知で高知を学ぶ”

小川 優太Yuta Ogawa
(甲南高等学校 出身)

 高知大学地域協働学部に入学してはや1年が経とうとしています。この1年間の振り返りをさせていただく機会を頂戴しましたこと、御礼申し上げます。

 私が高知大学を選んだ理由は私の出身地が高知県だったからです。出生後はすぐ兵庫県に移り住みました。そのため厳密には出身地は兵庫県ですが、私は頑なに出身地は高知県だと言い張っています。これには意味があります。私は高校3年生までの長期休みはほぼ必ず高知県内の祖父母の家に遊びに来ていました。高知県で過ごした時間も非常に長いことから、自分の体には高知の血が流れています。現に自分は土佐弁と関西弁と標準語が話せるトリリンガルである!と話しましたが、友人の視線は冷たかったです。

 そんな高知県も現在は元気がありません。つい最近人口は70万人を割り、未だなお減少が止まる気配は見られません。兵庫県で学生生活を送っている中でも高知県のことを常に気にしていたことから、高知県の役に立ちたいと思い、この学部への進学を希望しました。

 さぁ、夢が叶い高知県の役に立つ人材になるためのトレーニングが始まった訳ですが、この1年はなかなか思うように行きませんでした。ここでの1番の弊害はオンラインで授業が進行したことです。したいことも満足にできず、モヤモヤした日々が続きました。しかし先生方はオンライン上でも様々な授業を計画してくださいました。そのためこのコロナ禍であっても私の興味を刺激してくださり、熱く燃える炎を途切らすことなく現在まで学習できています。

 この1年間で学んだこと、それは物事を1つの面で見ないということです。これは学問基礎論の講義内で拝聴した内容になりますが、今の自分に1番突き刺さる内容でした。これまでの私は物事を進めるに当たってデメリットには目を瞑っていました。余計なことを考えたくなかったからです。しかしこれから実習地に分属され様々なことをするに当たって、物事のウラを無視するわけにはいきません。これまでの経験とは違い、利害が加わるからです。物事のウラを無視することによって誰かが損失を被ることになる。そのようなことがあってはならないため、これから先は物事を一面的に見るのではなく、物事のオモテとウラからしっかりと利害を考え動ける人間になりたいと思います。その結果、高知県内に存在する課題を解決できるようなものならそれ以上のことはありません。この学部に来た本望です。

 次年度以降もコロナ禍が続き、オンラインが主流になるでしょう。しかしコロナ禍であってもできること・やることはあります。これから先私は高知県の役に立てるような人間になるために、これからも努力し続けます。

(※2022年執筆)

大学生活は自分次第

岡本 奈々Nana Okamoto
(高知県立高知追手前高等学校 出身)

 振り返ってみるとあっという間の3年間でした。大学入学後すぐは、新型コロナウイルス感染症の影響により、キャンパスにも行けない、友達にも会えないという状況が続きました。高知県出身の私は、大学生になった実感も湧かないまま、実家に閉じこもる生活を送っていました。やっと大学に行けるようになったのは1年生の2学期でした。対面で会う友達や先生、初めてキャンパスで受ける講義に感動したのを覚えています。

 大学では、中学生から続けているバドミントン部に所属しながら、学部での実習やアルバイトにも力を入れてきました。しかし、コロナウイルスの影響で、大会が中止になったり、実習のイベントが開催できなかったりと、目標を失ったまま活動する日々が続きました。今振り返れば、2年生は全てにおいてなんとなくの学生生活を送っていたと思います。3年生になると、様々な活動で主体性が求められるようになりました。これまでよりも自分で考えて行動することが多くなり、自分がどれだけ頑張れるかで結果が変わる、そんな場面が増えたように感じました。私はそのなかで、大学生活は自分次第だということに気づきました。大学生活は高校までとは違い自由度が高いため、自分次第で怠けることも様々なことに挑戦することもできます。限りある大学生活を有意義なものにするためにも、今やるべきことを全力で取り組むのはもちろんのこと、自分の興味のあることには何でも取り組んでみようと思うようになりました。部活動では、自分の苦手克服を目標に日々の練習を行い、実習では、新たに地域の方との繋がりを作るため、学園祭である黒潮祭への共同出店を企画するなど、地域の方との交流を増やすことを意識した活動を行いました。また、地方創生推進士の資格も取得しました。

