5月24日、ビキニデーin高知2022FW室戸で出会った若い世代の方のお話を伺うため、室戸市に赴きました。
ビキニデーin高知2022FW室戸では、30代の方も参加して、受付スタッフとして役割を果たされたり、パネルディスカッションの際に聴衆として質問なさったりしていました。1950年代の水爆実験に端を発するビキニ事件は、遠洋漁業が基幹産業の一つであった地域社会に現在、どう受け止められているのか。そのことをぜひ伺ってみたい、と思ってのインタビューでした。
迎えてくださったお二人は、職場の休憩時間を学生たちのために割いて、お話をしてくださいました。室戸在住ではあるものの、身近に漁業従事者がおらず、必ずしも身近な事件ではないこと。一方で、かつて被災したという経験を今改めて掘り起こされることに対して、被災した元船員さんやご家族はどう思うのか、気になっていたこと。FW室戸のパネルディスカッションで生の声に接し、考えさせられるものがあったこと。継承をと思う反面、同級生の大半が地元を離れている実状があること。
直接伺わなければ決してわからない率直な感想や地元の状況、お考えを聞かせてくださいました。
その後、市立図書館に移動し、郷土史や行政資料等を閲覧。かつての室戸の暮らしぶりを具体的に伝える史資料は、地元の図書館ならではと実感しました。
最後に訪れたのは、5月10日の現地実習で教わった、「竜宮さん」。配偶者のみなさんが操業の安全と大漁を祈願して訪れた場所です。「もうこの年だと上がれない」と教わった通り、短いけれど急な階段を上った先にありました。今もお茶やお酒がお供えされていました。
ビキニデーin高知2022で提起された、「ビキニ事件は地域社会にとって何をもたらしたのか」を探りながら、よそ者として継承の橋渡しをどのようにできるのか。この日の実習を通じて、具体的なアイデアも出てきたようです。企画の具体化とご協力のご相談をするため、また室戸にお邪魔することになりそうだ、と確信する時間となりました。