遺伝学的検査に関する用語集
ヒト組織
ヒトから採取された血液、組織、細胞、体液、毛髪、排泄物等。
サンプル(検体、試料)
ヒト組織又はヒト組織から採取された血液、組織、細胞、体液、排泄物等もしくはそれらから調整・精製されたDNA、RNA、タンパク質等の生体成分。
個人情報
生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により「特定の個人を識別することができるもの」(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)をいう。
遺伝情報
遺伝的特徴やそれに基づく体質を示す情報のうち、匿名化などにより個人を識別することが不可能である情報をいう。個人を識別することが可能な情報を「個人遺伝情報」という。
遺伝
親から子、または細胞から細胞へ、その次の世代に親の特徴(形質)が伝わる現象。
遺伝子
DNA分子中の主にタンパク質の合成に関与する機能単位。DNAはアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)の4塩基が一定の配列で並んでおり、 DNA各鎖のAとT、GとCが水素結合し安定した二重らせん構造をとっている。
遺伝カウンセリング
遺伝性疾患の患者・家族またはその可能性のある人に対して、生活設計上の選択を自らの意思で決定し行動できるように臨床遺伝学的診断を行い、遺伝医学的判断に基づき遺伝予後などの適切な情報を提供し、支援する医療行為。
遺伝学的検査
遺伝性疾患を診断する目的で、ヒトのDNA、RNA、染色体、タンパク質(ペプチド)、代謝産物を解析または測定すること。
遺伝学的情報
遺伝学的検査により、DNA、RNA、染色体、タンパク質(ペプチド)、代謝産物などから直接得られる医療情報の他、家族歴などからそれらの存在を推定しえる家系情報も含まれる。
遺伝子検査
ヒト体細胞ともいい、癌細胞のDNA検査、遺伝子発現解析など病状とともに変化する一時的な遺伝学的情報を明らかにする検査。
遺伝子多型
ある遺伝子座において、塩基配列の異なるアレル(対立遺伝子)が複数存在し、それが集団中で1%以上の頻度で存在するときをいう。
遺伝サービス
遺伝医学および遺伝性疾患に関係した健康サービスをいう。遺伝学的情報や遺伝学的検査、遺伝学教育、遺伝カウンセリングへのアクセス、患者支援団体への紹介などが含まれる。
がん遺伝子
本来の機能を失って、異常な機能をもってしまうことにより、細胞のがん化を起こしてしまう遺伝子のこと。
遺伝子治療
ベクター(運び屋)に組み込んで、もしくはそのまま外来遺伝子を生体に導入し、目標とする細胞、または組織で意図したタンパク質を合成させて、治療目的を達成する手技のことをいい、現在は遺伝病よりむしろ癌の治療に応用されている。
遺伝性疾患
単一遺伝子病(メンデル遺伝病)、染色体異常、多因子(遺伝)疾患の3群に分類される。