 いろいろな活動に目標を持って取り組むようになってからは、学生生活がより楽しいと感じるようになりました。部活動も学業もこれまでとは違い、自分のレベルアップを感じることができるので、自信になるし、活動に対する新たなモチベーションに繋がっています。

 限りある大学生活、好きなことやらないともったいない!これからもいろいろなことに挑戦し続け、悔いのない大学生活にしたいと思います。

(※2023年執筆)

共感し、議論できる楽しさ

前田 大我Taiga Maeda
(山村学園高等学校 出身)

 地域協働学部の大きな特徴である実習も終わりを迎え、私が高知県へ来てから3年が経とうとしています。

 私が、この学部に入って、初めに感じたことは、共感し、議論できることの楽しさでした。そして、その思いは3年が経つ今も変わっていません。

 高校時代、私は生まれ育った地元の町に対する愛着を周囲に発信していました。しかし、その「地元が好き!」という思いは、同年代の友人にはなかなか共感してもらえず、それが少し寂しかったことを覚えています。地域協働学部に入学した時、まず同級生が語る、地元への愛の強さに驚かされました。それぞれが生まれ育った街への思いをイキイキと語り、誰かが「地元には〇〇がある!」と言うと、「うちは△△!」と、競うように反応していました。そんな環境は、私にとって本当に心地よい空間でした。生まれ育った場所が違っていても、「地元が好き!」という思いで共感できていたのだと思います。

 そして、共感し、議論できる環境は、実習においても得ることができました。情報誌や発表資料といった制作物を作る際、メンバー間で意見が分かれ、議論が生まれることがよくあります。もちろん、自分の意見が通らないこともあったのですが、「地域の何を伝えたいか」「地域の何を残したいか」といったことを、メンバーと議論していること自体が、とても嬉しく、とても楽しく思っていました。考え方ややりたいことは違っていても、自分達の実習地に価値を見出し、何か恩返しをしたいという思いで共感できていたのだのだと思います。

 私は共感し、議論できる環境は、地域を元気にすると思っています。誰かの思いが、多くの人々に広がっていくからです。実際に、高知の方々が語ってくれた高知への愛着は、私のことも高知を大好きにさせてくれました。そんな思いや環境は、これからもずっと続いていてほしいと思います。

 令和は「個の時代」と言われています。私は、そんな時代だからこそ、考え方の違いを尊重しながら繋がることができると思っています。これからも、多くの方々と顔を合わせ、共感し、議論し、高知の方々に支えていただきながら、より成長していきたいと思っています。

(※2023年執筆)

“変化すること”が楽しい

久保 葵紗Kisa Kubo
(高知学芸高等学校 出身)

