博物館トップ・魚研トップ・今月の魚・土佐の動植物写真 新着情報・研究・メンバー・標本・採集・卒修博論・出版物・就職先・魚類学者・プロジェクト・リンク |
土佐の魚 |
高知県の川や海には何種ぐらいの魚がいるのでしょうか? |
![]() イナズマヒカリイシモチ Siphamia tubulata (Weber), 2000年8月に高知県大月町柏島で撮影. |
★現在のリストを改訂中で,これまでに高知県で採集または確認された魚類は2,108
種です 日本からはどれぐらいの魚の種が知られているのでしょうか? 2000年12月に出版された「日本産魚類検索 全種の同定」第2版(中坊徹次編,2000)には,352科3,887種が掲載されました(現在はおよそ3,900種).現在も魚類の分類学的研究の進行と共に,新種や初記録種が続々と追加されています.この種の多さは,日本列島が南北に約3,000キロと長く,寒流や暖流の影響を受けていることに因ります.流氷の海からサンゴの海まで,河川や湖の淡水域,河口部の汽水域,沿岸から沖合い,大陸棚から深海底までと,魚類の生息環境は極めて多様性に富んでいます. 太平洋に面した高知県は,その沿岸が黒潮の影響を強く受け,幡多郡の大月町沿岸や宿毛市の沖の島周辺では,サンゴ類が良く発達しています.また,土佐湾はすり鉢上に深くなり,南海トラフの水深4,000メートルを越える深海底へとつながっています.淡水域はといえば,豊かな自然が残る山間部から流れ出る大小の河川があります.高知県の魚類相は,私たちの研究室の初代教授である蒲原稔治先生が,1931年に研究をはじめ,その後1964年に総まとめをして1,233種をリストアップしました.最近行われた下記の文献とBSKU所蔵標本,柏島などの沿岸で撮影された水中写真の確認から,高知県で記録された魚類を集計したところ,およそ1,900種であることが判明しました(2003年9月13日現在).この数字は,日本で記録された魚類のちょうど半数近くという驚くべきものです.今後も新種の記載や初記録の報告が進めば,高知県で記録される種数は確実に増えるでしょう.
(遠藤広光) |
|