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漁業のまち・室戸の今昔を知るフィールドワーク(鏡川C実習班)

 10月12日、鏡川C記憶の記録と継承チームは、漁業のまち・室戸の今昔を全身で知ろうと県東部に向かいました。朝5時に高岡港に赴き、高岡大敷㈱さんのご厚意で、大敷網漁の操業を見学させていただきました。船上のクレーンなど機械の力と巨大な網を手繰る船員さんたちのチームワークや経験則で、次々と釣りあげられるカジキマグロ、網のブリメジロやカツオやハチビキ等々多種多様な魚たち。鮮度を保つための船上での素早い処理や、自然相手ゆえに臨機応変に乗船員の方それぞれが動かれる様子には、船酔いしつつも、大いに興奮させられました。
 港に戻ってからは、水揚げの様子を見学。20歳で高岡大敷㈱さんに就職なさった今井さんと社長の小笠原さんとの懇談の時間も設けていただきました。同世代の今井さんのお話と姿からは、この仕事が本当に好きという様子が伝わってきて、眩しさを覚えました。小笠原社長からは室戸市高岡地区における大敷網漁の歴史や、地域にとって貴重な雇用の場となっていること、女性にも働きやすい職場環境整備の取り組みについても、教えていただきました。
 10時からは室津港に移動し、キンメダイの水揚げを見学しました。大きく煌めくキンメダイの瞳に引き込まれそうになりながら、計量の様子も見学。産地市場ではどのような人びとが働いているのか、私たち自身がもう少し基礎知識を付けておく必要がある、と感じさせられる時間にもなりました。
 11時からはビキニ事件に遭遇なさった元船員さんのお話を伺いました。戦時中に幼少期を過ごしたこと、新制中学を出て船に乗ったこと、乗ったからにはヒラ船員ではなく国家資格をとって、と自分なりの目標をクリアしながら船員人生を歩まれたこと。個人の生き様に刻まれた歴史社会の一コマを垣間見る時間となりました。
 移動し海の見えるところで昼食をとった後、14時から捕鯨船に乗っておられた船員さんにお話を伺いました。捕鯨船は母船に200人もの人が乗りまるで工場のようだったこと、帰る直前にクジラの大群を見つけたときのこと、乗組員にはマグロ漁船に乗って被災した仲間も少なくなかったこと、地域社会である記憶を記録することは決して容易ではなかったこと、一方で働けばそれだけ結果がついてくる「しんどかったけどいい時代」でもあったこと。自分なりに遠洋マグロ漁の時代の記録をして漁業の町で漁業者として生きた人たちの“人生”を残したいと思っていること。「あんたらがやってくれたことはね、あんたらは気付かんかもしれんけど救われる人が何百人も出てくるから」。地域社会のある記憶を残すことの容易ならざる事情を知っている方のこうした語りは、強く印象に残りました。
 コロナ禍でずっと現地に赴いませんでしたが、室戸の方々や室戸に所縁ある方々のご厚意によって、一朝一夕には消化しきれないほどの貴重で深みのある経験をすることができました。教わったことをどう受け止められるのか、お話を聞き考える経験を重ねつつ、考え続けたいと思っています。


 ※マスクは撮影時のみ外しています。


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