令和2年度 高知大学医学部附属病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数 ファイルをダウンロード      グラフはこちら
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 679 283 267 481 793 1191 2154 3604 1824 275

     
   [定 義]
・集計対象期間の退院患者さんの人数を入院した日の年齢を基準に年齢階級別(10歳刻み)で、集計しています。
・転科や転棟にかかわらず、一連の入院をもって1件と集計しています。
 
     

[解 説]
 当院は、地域に密着しつつもあらゆる面で高度な医療を提供する県内唯一の医育機関附属病院として、幅広い年齢層の患者さんに対してその役割を果たしています。特に、全体の約68%を占める60歳以上の患者さんについては、健康的な生活習慣を身につけた活動的な高齢者を増やしていくことに力を入れ、高知県の「日本一の健康長寿県構想」に寄与しています。
また、10歳未満の患者数が高くなっている理由として、周産期医療の基幹病院としてハイリスク妊娠管理や積極的な母体搬送の受け入れをおこなってること、子どもの病気すべてについて最初の診断と外科や耳鼻科などの専門科への紹介、さらに、小児特有の疾患についても専門医が対応していることがあげられます。
 高知県は、東西に広がる扇形の地形をしています。当院は、県内医療圏の全てからの患者さんを受入れており、平均在院日数は、この地域性のため、全国平均より長くなる傾向にあります。


診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで) ファイルをダウンロード 
 診療科   
消化器内科 内科
(内分泌代謝・腎臓)
呼吸器・
アレルギー内科
血液内科 循環器内科 脳神経内科 
小児科 皮膚科 放射線科 乳腺・内分泌外科 外科
(消化器・小児)
呼吸器外科 
心臓血管外科 産科婦人科 整形外科 眼 科  耳鼻咽喉科
頭頚部外科
脳神経外科 
泌尿器科 形成外科   

     
  [集計条件]
 診断群分類は、患者さんの医療情報を14桁のコードで数値表現したもので、病名、治療内容、副傷病などを元に分類したものです。
診療科別に患者数の多い診断群分類について、 DPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢、患者用パスの有無について集計しました。

○DPCコード
 患者さんの医療情報を14桁のコードで数値表現したものです。上位6桁の病名分類に対して、それ以下の桁は手術や処置などの内容によって決まります。DPCコードは治療内容の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
○DPC名称
 DPCコードを文字表現にしたもので、どのような病気と治療方法で分類されているかを表します。ホームページ上では、実際の表記をわかりやすく変えています。
○平均在院日数(自院)
 病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
○平均在院日数(全国)
 厚生労働省より公表されている全国DPC対象病院の在院日数の平均値です。
○転院率
 該当する症例数のうち、当院から他の病院に入院して治療を継続することとなった患者さんの割合です。
    転院患者数/全退院数
○患者用パス
 クリニカルパスとは、ある治療や検査で受ける診療内容を時間の経過に沿って記載した予定表のことです。この予定表は、診療内容を最適な形で標準化して作成され、医師、看護師をはじめ、医療にかかわるスタッフ全員が患者さんの診療計画を共有化することにより、チーム医療に役立て、医療の安全や医療の質の向上を目的としています。
 患者用パスは、患者さんに治療内容や食事・入浴などの生活の流れを十分にご理解いただき、安心して入院生活を送っていただくために作成されたもので、説明時にお渡ししています。
※この集計値は、厚生労働省保険局医療課発行の「病院情報の公表の集計条件」に基づいており、包括対象外診断群分類、自費分等を含まないため、実際の症例件数とは異なります。
 
     



