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【イタリア留学体験記】〔Vol.03〕March8th,2023 – March 9th,2023 in Alghero(前田編:第三回)

 高知大学ではイタリア・サッサリ大学と学術交流及び学生交流の大学間協定を結んでいます。この体験記は2023年春に行われた学生交流に参加した地域協働学部学生4年生・前田大我さんの記録です。

 3回目(最終回)は2023年3月8日~9日までのアルゲーロでの記録です。

 第1回オロゼイ編第2回マモイアーダ編と合わせてお楽しみください。

 既に連載済みの地域協働学部4年生・窪田良雅さんの体験記(第1回第2回第3回)も引き続きご覧いただけます。

 

◆◆◆

〔Vol.03〕March 8th,2023 – March 9th,2023 in Alghero

高知大学地域協働学部4年の前田大我です。

2023年3月に、イタリアのサルディーニャ島で行われた国際フィールドワークの体験記Vol.03。

Vol.01と02で取り上げた2つの街でのワークを終え、大学のあるアルゲーロ(Alghero)という海沿いの街へと移り、総まとめのワークを行います。

 

◼️美しいアルゲーロの街

最後のワークを行うのは、サルディーニャ島の西岸の都市、アルゲーロです。海沿いには旧市街が残されており、美しい海が見えるカフェも多く点在している、本当に素敵な街でした。

 

◼️アルゲーロでの日本人先輩との生活

 

 そして、マモイアーダでは、前回のオロゼイとは違う「Bioenergy Community」というテーマでフィールドワークを行っていきます。

 「Bioenergy 再生可能エネルギー) Community」とは、環境に優しいとされるエネルギーが持つ、電力供給が不安定になるというリスク(雨天時の太陽光発電など)を、街全体で電力を共有するコミュニティを作ることで乗り越えていこうという試みでした。

 このマモイアーダも、土砂災害などの自然災害のリスクがあり、それらの危険性も考慮しながら進めていきます。

アルゲーロでは、今回の2週間のワークに参加していた日本人学生2人で生活をしていました。

旧市街のど真ん中にある部屋だったので、朝起きて窓を開けたらイタリアらしい街並みが広がっている、ジブリの世界に飛び込んだかのような、本当に素敵な部屋でした~

(洗濯物干してる部屋が私たちの部屋です!)

何故か家で踊ってる先輩と呆れてる私

 

◼️今回最後の総まとめワーク!

最後のワーク、今回は外へ出ていくようなフィールドワークは行われませんでした。

サッサリ大学のパオラ先生から「私たちがオロゼイと、マモイアーダで行った2つのワークには、実は共通の目標がありました。何だと思いますか。」と問いかけられたところから、ワークが始まりました。

海沿いの村オロゼイで行った「災害時でも歩けるまちづくり」と、山間の村マモイアーダで行った「再生可能エネルギーのコミュニティ形成」。

とても遠く、かけ離れた内容のようにも感じます。

今回は日本人学生2人で考えることが多くあり、2人で災害時のまちづくりとエネルギーの再構築にどんな共通点があるのか、探っていきました。

 

🔳日本人学生による高知大学での活動紹介

この日はワークの他に、「若手研究者による国際座談会(9th International Young Researcher’s Round Table)」も行われました。

そしてなんと!

私たち日本人学生2人も、特別にその場で発表をさせていただけることになりました。

イタリアの他にも、メキシコやタイなどからも大学院生が参加しており、初めての経験にドキドキしながらの発表となりました。

先輩は高知市五台山で行っている防災と絡めた観光振興活動について、私は津野町床鍋集落で行っている地域文化保存活動について発表を行いました。

前回までのワークでも痛感した通り、他の発表者に比べ、発表内容に仮説や効果検証といった論理的な要素が足りていないと感じることもありました。

しかし、参加していた先生方からは、「仮説に終わらず、実際に実行していることにとても大きな意義がある。素晴らしい!」とたくさんのお褒めの言葉をいただくことができました。

