秋晴れの美しい10月11日、室戸市に赴き、職員組合・青年部の方々とビキニ事件に関する情報交流会を行ないました。
黒潮クラスター「記憶の記録と継承」チームの今年度のテーマは「発信」。昨年度の実習を通して学んだ“ビキニ事件にまつわる記憶”を、部活やアルバイトや他の講義など忙しい中でも、できる範囲で伝えたい、とりわけ若い世代に。そんなことを考えながら、今年度は実習の企画を組み立ててきました。
今回は、今年5月のビキニデーin高知2022フィールドワーク室戸で恵まれたご縁をきっかけに実現した、ビキニ事件の地元の若い世代の方々との情報交流会です。映写トラブルゆえ急遽スライドを印刷+配布し、20分ほどの発表を聞いていただいた後に、50分ほど意見交流を行ないました。
「ほとんど知らない」と仰る方が多かった一方で、室戸在住やご出身だけあって、「教科書のコラムページに書かれていた記憶がある」、「(学生が話を伺ったという)Yさんのお話を、かつて聞いたことがある」、「小中高と室戸だが、(ヒロシマ・ナガサキを学ぶ際に)先生が少しだけ、「室戸も被ばくしてるよ」と、チラッと言ったくらい」等々、断片的であっても地域社会とビキニ事件との関わりを示唆する声や場面に遭遇したことのある方が、多くおられました。
また、被ばくした後に被害の実態を明らかにするのではなく”放置”されたことの問題性といった論点にくわえ、説明資料の改善に関する具体的なご指摘や、「現在進行形の問題として核問題に取り組むことを体現している」、「市外の若者世代がビキニ事件の問題に取り組むことの尊さを感じる」といった温かいお言葉をいただき、あらゆる点で貴重な意見に触れる機会になりました。
就業後のお疲れのところ9名の職員さん、室戸出身のご遺族、ビキニ支援室戸の会の方とその教え子で室戸在住の若い方が、お越しくださいました。貴重な時間を割いて場づくりにご尽力くださった青年部の方々をはじめ、意見交流をしてくださったみなさまに、深く御礼申し上げます。