消化器内科 診療科のサイトへ(胃腸/肝・胆膵)                            診療科へのリンクへ ページのTOPへ   
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
060050xx97x0xx 肝の悪性腫瘍 経カテーテル的肝動脈化学塞栓術等 126 11.37 10.70 5.56 76.48 PDF
060340xx03x00x 胆管結石、胆管炎 内視鏡的ステント留置術等 111 9.42 9.53 4.50 73.38
060050xx030xxx 肝の悪性腫瘍 経皮的ラジオ波焼灼療法 60 11.45 7.96 0.00 74.95 PDF
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的粘膜切除術 55 10.13 8.11 1.82 74.25 PDF
06007xxx9906xx 膵臓、脾臓の腫瘍 化学療法 44 7.32 5.41 0.00 64.93
[解 説]肝細胞癌に対する治療が上位を占めており、経カテーテル的肝動脈化学塞栓術をおこなった症例が最も多くなっています。
 肝細胞癌に対しては、経皮的ラジオ波焼灼療法、経カテーテル的肝動脈化学塞栓術を中心に、肝動注化学療法、分子標的治療薬などをはじめとして、関係各科と協力して集学的治療をおこなっています。
 2番目に多い胆道疾患に対しては、内視鏡的膵管・胆管造影検査の技術を用い、治療を積極的におこなっています。胆管結石による胆道狭窄に対して胆管ステント留置術をおこなっています。
4番目に多い症例は胃癌(早期癌)に対する内視鏡的治療です。近年、大きな粘膜内癌に対する一括切除法として切開剥離法が注目されており、当科でも積極的におこなっています。
 
5番目に多い症例は、切除不能の膵臓癌に対して、FOLFIRINOX療法という複数の抗がん剤を組み合わせた治療をおこなっています。



内科(内分泌代謝・腎臓)  診療科のサイトへ(内分泌・糖尿病/腎臓・膠原病)        診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 64 11.78 11.04 1.56 53.25 PDF
070470xx99x5xx 関節リウマチ レミケードあり 59 2.49 2.62 0.00 61.93
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 55 8.27 6.26 0.00 58.60
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 48 24.44 15.28 4.17 61.42
100020xx99x00x 甲状腺の悪性腫瘍 34 2.38 8.55 0.00 63.79 PDF
[解 説]
 腎臓・膠原病グループ、内分泌グループ、糖尿病・代謝グループがあり、それぞれの専門性を活かして治療をおこないます。
 IgA腎症や腎炎などによると考えられる尿検査異常などで検査が必要な人の入院が最も多くなっています。入院の上、腎生検をおこない、顕微鏡で精査して診断をつけます。
 関節リウマチの治療として、レミケードというお薬が治療薬として効果があります。レミケードは一定期間ごとに投与するために一人の患者さんが複数回入院するので、入院回数が多くなります。
 副腎はホルモンを分泌する臓器です。病気になると正常なホルモン分泌ができなくなる原発性アルドステロン症などの病気が疑われますが、入院して検査します。
 4番目には、成人スチル病、多発血管炎、膠原病や皮膚筋炎に由来する間質性肺炎、全身性強皮症、ループス腎炎など、いろいろな病気が含まれている疾患群で診断をつけるために複数の検査をおこなうために、入院期間も長くなっていく傾向があります。
 甲状腺腫瘍に対しては、超音波にて確認しながら細い針を用いて甲状腺腫瘍部から細胞を吸引し、悪性細胞が含まれているかどうかを顕微鏡で精査します。一泊入院でおこないます。



呼吸器・アレルギー内科 診療科のサイトへ                               診療科へのリンクへ ページのTOPへ 
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 化学療法 93 12.83 9.42 0.00 67.31 PDF
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 気管支鏡検査 73 3.47 3.39 0.00 74.33 PDF
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 56 16.71 18.61 7.14 71.63
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 27 9.89 13.3 29.63 73.26
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 化学療法 骨髄抑制または肺炎あり 24 8.67 15.61 0.00 71.63 PDF
[解 説]
 主に気管支および肺の病気などに対して専門的な診療をおこなっています。
 呼吸器疾患では患者の全身状態を的確に判断し、迅速に診断治療をおこなうことが重要です。このため早急な検査で診断をつけるようにしています。また疾患を総合的に治療するため、他の診療科とも協力して診療を進めています。
 悪性疾患が多いため、治療内容の主なものは、抗癌剤を使用する化学療法が主体です。その他、診断のための気管支鏡検査や間質性肺炎に対する治療などをおこなっています。

※ 集計条件に従い、包括外のDPC(診断群分類)である肺の悪性腫瘍に対するオプジーボ等(オプジーボ・キイトルーダ・テセントリク・イミフィンジ)70件は、集計値に含まれません。