やはり他国の大学においても、実際に実行できる環境というのは多くないそうで、地域協働学部ならではの、考えたことを実行し、そこでの課題点さえも反映させることのできる環境は、得難いものなんだと、改めて実感できました。

高知県から遠く離れたイタリアで、高知県での学びを発表できて、学生たちの間で互いに影響を与え合えたかもしれないことに、とてもとても強い感動を覚えました。

 

路地裏のバルで、地域に対する価値観を語り合う

今日の授業を終え、スーパーで買い物をしながら家へ帰ると、なんと下宿の1階がイタリアンバルになってました!!!

今日は家で夜ご飯の予定でしたが、せっかくなので発表お疲れ様の乾杯をしに行きます!

音楽がかかったオシャレな空間で、ちょっと良いお酒と生ハムを前に、今回のイタリア研修で起きたこと、高知での活動などについて語り明かしました。

実は今回のこの2人、イタリアに来るまではそんなに多くの接点はなく、互いに違う分野で活動しているタイプだと考えており、話すことも多くはありませんでした。

ただ、今日の互いの発表の話を聞いて、活動への思いに共感できるポイントが多くあり、話はめちゃくちゃ盛り上がりました…!

「高知が好きで、高知の豊かな暮らしを守りたい!」という、根本の価値観を共有しているからこそ、違う活動をしていても理解や共感をすることができ、話し合うことができるんだなと思います。

イタリアに来て、価値観を共有するまでのハードルの高さを感じたからこそ、この関係性がとっても嬉しかったです。

 

ついに判明!このワークの最終地点!

始まりのパオラ先生からの言葉にもあったように、今回のワークの最終地点は、私たちがイタリアの2か所で行ったワークの共通目標を探ること。

別の土地で、別の事柄を行っていながらも、深層心理に共通の目標を持ち、それを共に目指していこうと明示することで、互いの理解が広がる地域づくりに繋がるのだと思います。

そして、この話は、私たち2人が昨日バルで話したこととも、少し重なるように思いました。

では、私たちの深層心理にあった共通目標とはなんだったのか…

それは「Keeping Daily Life」だと考えました。

私たちが行ってきた「防災都市計画」も、「環境に配慮した電源開発」も、「観光振興」も、「文化の伝承活動」も、私たちが豊かだと感じる土地の暮らしを次の世代に繋ぎたいという思いから、派生した活動の数々なのではないかと考えました。

一見とても離れた活動のように思う2つのワークでしたが、よくよく根本まで考えてみると、実はそこに共通の目標がある。

普段地域振興に関わっていると、つい抜けてしまう視点でしたが、このワークが何のためだったのか、この機会に改めて考えたことで、やっとキチンと理解できたように思います。

そしてこれは、地域協働学部でも同じことではないかと、その時感じました。

各実習班が行っている「地域の情報発信」も、「観光プログラム開発」も、「地域福祉活動」も、「集落の道掃除」も、高知が大好きで、これからも高知が豊かな土地であってほしいという共通の願いが、根底にはあるように思います。

やっていることは違っていても、根本には共通の目標を持っていると理解できること。

これは、地域で活動する人々みんなが、地域を創っていくとき、互いの分断を超えていける、とても心強い指針となるのではないかと感じました。

イタリアでも、高知でも通用する、地域づくりの指針を少し理解できたように思います。

そして、それらの価値観をゲーム化し、最後の発表を行いました。

今回ずっと担当してくださったパオラ先生はゲーム理論が専門の先生でした。

私は、最後のゲーム化の部分に積極的に関わることができず、ゲーム理論の理解が追いつけなかったのが、最後の悔しいポイントでした。

そして、この発表をもって、この2週間のワークは本当に終わり。

ずっと同じメンバーで議論を交わしてきたので、とてもとても寂しいです。

 

最後の晩餐は、イタリアのお寿司!!!