 この1年を振り返ると、コロナの影響により通常の大学1年生の大学生活を過ごすことはできなかったけれど自分の中で大きな変化があった年だと考えています。その中でも大きな出来事を2つ挙げます。
まず1つめは、人生初のアルバイトを始めたことです。生まれてからずっと“お客様”としてサービスの恩恵を受ける側にいたため、提供する側に立つことで今まで見えていなかったことに関して新たな気づきや学びを得ました。この経験から、以前より多面的・多角的な視点で物事を考えられるようになったと感じます。やはり、実際に経験してみないと分からないことは山ほどあるのだということに気づきました。
 2つめは、魅力的で個性的な先輩方のお話を聞いたことです。地域協働学部の先輩のお話は非常に刺激的でした。まず、自分の想像を遥かに越える行動力に圧倒されます。中高一貫校で大きな変化なく平和に日々を過ごしてきた私には、先輩方が別世界の人に映りました。自分で考えて動き様々な経験をし、そこから学び進化し続けている先輩達を尊敬すると同時に自分もそうなりたいという気持ちが芽生えました。以前までの私は、新しいことを始めることは何かと苦労すると思い、やりたいことがあっても心のなかで留めておくということが多かったです。しかし先輩方のお話を聞き、「このままではいけない!」という思いが強まり、今までやりたかったけれど実行に移すことができなかったことや新しいことに挑戦するようになりました。苦労してでもその先にある経験や様々な人との関わりにこそ価値があると考えるようになりました。そこで、私はZOOMイベントに参加する、部活動を始める、資格の勉強、様々なバイトの経験を行いました。新たな経験は新しい自分を発見することに繋がります。“変化すること”がこれほど楽しいことだとは思ってはいませんでした。なにより、色々な人と関わり影響を受けてその度に自分を更新することが面白いと感じます。
 波乱万丈の受験期が終わりワクワクと胸を躍らせながら始まった大学生活は、コロナの影響で思い描いていたものとはほど遠いものでした。しかし、そういった状況の中でも様々なことを学ぶことができ、逆にこの状況だからこそできることもたくさんありました。この1年から学んだことは、自分で動くことの重要性です。大学生は何をするにも自由です。そのかわり責任が伴います。大学生活を充実させるのも、体たらくに過ごして質の悪い生活を送るのも自分次第です。親の援助も含めせっかく大学生になることができたのだから、この機会を有効に使うほかありません。様々ことに挑戦し経験して、大きく成長することができる4年間を送りたいと思います。

(※2021年執筆)

“関わり”から学ぶ

玉井 友統Tomonori Tamai
(追手門学院高等学校 出身)

 大学に入学して1年と3か月が過ました。短い学生生活の中でも様々なことを経験してきました。

 地域協働学部は人数が少なく、一つの学年が60人前後です。高校のクラスのようで、知り合いや友達も他学部と比べると地域協働学部の方がはやくできているという印象を持っています。

 日頃の授業も、1年次は専門科目で多くのグループワークや発表などを通し、2年次以降の実習に活かせる取り組みを多く行ってきました。レポートや課題などは多く、書く必要に迫られますが、多くの人と関わりながら行う授業は、他学部では体験できない地域協働学部の強みの一つだと実感しています。また、「地域協働研究」という必修授業では、自分の関心のあるテーマについて調べて、深く探求することができます。

 コロナ禍ではありますが、実習地に行ける時は実習地へ足を運び、実習地に行けない状況であっても学内実習ができる場合は学内で学生と先生で実習を行い、集まることが禁止されていてもオンライン上で話し合いなどを行っています。現在、私は佐賀北部実習班で写真展の企画に取り組んでいます。コロナ禍でもこのように企画を考え、徐々に実行へ移していることには充実感があります。私たちはまだ地域の方と関わりを持つ機会が限られていますが、先輩や先生方と地域の方との会話などから、地域と学生とのこれまでの関わりの深さを感じ、自分たちもこれから多くの地域の方と関わりを持ちたいとの思いを持つ同時に、地域のための企画の考案などを行っています。

(※2021年執筆)

正解のない学びの中で
私なりの答えを探し続ける

秋田 桜Sakura Akita
(令和5年3月地域協働学部卒業/高知県立高知追手前高等学校 出身)

 気付けば、大学生活ももうすぐ折り返し地点です。地域協働学部での生活は、新たな刺激や出会いに溢れ、常に学びと隣り合わせであると感じています。しかし、2020年は新型コロナウイルス感染症により、普段とは異なる形での学びを余儀なくされました。地域協働学部での2年生というと、3年間行う実習の柱になる年です。しかし、楽しみにしていた2年生は友人と直接顔を合わせることなくスタートし、実習も授業もほとんどがオンライン上で行われました。実習地にも行けない、友人と会うこともできない、先の見えない不安な毎日。今の生活に地域協働学部で学ぶ意義はあるのかと考えたこともありましたが、今となっては、苦しくも意義のあった1年であり、私の成長に繋がったと感じています。