血液内科 診療科のサイトへ                                        診療科へのリンクへ ページのTOPへ 
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 リツキシマブ 95 9.18 11.14 8.42 73.71 PDF
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 リツキシマブ+フィルグラスチム等 33 20.24 20.27 9.09 64.79 PDF
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫 ボルテゾミブ等 17 22.12 21.52 5.88 67.76
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 アザシチジン 17 9.12 10.18 0.00 71.06 PDF
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル留置術 15 29.47 31.90 6.67 63.07 PDF
[解 説]
 血液内科では、造血器腫瘍である悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫に、抗癌剤を使用する化学療法が主体となっています。腫瘤を形成する病変には、各診療科と連携をとりながら、手術や放射線療法もおこないます。
 以前、造血器腫瘍は助からない病のように言われていましたが、近年の研究解析や、分子標的薬など新薬の登場で、造血器腫瘍に対する治療は飛躍的に進み、科学的根拠に基づいた標準治療が確立されています。 そのため、抗癌剤や感染・発熱に対する高い専門性が求められますが、上表において、全体的に全国と比較して「平均在院日数(自院)」が短いことから、患者さんに適切な治療がおこなわれていることが分かります。
 また、高知県唯一の骨髄バンク認定の骨髄移植施設として、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、さい帯血移植などに取り組んでいます。



循環器内科 診療科のサイトへ                                      診療科へのリンクへ ページのTOPへ 
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 191 4.90 4.95 0.00 65.52 PDF
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル検査 136 3.59 3.07 0.00 70.99 PDF
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術(心臓カテーテル治療) 99 4.51 4.44 1.01 72.13 PDF
050130xx9900xx 心不全 61 17.43 17.23 14.75 79.18 PDF
050210xx97000x 徐脈性不整脈 ペースメーカー手術等 56 14.09 10.56 8.93 81.48 PDF
[解 説]
 最も多いのは頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテル・アブレーション)です。不整脈には多くの種類があり、重症度や治療方法が異なってきます。不整脈の種類によっては、その部分を焼灼することによって根治が可能です。この治療をカテーテル・アブレーションとよびます。当科ではアブレーション治療を2008年より開始し、2011年からは心房細動に対するアブレーションも開始しました。2010年より植え込み型除細動器や心室再同期療法の施設認可を受け、年々症例数は増加しています。
 
狭心症などに対する心臓カテーテル検査および心臓カテーテル治療も数多く実施しています。心臓カテーテルによる治療は、狭心症だけでなく心筋梗塞などにおいてもおこなわれます。
 
心不全に対しては、心室再同期療法や補助循環などの集学的治療のみでなく、老年医学的アプローチにより全人的治療をおこない、少しでも生活の質を改善するように治療をしています。心室再同期療法は、重症心不全に対しペースメーカーを使って心臓のポンプ機能改善をはかる治療方法で、補助循環は、機械を用いて心臓ポンプ機能を補助する方法です。
 徐脈性不整脈に対しては、適応があればペースメーカーの植え込み術を実施しています。またペースメーカーは内蔵されている電池によって作動しているため、電池が少なくなると交換する必要がありますので、時期がきたら交換手術もおこないます。患者さんによっては従来のペースメーカーではなく、リードレスペースメーカーを使用しています



脳神経内科 診療科のサイトへ                                      診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
010155xxxxx0xx 運動ニューロン疾患等 15 21.67 13.40 6.67 73.67
010090xxxxx0xx 多発性硬化症 14.72
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 15歳以上 17.00
07034xxx99xx0x 脊髄症 11.12
010160xx99x10x パーキンソン病 19.69
[解 説]
 脳神経内科の領域で一般的に症例数が多い疾患は、脳血管障害(脳梗塞や脳出血)、頚椎症、パーキンソン病、てんかん、めまい、ニューロパチー(末梢神経疾患)等があげられます。その他、筋萎縮性側索(ALS)、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、多発性硬化症、重症筋無力症、スモンなどの原因が完全に解明されていない「神経難病」があり、多くは厚生労働省により「特定疾患」に指定されています。その診療により、高度の専門性が必要とされ、専門医による診断が必要です。
 運動ニューロン疾患は、筋肉を動かす運動ニューロン(神経)が変性・消失するため、全身の筋肉が徐々に萎縮し、運動機能が失われていく原因不明の疾患です。代表的なのが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)です。
 
