2年生実習黒潮町クラスでは、12月8日に、任意参加の形で、ザトウクジラの死体を解体するボランティア活動に参加しました。このザトウクジラは、2週間ほど前に、黒潮町佐賀地区の熊野浦海岸に漂着したものです。体長は8.6メートルほどの成体の雌とみられるとのことでした。漂着後2週間ほど経過する間に腐敗が進み、表皮は一部崩れており、かなりの部分が白っぽくなった状態でした。漂着した海岸は、通常、釣り人以外は入っていかない海岸で、人ひとり分の幅しかないような細さの、急な坂道を降りた所であるため、重機やトラックを下ろすことはできず、海岸も岩場の遠浅の箇所であるために、船をつけることができないという難所で、人力に頼らざるを得ない環境にありました。そこで、認定特定非営利活動法人四国自然史科学研究センターの谷地森秀二氏の指揮の下、ボランティアが鯨の皮膚、脂肪層、筋肉、内臓、骨などを小分けに切り出し、皮膚、脂肪層、筋肉、内蔵は波に洗われない場所に引き上げ(海洋汚染を防ぐため)、骨は入野の浜に運び出すという予定で、解体作業を行いました。この日の予定では、干潮時刻が終了する14時頃までに、腹側から身体の横までの表皮と脂肪層を剥ぎ取る計画でした。実際には、参加者のがんばりがあり、予定より早く皮膚・脂肪層の剥ぎ取りが終了し、頭蓋骨後半部(すでに以前の作業で取り去られていた上下顎骨を除く部分)を摘出する所までの作業が午前中に終了しました。今回、われわれは、実習先である砂浜美術館の大迫さんの紹介でボランティアに参加させて頂きました。学生は装備が不十分なため、基本的には観察と写真撮影を行いました。貴重な体験をさせて頂き、ありがとうございました。