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椎名大敷網漁と“絶品賄い”に学ぶ出汁づくり(室戸を主とした漁村のくらし実習班)

 1月26・27日、室戸の食材を活かしたラーメンづくり企画を前進させるため、室戸実習班2年生は室戸へ向かいました。今回は、この時期に獲れる魚種について椎名大敷組合に教わり体験すると共に、鮮魚の旨味が濃縮した賄いスープを探求することが、主な目的です。

○噂の「賄いスープ」

 室戸の定置網で最大規模を誇る椎名大敷組合では、船員さんたちの福利厚生の一環として、現在も賄いを続けておられます。その賄いで毎朝調理されるスープが絶品で、あれはラーメンスープにもなる、と教わりました。

 合宿前、学生たちは自宅でスープの試作をしました。ただ、魚をベースに出汁を取ることは思った以上に難しかったようです。人気ラーメン屋店主が発信するサイトをいくつも確認し、市場で購入した魚と昆布や椎茸を使って、かえしも入れて製作したものの、多くの課題を感じる味でした。

 長年作られてきた、絶品・椎名大敷の賄いスープ。その極意を教わりたい。そんな思いを胸に、夕方大学を発ち一路東へと向かいました。

○ガラクラーメンに学ぶ、出汁のコツ

 19時頃に室戸に到着すると、ちょうど少し前の高知新聞で、美味しいラーメンを提供する「雅楽」の紹介記事が出ていたことを思い出し、宿(太田旅館さん)にチェックインしてすぐに雅楽さんに向かいました。

 店名を冠した「ガラクラーメン」を頼み、待つこと少し。できたてラーメンを味わいつつ、スープの出汁を何でとっているのか推理します。

 「ニンニク、キャベツ、豚肉が入っているのはわかる。鶏ガラかな…」「油で味を整えていそうじゃない?」 

 美味しさを堪能しつつ、素材とその使い方を想像し、お会計時に女将さんに質問します。授業の一環で室戸の食資源をふんだんに使ったラーメン製作の企画に取り組み苦慮していることを伝えると、快く応えてくださいました。

 夜営業の鉄板焼き屋である雅楽では、女将さんのご経験で知り得たレシピをベースに、お店ならではの素材と煮込み時間、そして試行錯誤とこだわりの調味料で研究を重ね、今のラーメンスープに到達したそうです。ご経験と身の回りにあるものを存分に活かし、こだわりと試行錯誤でスパイスをつけたレシピは、成立背景そのものが合理的かつ魅力的で、学ぶべき点を多く感じられるものでした。美味しさと親身に教えてくださったことに感銘を受け、お店を後にしました。

○椎名大敷網漁へ

 翌朝、5時半にお宿をチェックアウトして椎名漁港へ向かいます。早朝の寒さを感じつつ、ヤッケ、長靴、ライフジャケットとヘルメットを装着し、いざ船にお邪魔します。港から約10分で、大敷網が設置された地点に到着。

 定置網漁では、回遊する魚の習性を踏まえ設置された網(道網・運動場・一段箱・二段箱)に魚を追い込み、道網に当たって行き着いた最奥の網(二段箱)に入った魚を船で引き揚げます。

 3艘の漁船がコの字型になって機械と人力で手繰り、網を狭めて中を泳ぐ多種多様な魚を大きな漁網や人の手で船に引き揚げていきます、この日は体長3mに及ぶマンボウをはじめ、サバ、メジカも目立ちました。資源管理のためにリリースする魚も。

 定置網では、全ての魚が最奥の二段箱まで達するのではなく、7割程度が逃げていくそうです。室戸で定置網が始まったのは明治時代。中でも椎名地区は足元の沿岸で集落民が出資した共同経営による大敷網漁の先進地だそうです。

 資源を乱獲せずに残しつつ、近年国際的な人権問題でもあるIUU漁業とも無縁のかたちで長年にわたって続いてきた大敷網漁。気候変動により海も回遊する魚たちにも大きな変化が見られ、課題も山積していると言いますが、この日は漁獲量も魚種も多かったそう。アジは通年で揚がり、サバは冬場が最も多く味も良いことを教わり、さらには「試作用に持って帰って作りや」と、ゴマサバにマサバ、メジカにマルソウダ、アカムツにアカネキントキをご厚意でいただきました。

○念願の賄いスープづくりに同席し味わう

 水揚げと選別、計測等々がひと段落すると、いよいよ賄いです。キッチンにお邪魔して、手早く調理をする漁師さんらの脇へメモ帳片手に佇み、スープの工夫を教わりました。

 鍋に入れるのは、水揚げしたばかりの魚たち。血合いは目立つ部分だけを落とし、基本はブツ切り、味付けは醤油のみ。とりわけブリやイカは良い出汁が出るそうで、イカは一鍋に一杯入れる。臭み取りは最初に強火で沸騰させ灰汁を取り除き、その後2分ほど弱火で煮込むことが肝心だそう。

 いただいたスープは、確かに濃縮した魚介の旨味と醤油とが絶妙なハーモニーを奏でる絶品でした。「胡椒を入れるとラーメンスープっぽくなるよ」と教わり試してみると、あら不思議、うどんスープっぽさから突如ラーメンスープへと転身(?)を遂げました。うどんを投入したスープも繰り返しお裾分けいただき、「中華そばだとどうなるか?」と想像も膨らみました。

 新鮮そのもののお刺身の美味さに唸り、繰り返しスープへの食レポと感嘆の声を上げ続ける様子を、大敷組合のみなさんは仕事に戻る準備をしながら温かく見守ってくださっていたように思います。

 賄いをいただく前には、「これも食べてみて」と前組合長が多種多様なお手製の冷凍切り身を持たせて下さったり、出張前の時間を縫って集落活動センターのお二人が「たのしいな通信」最新号を届けて下さったりと、今回も地域のみなさんのご親切と全面的なバックアップをいただきました。

 

 今回の合宿を通して学生たちは、思い悩んでいたラーメンスープの方向性に関する多くの示唆をいただき、温かいエールにとても励まされたようです。学生たちの取り組みを受け止め、惜しみない助言とお力添えを下さる地域のみなさまに、心より深く御礼申し上げます。


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