疾患を総合的に治療するため、症状によっては当科を受診していただいた結果、他の診療科(脳神経外科、整形外科、精神科など)を受診していただく必要が生じることもあり、その場合は各診療科と協力して診療を進めていきます。
 また、このような疾患のみならず、物忘れ、頭痛、腰痛、手足のしびれ等についても、診療をおこなっています。



小児科 診療科のサイトへ                                         診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー  負荷試験 (9歳未満) 60 3.33 2.12 0.00 4.50 PDF
010230xx99x00x てんかん 38 4.37 7.48 2.63 5.87
060380xxxxx00x ウイルス性腸炎 25 7.56 5.86 0.00 7.20
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 負荷検査なし 又は 9 歳以上負荷検査あり 20 2.10 2.44 0.00 10.95 PDF
010010xx9900xx 脳腫瘍 診断のための鎮静下の画像検査 13 2.31 11.50 0.00 4.92
[解 説]
 最も多い症例は食物アレルギー負荷検査です。食物アレルギーの原因を調べる検査には、皮膚テスト、血液検査、経口負荷試験があり、その中で最も信頼性が高いとされているのは食物経口負荷試験です。食物経口負荷試験はアナフィラキシーのような重篤な症状を伴う危険性があるため、専門施設でおこなわれることが望ましいとされており、当科では専門医が対応し、入院中に家族での児への関わり方の指導もおこなっています。
 次いで多いのが、てんかんの症例で、まずは速やかに発作を鎮める治療をおこないます。また、けいれんなどの発作がひどいときや繰り返し発作を起こすときは詳しい検査をおこないます。てんかんはどこにでもあるありふれた病気です。子どもから大人まで、年齢、性別、人種の関係なく発病し、意識障害やけいれんなど様々な症状を引き起こします。小児期と高齢者に多くみられ、発症の原因もさまざまですが、治りやすさもさまざまです。
 当科は、歴史的には感染症を専門としていますが、基本的に小児内科領域すべての専門家を揃えています。中でも体と心の両面のバランスを考えながら診療できる小児科医を多く揃えているのが特徴と考えています。

※ 最も多い症例は1位127件の母体側の要因(母体の感染症や帝王切開分娩等)により影響を受けた新生児の症例となっていますが、集計条件に従い、自費や包括外のDPC(診断群分類)は、集計値に含まれません。
    



皮膚科 診療科のサイトへ                                         診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍 皮膚悪性腫瘍切除術 53 6.64 7.71 1.89 79.68
080190xxxxxxxx 脱毛症 17 3.06 3.38 0.00 43.18 PDF
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹 16 19.94 11.29 0.00 67.94
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 14 8.21 9.12 0.00 67.50
120030xx99x3xx 皮膚の悪性腫瘍 化学療法 13 8.15 7.78 0.00 65.54
[解 説]
 最も多い症例は、皮膚悪性腫瘍の手術治療です。植皮術や皮弁作成を併用し、整容面も考慮しながら積極的に手術治療をおこなっています。また比較的高齢の方でも手術治療をおこなっています。
 次に多い脱毛症は、その名前のとおりに毛が抜け落ちる疾患です。主にステロイド点滴による治療をおこなっています。

 薬疹は摂取した薬が原因で生じます。原因となる薬剤を明らかにするため詳しい検査を行ない、治療を進めます。重症のなかには、中毒性表皮壊死症やスティーブンス・ジョンソン症候群があり、最近はウイルスが関与する薬剤性過敏症症候群が明らかになってきました。症状がひどいときには生命を脅かすこともあり、素早い治療が必要です。