 私は高知県黒潮町蜷川地区の集落活動センター「であいの里蜷川」で4人のメンバーと共に実習を行っています。本来であれば、車で2時間程かけて通い、実習を行っているはずでしたが、2020年の実習はほとんどが自宅からのオンライン上で行われました。オンライン実習が始まったばかりの4月は、「本当に実習を行うことができるのだろうか?」と不安な気持ちでいっぱいでしたが、コロナ渦でのオンライン実習は、普段とは異なった視点から地域を見つめ直す機会となり、新たな活動が生まれるキッカケとなりました。実際に、私たちはであいの里蜷川のホームページ作成や地域の特産品であるみょうがを使用した商品開発プロジェクトに取り組むことができました。商品開発では試作品を地域から郵送してもらうなど、様々な面で工夫を施しながらコロナ渦でもできる最大限の実習を行いました。しかし、実習が進むにつれ、スケジュール管理や役割分担、「協働」の難しさを感じ、実習をうまく行えない自分が悔しくて涙してしまったことがありました。協働は、地域と学生の関わりだけで成り立つものではありません。学生のチーム力はもちろんのこと、地域への理解や地域住民との信頼関係が求められます。そのため、難しい状況の中で失敗を感じる度に何度も投げ出したくなりました。しかし、その度に失敗を経験に、成功を自信へと変え、全てを成長に繋げてきました。そしてその結果、今の私があると感じています。

 これまでの実習を通して、学べば学ぶほどグループワーク、協働の難しさを目の当たりにしています。正解のない学びの中で私なりの答えを探し続ける地域協働学部での日々は、苦しいこともありますが、将来必ず私の価値になるものであると信じています。日々支えてくれる家族や友人、先生、そして地域の方々への感謝を忘れずに、今後も学び成長し続けたいと思います。

(※2021年執筆)

地域という大きな基盤でものを考え、
形にして、実行してみる

増田 滉大Kouta Masuda
(令和5年3月地域協働学部卒業/香川県立高松西高等学校 出身)

 地域協働学部とは何を学ぶことができる学部なのか。高知の中山間地域への実習地では、具体的に何をするのだろうか。知らない土地の住民の方と、つい先日まで県外の高校生だった自分が打ち解けていく事が出来るのだろうかと初めはとても不安でした。

 しかし、実際に実習を行っていくにつれ、そんな不安もすぐに消えていきました。

 まずは、地域の歴史や特徴などをちゃんと理解するところからスタートし、住民の方との時間もしっかり設けられているので、すぐに顔を覚えていただき仲良くなることができました。毎回、親切に受け入れていただいている事もあって、いつの間にか実習でお会いできる事が楽しみになってきました。

 現在、私は3年生で、自分が考えた企画を実践する時期に入っています。

 その地域について深く知り、自分には何ができるのか、また住民の方達は私たち学生に何を求めているのか。これまでの期間に知り、学んだことをしっかりと考え、企画として立案し実行する。他の学部では出来ないことを体験することができる。これこそが地域協働学部の醍醐味であると私は感じています。実際には企画を立案してもその企画がまったく実現性がないことを指摘され、自分の無力さを痛感することもありました。そういった失敗が、自分ひとりでなんでもできると勘違いしていた私にとってはとても良い経験となっています。仲間と協働することの大切さを知ることができました。

 今、自分がどれだけのことができるのか、自分の力で何か行動を起こしてみたいという方に地域協働学部はおすすめの場所だと思います。

 地域という大きな基盤でものを考え、考えを形にして、実際に実行してみる。その経験は社会に出て大きく役に立つと思います。

(※2021年執筆)

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