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室戸で防災と伝統芸能の現在について教わる(室戸を主とした漁村のくらし実習班)

 7月2日、室戸市にお邪魔しました。この日は、室津東町の避難タワーの見学と、室戸岬地区自主防災組織連絡協議会の会長さんにお話を伺うことにくわえ、椎名集落活動センターで伝統芸能の中でも特に椎名の太刀踊りについて教わることが、主な目的でした。

 思わぬトラブルで到着が遅れた中、市防災課の職員さんお二人がご多忙の折お時間を割いて室津東町の津波避難タワーに案内してくださいました。普段は立ち入ることのできない避難タワー。施錠の理由は登ってみると一目瞭然で、タワーの上階からはお家の様子がよく見えます。町中に避難タワーを造る必要性はある一方で、近隣のお家のプライバシーの兼ね合いという重要な論点について、どう落としどころを見つけていくのか。防災をめぐり地域の方との合意形成の大切さを、実感と共に垣間見ました。備蓄の様子も拝見し、いつかに備える取り組みは重要だけれども大変なこと、他方で備えていればもしもの時の状況はだいぶ異なることについて、改めて理解を深めます。

 続いて、室戸岬町坂本地区にご案内いただきお話を伺いました。市内の自主防災組織の状況や来歴、連絡協議会会長が会長を引き受けることになった経緯や普段の取り組み、マニュアルや避難所運営の内容や現時点で感じておられる課題について、教わりました。直前にお送りした質問リストを、職員さんたちがお伝えし、アレンジしてくださったことで実現したインタビュー。自主防災組織はその前からあったものの、東日本大震災を受けて取り組みの機運が高まり、夜間の避難訓練や研修活動を含めて活発な動きがあったそうです。ただ、年月が過ぎ去り、少子高齢化で担い手も限られる中、古井戸を大切にするよう呼びかけたり各家のご事情に応じて訓練への参加を呼びかけたりするなど、工夫を凝らしておられる様子が伝わってきました。

 地元のお食事処「まんぼう」さんで昼食後、椎名集落活動センターへと移動し、主に東(飛鳥・清水・鹿岡)の太刀踊りについて教わりました。以前お伺いしたときにご紹介いただいたDVD(2013・室戸市『椎名の太刀踊り』)には、935年紀貫之の同行者によって伝えられたとされていることや昭和40年県の民俗文化財に指定されたこと、大太刀と小太刀とに分かれて舞う太刀踊りに、椎名地区に所縁ある三姉妹が女性として初めて参加した時の様子(=西の太刀踊り)が捉えられ、興味深く視聴させていただきました。保存会でベテランでもある久保さんからは、50年前に自分らが教わった動きと今の動きとは手の動き一つをとっても「ねばさ」が違うこと、戦前には真剣を使っていたことなど、かつての厳しさと伝統についても教わりました。ほかにも、神祭の時期にはお互いのお家に伺い飲食を共にする無礼講のおきゃくがあったことや、太刀踊りの衣装を見せていただきながらかつては呉服屋さんで仕立ててもらっていたお話を、教わりました。当日来られないからと元漁師の安岡さんはマンボウと青菜の炒め煮を差し入れてくださり、美味しさに感動しながら文化的なお話を伺うという贅沢。その後奉納する竈戸神社、厳嶋神社、八王子宮を案内していただき、祭事が地域の方々にとって大切なものであること、他方で存続させるための大変さとも直面している現状を、教わりました。

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