放射線科(放射線診断科) 診療科のサイトへ                             診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
100020xx99x2xx 甲状腺の悪性腫瘍 ヨードのアイソトープ内服療法 18 3.17 6.15 0.00 64.17 PDF
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 経皮的針生検法 13 7.85 3.39 0.00 74.38 PDF
11001xxx99x00x 腎腫瘍 経皮的針生検 13 5.31 8.53 0.00 61.54 PDF
11001xxx01x0xx 腎の悪性腫瘍手術 11 15.45 11.03 0.00 59.36 PDF
010010xx9903xx 脳腫瘍 放射線治療 17.29
[解 説]
 画像診断、IVR、放射線治療の3つの大きな分野から成り立っています。甲状腺腫瘍の放射性同位元素内用療法、肺腫瘍(良性腫瘍・悪性腫瘍)、腎腫瘍(悪性腫瘍)の確定診断のためにおこなう経皮的針生検の患者数が多くなっています。甲状腺腫瘍は、放射線を出すヨードのアイソトープ(ヨード131)を服用し甲状腺腫瘍(組織)に取り込ませて、腫瘍(組織)の中から放射線で治療するものです。
 当科は、小児から高齢者まで、心臓以外のすべての臓器が対象で、関連する診療科・部門・部署と連携しながら、診断・治療に取り組んでいます。
 202012月から放射線診断科、放射線治療科となり、両科協力しながら診断・治療をおこなっています。 放射線治療科のサイトへ

※ IVR(インターベンショナル・ラジオロジー)とは、血管造影・CT・超音波などの画像誘導下経皮的低侵襲医療で、日本では「画像下治療」と訳されます。外科的手術などと比べて体への負担が少なく、多くは局所麻酔でおこないます。体表に作った2-3mm程度の「針孔」から、血管内に細い管(カテーテル)を進める血管系IVRと、直接病変に針などを穿刺する非血管系IVRに大別されます。画像で確認しながら病巣までカテーテルや針などを進めた後、「(薬剤を)注入する」、「(狭いところを)拡げる」、「(血管を)詰める」、「(病変を)焼く・あるいは凍らせる」、「(液体を)吸引する」などの単純な処置にて治療します。

IVRセンターのホームページは こちら



乳腺・内分泌外科 診療科のサイトへ                                  診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む)) 84 11.85 10.30 0.00 61.18 PDF
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない) 50 3.58 6.02 0.00 57.10 PDF
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術(頸部外側区域郭清を伴わない) 17 7.29 8.50 0.00 56.53
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 16 7.31 9.58 0.00 63.13
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり 14 3.14 4.13 0.00 50.79
[解 説]
 当乳腺・内分泌外科では、乳がん・甲状腺がんを中心に乳腺疾患の診断・治療の全般と、甲状腺・副甲状腺疾患の手術治療をおこなっています。
 乳がんは、手術・薬物療法(ホルモン療法・化学療法・分子標的薬)・放射線療法など全ての治療を考慮にして、最適な組み合わせで治療しています。
 特に手術は、病巣を切除できる治療です。上位2位までを『乳房の悪性腫瘍+手術』が占め、手術実績も多く、確実な治療がおこなわれています。2位の『乳房の悪性腫瘍 乳房部分切除(腋窩部郭清を伴わない)』の平均在院日数(自院)は短く、適切な治療を提供する努力をしています。外来化学療法室や放射線治療施設も充実していることから、4位の『乳房の悪性腫瘍』は、引き続き外来で治療を継続している場合が多いです。
 乳がんの患者さんの中には、遺伝的に乳がんを発症しやすい体質を持っていると考えられている『遺伝性乳がん』が少数います。その中の『遺伝性乳がん卵巣がん』を中心に、臨床遺伝専門医と遺伝カウンセラーが、遺伝カウンセリングおよび遺伝学的検査をおこなっています。若年性乳がんの方・両側性あるいは多発の乳がんの方・卵巣がんの既往がある方・血縁者に乳がんや卵巣がんの患者さんが複数いる方・トリプルネガティブ乳がんの方・男性乳がんの方に対し、遺伝性乳がんである可能性の正しい評価と、サポートをおこないます。



外科(消化器・小児) 診療科のサイトへ                               診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
060035xx010x0x 結腸の悪性腫瘍 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 58 16.22 16.19 3.45 72.86 PDF
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍 化学療法 42 7.21 9.31 0.00 62.60 PDF
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 39 18.44 19.04 10.26 74.26 PDF
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満)ヘルニア手術 32 3.25 2.79 0.00 3.38 PDF
060050xx02xxxx 肝の悪性腫瘍 肝切除術 31 21.23 15.58 3.23 71.23 PDF
[解 説]
 消化器のがんの治療方法は多岐にわたるようになってきており、画一的な治療ではなく、根治性を損なわないような安全な治療(オーダーメイドの治療)を目指しています。患者さんの病気の状態を的確に判断し、治療方法を含めて患者さんの状態にあった治療をおこないます。進行癌に対しては抗癌剤治療や放射線治療を組み合わせた集学的治療、また早期癌に対しては腹腔鏡下手術などの低侵襲治療を積極的におこなっています。また疾患を総合的に治療するため他の診療科とも協力して診療を進めています。



