よく晴れた2月4日、室戸を主とした漁村実習班2年生は、ラーメン企画の進捗報告とご助言伺いのため、室戸に赴きました。
1月末の室戸合宿で得たガラクラーメンさんの知恵と椎名大敷組合の絶品賄いスープとの出会い、そして提供いただいた魚介類を用いた試作を経て、手応えを感じた学生たち。ラーメン企画の現在地と今後地域で実施したい試食会についてご報告・ご相談をすることが、今回の目的です。
◎室戸で開催中のグルメイベント「サバらしい日々」(2/1~3/8まで)
室戸への道中、ふと「サバらしい日々」が始まったことが話題になりました。室戸行の数日前には、テレビで三津の「まんぼう」さんを取り上げた「サバらしい日々」の紹介があったのだとか。3年生の有志も昨年、「サバらしい日々」期間中に室戸を訪れ舌鼓を打っていました。
以前、「サバらしい日々」でサバすきを出しているお店がある、と教わったことも、話題にのぼりました。
70~80代の室戸市椎名地区の方々のお話では、かつてすき焼きといったら肉ではなくサバを入れていたそう。「肉を食べるようになったんはだいぶあと」と仰っていました。肉の方がいい、と仰る方もおられましたが、学生たちからしたら、サバすきをこそ食べてみたいメニューです。
そんなこんなから、打合せの前にぜひとも室戸でサバランチしよう!と、取り組みに尽力しておられる廃校水族館に立ち寄って各店のメニュー情報を教わり、サバすきを出しておられる「ドライブイン夫婦岩」さんへ向かいました。
◎ドライブイン夫婦岩で「サバすき」を堪能
12時半を過ぎていたものの、お店はほぼ満席。常連さんから旅人まで、多くの人で賑わっています。トラックのホイールを再利用したオリジナルの薪ストーブが店内を暖めていました。
席に着くと、「サバらしい日々」のメニュー三種とにらめっこ。サバの刺身、サバ茶漬け、サバすき丼のすべてが美味しそう。お魚はすべて椎名漁港で水揚げされたもの。悩んだ末に、サバの刺身とサバすき丼をそれぞれ頼みました。
お膳が届くと、「本当に1000円で良いの?!」と煩悶するほどの豪華さです。サバの刺身とサバすき丼、それぞれのメインディッシュもさることながら、小鉢(?)は6種類の盛り合わせ。おでんにきんぴら、ポテサラにインゲン豆の胡麻和え、さらには鯨の唐揚げや魚卵の煮しめ。この上なくご飯に合います。大サービスのまかない汁も滋味ある優しい味わい。
さばすき丼は、すき焼きで煮込まれたかのような(けれど硬すぎない)サバと野菜たちが白ご飯とマッチして、箸の勢いが止まりません。「肉よりこっちの方が好きかも…」との声も。サバの刺身は、お刺身だけでも2000円超でも良いのでは…?と思うほどの質と量。サバは足が早いので、獲れたてでないとなかなか刺身で食べることはできません。
隣席では、移住者の方がサバ茶漬けを食べながら話しかけて下さる場面も。その方の離席後は、美味しさのあまりしばし無言になりながら、すばらしい「サバらしい日々」を堪能しました。
◎椎名集落活動センター「たのしいな」にご報告とご相談
サバランチでエネルギーチャージをして、椎名集落活動センター「たのしいな」へ向かいます。「たのしいな」では、いつもお世話になっている川島さんと仙頭さん、地域企画支援員の藤井さんが迎えてくださいました。
試食会の日程にくわえ、2度にわたる試作の手順と教訓、椎名大敷さんの賄いを通して得られた知見を2度目の試作でどう生かしたか、そして探している食材についてご相談をしたところ、示唆に富むお話やご助言をたくさんいただきました。
〇伝統野菜「ぼたなす」と希少種「椎名スミカン」、日本固有種「タチバナ」
印象に残ることはいくつかありますが、一つは、トッピングに使おうと思っている「ぼたなす」のこと。「ぼたなす」は室戸の山奥の集落で、交配せずに継がれてきた、固有種です。資料がほとんど残されておらず、図書館のレファレンスや県庁で調べても、分からないことが多いそう。水分が多くクリーミーなのでフライや天ぷらが一番おススメの食べ方で、「ナス嫌いも食べられるナス」だそうです。学生たちは、一度目の試作時に材料を買い出しに赴いた「とさのさと」で思いがけず見つけました。トッピングで天ぷらにしたらとても美味しく、当初計画にはなかったものの、トッピング採用となったものでした。
もう一つは、これまたトッピングにと検討している柑橘のこと。県東部は県内でもユズの大生産地として知られていますが、かつては多種多様な香酸柑橘が各家庭で育てられていたそう。このことは、2022年設立の「ひがしこうち香酸柑橘類研究会」が詳しく調査しておられ、椎名地区にも「椎名スミカン」や「タチバナ」の古木が一部残っているそうです。以前川島さんに教わった「椎名スミカン」を印象深く感じていた学生が、万が一使わせてもらえる可能性があれば、と思ってのことでした。
古木で希少種であり、生育状況や収量もわからぬままのご相談となってしまったのですが、ラーメンレシピが確定し、保存や量産の見通し状況も見据えながら、引き続きどのようにご相談するかを検討することになりそうです。
〇試作時の心得と、試食会に向けた実践的なアドバイス
試作の日程やそれに向けた手順についても、とても実践的なアドバイスをいただきました。作り始めの時間とし終えた作業の終了時刻を記録し、都度参加者の動きや反省点をメモしておくこと。1度目には何時間何分の時間を要したか等、試作に要した時間も記録しておくこと。レシピが確定したら、冷凍ではどの程度保存できるか、味の質は変わらないか、等いろいろなオペレーションが必須であること。数えきれないほどの実践を経た知見から織りなされるアドバイスから、これらの記録が、今後地域で試食会をする際に現場の動きを考えるための材料になることが、よくわかりました。
年間のイベントスケジュールや、学生が授業時間外に室戸に赴くための旅費補助についても、ご教示いただきました。来春のラーメン企画歓声を目指し、イベントでの試食会も具体化することができそうです。
親身になって惜しみないご助言を下さることをありがたく思いながら、帰路につきました。お世話になったみなさまに、深く御礼申し上げます。
※室戸では「サバらしい日々」(~3/8)にくわえ、「ムロト春のブリまつり」(3/1~4/19)が開催中です。室戸にお世話になっている一員として、多くの方に、漁師さんたちが獲った美味しい旬のお魚を堪能しつつ高知の海の文化や漁村のくらしの豊かさに接していただけたら、と思います。



