今日は最後のワークの日ということで、お昼ご飯はイタリア学生オススメのお寿司屋さんへ!

フォークは無く箸のみ、醤油はキッコーマンという、かなりの本格派で、テンションが上がります!!!

そして出てきたのはこちら!!!

「海苔巻きの天ぷらのクリームチーズ乗せ(?)」

「なぜかシャリが黒いサーモン握り」などなど

見た目は驚きの連続でしたが、味はとっても美味しく、久しぶりの日本食にほっこり…!

そして、次々出てくるビックリ日本食に驚いている私たちを見て、イタリアの学生もニコニコ!

「私たちもピザにパイナップルを載せるのだけは信じられなかったわ笑」と、異国に渡った郷土料理の話で盛り上がりました…笑

 

涙涙の修了式

そしてついに、この国際フィールドワークも終わりの時となりました。

最後は、お世話になったキャンパスで修了式を行います。

お世話になったパオラ先生。

この後、先生の本にサインもいただきました。

 

ずっと部屋が一緒で絆が深まったアンドレアとくぼーん先輩。

メンバーの中で、アイドル的存在のアウローラとお母さん的存在のリザ。

他にも参加していた学生とたくさん写真を撮ってました。

 

最後には、高知大学から同行してくださった大槻先生が、この国際フィールドワークに対する熱い想いも語ってくださり、本当に来て良かった!!!と思える修了式となりました。

 

この “国際フィールドワーク” の総まとめ

最後に、私が、この2週間の国際フィールドワークを一言で表すとするなら、

「苦楽しい(くるたのしい)」です。

これは、この2週間、私たち日本人学生2人がしょっちゅう言っていた単語でした。

英語ばっかりの環境も、自分から発言しないといけないコミュニケーションも、朝から晩まで行われるワークも、全部すっごく大変で、苦しく感じることも多いけれど、なぜかそれが全部楽しくなってくる。

そんなことを感じていた2週間のワークでした。

大変なことも多い中、最後に「楽しい!」と思えるようになったのは、そこにたくさんの新しい発見があったからでした。

価値観の違う相手と話す楽しさや、全く想像もしなかった新しい視点などなど、自分が成長できていると明らかに感じられる瞬間がたくさんありました。

 

理論重視の建築系の学生のところに、経験重視の地域協働学部生が入っていくというギャップ。

話したいことはあるのに、そこに言語化力や英語力が追いついていかないというギャップ。

そして、そんなギャップをゆっくり埋めている余裕などないハードな環境。

そんな、高知から遠く離れた環境でしか出来ないことをしていたからこそ、すごい勢いで成長できた2週間にできたと思っています。

 

せっかくなので、人ヨーロッパ旅をしてから、日本へ帰ります!

せっかくの初めてのイタリア!

そのまま帰るのは勿体無く、1人旅をしてから日本へ帰りました!

最終日も海沿いのカフェテリアでゆっくり朝を過ごし、

1両編成のローカル鉄道でサルディーニャ島を横断。

夜はサルディーニャ島のビールを飲みながら、

夜行フェリーでイタリア本土へと渡りました。

ローマの休日も体感し、

本場のミラノ風ドリアも食べ、

 

国際列車でスイスへと渡り、

 

スイスもちゃっかり満喫してから、

日本へと帰ってきました~

 

最後に…

全3本に渡る、長編の体験記を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

もしこれを読んでいる方で、このプログラムに少しでも参加したいという方がいらっしゃいましたら、ぜひ一思いに飛び込んでみてください!

自分のキャパシティを最大限に広げ、知らなかった視点をたくさん持つことのできる環境が、このプログラムには用意されていると胸を張って宣言できます!

ぜひ次はイタリアで!!!チャオ~!!!

 

◆◆◆

以上、2人の在学生によるイタリア留学体験記を6回に渡りお届けしました。

海外での経験は視野やモノの見方を広げる大きなきっかけとなります。少しでも興味を持った方はぜひ先輩に話を聞いてみましょう!


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