呼吸器外科 診療科のサイトへ                                      診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 113 15.51 10.83 1.77 71.73 PDF
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 経気管肺生検あるいは経皮的針生検 21 5.24 3.39 0.00 70.57
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 化学療法(主にシスプラチン、アブラキサン) 17 11.47 9.42 0.00 65.00
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 化学療法(カルボプラチン+アブラキサン) 13 15.62 19.51 0.00 66.46
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍(胸腺腫等) 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術 12 12.08 9.98 8.33 60.67 PDF
[解 説] 
 肺がんと新たに診断される人数は、1年間に10万人あたり98.3人です。罹患率は40歳代後半から増加し始め、高齢になるほど高くなり、男女別の罹患率は、男性は女性の2倍以上になっています。高知県では、全国より罹患率が高い傾向にあります。

参考:全国がん登録 罹患数・率 報告、高知県のがん登録 2017年集計
高知県のがん登録 2017年集計
全国がん登録 罹患数・率 報告 2017

 呼吸器は、生命にかかわる臓器であるため、患者さんの状態を的確に判断し、迅速に治療に結び付けることが大切です。早急に診断し迅速に治療が必要なケースでは、肺生検やリンパ節生検を自科で実施し、他の専門科に紹介する時間的ロスを抑え、迅速な治療開始に努めています。

 手術においては、高齢化の進む高知県において特に求められる完全胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(棒状のカメラと手術器具のみで小さい傷でおこなう低侵襲の肺がん根治手術)を導入しています。
 また、手術で得られた腫瘍の一部でCD-DST法による抗がん剤感受性試験を実施しており、抗がん剤による治療が必要になった際に、効果の期待できる薬剤を優先的に使用して治療を始められるよう、手術のみならず、内科的な治療についてもさらなる向上に努めています。

※ 集計条件に従い、包括外のDPC(診断群分類)である「肺の悪性腫瘍 化学療法(キイトルーダまたはオプジーボ等)」13件は、集計値に含まれません。



心臓血管外科  診療科のサイトへ                                   診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 21 13.52 11.56 9.52 77.67 PDF
050080xx0100xx 弁膜症(連合弁膜症を含む) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術) 11 21.00 19.12 9.09 64.36
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)人工呼吸あり 11 22.73 22.56 9.09 63.91
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 28.61
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 2.74
[解 説]
 主に狭心症、心筋梗塞、弁膜症、先天性心疾患などの心臓の病気と、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤などの血管の病気に対して手術治療をおこなっています。
 胸部(腹部)大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術は、合併症のリスクが低く、術中の失血量も少ないため、開胸()する人工血管置換術に比べて回復が早く、入院期間が短いため、高齢者や心臓病など、手術のリスクが高い人に向いています。当科では、高齢者の手術成績向上、脳梗塞合併症予防のためさまざまな工夫をおこないます。
 心臓弁膜症とは、心臓の弁が、固くなったり切れたり癒着したりといった異常を起こし、正常に働けなくなった結果、心臓内の血流コントロールがうまくいかなくなる病気です。高齢化社会を迎え、高齢者での心臓弁膜症患者が増えつつあります。弁を修復、または交換するなどの外科的治療が必要となります。表では二つに分かれていますが、治療経過の中で人工呼吸器を使用する、しないで分かれています。
 下肢静脈瘤は、非常に多くの方に発症することが特徴で、40歳以上の10%前後、妊娠出産経験者の50%に発症するなどと報告されています。
内科に入院された患者さんに対しても手術を施行し、術前術後管理を循環器内科の専門医と連携した集学的治療も積極的におこなっています。

※集計条件に従い、10症例以下の詳細は非公開です。





産科婦人科 診療科のサイトへ                                      診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 化学療法(主に カルボプラチン+パクリタキセル) 157 6.06 4.44 0.00 56.08 PDF
120180xx01xxxx 既往帝切後妊娠あるいは分娩時の胎児機能不全等 帝王切開術 64 10.03 9.45 0.00 32.92 PDF
12002xxx99x41x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 化学療法(主に カルボプラチン+パクリタキセル)白血球減少症あり 57 8.65 8.73 0.00 58.75 PDF
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 化学療法(主に カルボプラチン+パクリタキセル) 52 5.12 4.34 0.00 61.63 PDF
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 腹腔鏡下子宮附属器腫瘍摘出術等 43 7.98 6.16 0.00 50.65 PDF
[解 説]
 当科では、婦人科悪性腫瘍全般の診断、治療をおこなっています。特徴としては、各診療科間の連携および県内外の施設との連携がよく、診断、治療における横断的協力体制を速やかに取ることで、患者さんには理想的な集学的医療を提供することができることです。
 
化学療法においては、専門医との連携のもと速やかに最善の治療を提供できるよう努めており、その大半を入院にて実施しています。また、手術治療では、外科、泌尿器科などと連携し、進行癌に対しても積極的に治療をおこなっています。
 産科領域では、高知県における周産期医療の基幹病院としてハイリスク妊娠管理(膠原病、糖尿病、甲状腺疾患等の基礎疾患を持つ妊婦さんの管理)をおこなっており、12次医療施設からの母体搬送を積極的に受け入れています。妊娠によっておこる合併症(妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群など)の予防・早期発見・治療および切迫流産や早産の予防にも積極的に取り組んでいます。 異常分娩の場合は小児科医も分娩に立ち会います。

※ 集計条件に従い、自費や包括外のDPC(診断群分類)は、集計値に含まれません。




整形外科 診療科のサイトへ                                       診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症 人工関節置換術 73 18.12 21.03 53.42 70.56 PDF
070230xx01xxxx 膝関節症 人工関節置換術 70 20.03 23.36 71.43 75.19 PDF
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄 腰部骨盤 椎弓切除術、椎体形成術 55 19.05 16.10 36.36 74.47 PDF
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 股関節 50 17.46 25.09 76.00 80.12
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄 腰部骨盤 腰椎分離部修復術、椎体固定術 44 20.00 20.40 34.09 65.75 PDF
[解 説]
 整形外科領域の治療は、単に病気やケガを治すだけでなく、運動機能を元に回復させることを目的とします。運動機能の回復が不十分な場合は、残った機能を出来るだけ活用し、上手に生活できるようにすることも大きな役割で、リハビリテーションと連携して治療をすすめます。医師だけではなく、看護師や理学療法士など多職種で患者さん一人一人の症状に合わせたオーダーメイドの医療を提供しています。
【変形性股関節症・変形性膝関節症】
 不幸にして関節の破壊が強く、痛みに堪えられない場合、人工関節への置換手術をお勧めしています。各種の治療法を組み合わせ、最小侵襲手術と多角的鎮痛法により痛みが少ない手術を採用することにより、症状の軽減とそれに伴う生活の質の向上を徹底的に追求しています。また、年齢や症状のすすみ具合に応じた手術方法を選択しています。若くて変形がまだ進行していない場合には、人工物は使わず、可能な限り傷が小さく、侵襲の少ない方法を開発し、良好な成績を収めています。また、高齢で股関節の変形が著しく人工股関節にせざるを得ない場合にも、術後の痛みが少なく、早期にベッドから離れ、早く歩いて自宅に帰れるように手術手技を改良しており、手術を受ける患者さんの気持ちに立った治療に努めています。
【脊柱管狭窄 腰部骨盤、不安定椎】
 画像や電気生理学的検査を駆使して診断し、出来るだけ侵襲の少なく、患者さんの意向にも配慮した治療法をおこなうようにしています。腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症に対して、脊椎内視鏡を用いた最小侵襲手術をおこなっています。また、腰部脊柱管狭窄症には、腰背部の筋肉を手術で剥離せずに温存して、患部のみ狭窄を取り除く低侵襲手術を採用しています。

 脊椎脊髄センターのホームページはこちら



眼 科 診療科のサイトへ                                         診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患に対する水晶体再建術 両眼 186 7.73 4.95 1.61 76.9 PDF
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患に対する水晶体再建術 片眼 115 4.01 2.76 0.87 74.22 PDF
020200xx9710xx 網膜前膜等に対する硝子体手術 77 8.53 6.49 1.30 70.32
020160xx97xxx0 網膜剥離に対する手術 片眼 61 9.77 8.97 0.00 58.98
020220xx97xxx0 緑内障に対する手術 片眼 60 9.32 5.79 1.67 71.13
[解 説]
【白内障に対する水晶体再建術】
 白内障は水晶体が混濁し、視力低下や視界が白く見えたりする病気で、加齢とともに有病率は増加し、80代ではほぼ100%とされています。
【網膜前膜】
 網膜前膜とは、視力低下やものがゆがんで見えたりする病気です。当院では、白内障を併発している場合、同時に手術をおこなうことが可能です。
【網膜剥離】
 網膜剥離は、加齢や強い衝撃が原因として、網膜が裂けたり剥がれたりする病気です。初期では飛蚊症などがおこり、進行すると視野欠損などがおきます。当院では、硝子体手術や網膜修復術を積極的におこなっています。
【緑内障】
 緑内障とは何らかの原因により眼球と脳の間の視神経が障害され、視野(見える範囲)や視力に異常をきたす疾患です。眼圧上昇が原因の一つとされています。 緑内障の有病率は、40歳以上では約5%で、現在の失明原因の第1位を占めています。当科では、様々な検査を用い、それぞれの緑内障に応じた治療を選択しおこなっています。

 当科では、白内障、緑内障、ぶどう膜炎(虹彩、毛様体、脈絡膜の3つを合わせてぶどう膜と呼びます)、網膜剥離、糖尿病網膜症、角膜疾患、眼腫瘍、涙道疾患、眼アレルギー疾患(アレルギー性結膜炎など)などについて専門医が診断・治療をおこなう専門外来を設けています。



耳鼻咽喉科・頭頚部外科 診療科のサイトへ                              診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 終夜睡眠ポリグラフィー 162 2.00 2.04 0.00 13.74
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 内視鏡下鼻・副鼻腔手術 38 6.92 6.71 0.00 60.45 PDF
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 36 7.31 7.94 0.00 22.17 PDF
030250xx970xxx 睡眠時無呼吸 口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術 34 6.00 8.35 0.00 7.03 PDF
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 34 9.62 7.52 0.00 38.09 PDF
[解 説]
【睡眠時無呼吸症】
 小児では身体成長や精神発達の遅れにつながるとされます。成人では日中の眠気による労働効率の低下や交通事故、高血圧・糖尿病・脳血管障害・心筋梗塞・不整脈などの発症の危険性を高めるとされます。
【慢性副鼻腔炎】
 
副鼻腔炎の手術を内視鏡にておこなうことが主流となり、昔のような歯ぐきを切る手術はほとんどおこなわれなくなりました。内視鏡手術により手術中の出血量の減少、手術後の痛みの軽減、入院期間の短縮が得られています。慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)の症例が減り、喘息と同様な機序で嗅覚から障害されやすい好酸球性副鼻腔炎、高齢者や糖尿病、免疫抑制患者などに多い副鼻腔真菌症、虫歯が原因の歯性副鼻腔炎など副鼻腔炎の病態に応じた治療方針の選択が重要になっています。また、重症のアレルギー性鼻炎に対しては、内視鏡下に後鼻神経を切断し、鼻づまりや鼻水を軽減させる手術があります。
【慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎】
 耳の鼓膜の奥にある中耳に炎症と破壊をきたす病気です。耳だれを繰り返す、聴こえない、時にめまいや頭痛などの症状が自覚されます。手術では、病巣を清掃し、二次障害を防止して疾患を治癒させます。さらに、可能な症例において聴こえの伝達路を再建して、聴こえ具合を改善します。

 また、頭頚部の悪性腫瘍に対しても他科とも連携をはかり、手術療法や放射線治療、化学療法を組み合わせた集学的治療を、患者さん一人一人にあわせた医療を提供しています。



脳神経外科 診療科のサイトへ                                  診療科へのリンクへ ページのTOPへ 
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 造影検査 48 4.81 3.04 0.00 64.21
010060x2990401 脳梗塞 エダラボン投与 42 14.29 15.64 23.81 73.57
010070xx9912xx 脳血管障害 造影剤脳血管検査 26 7.81 5.34 3.85 66.27
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 23 11.48 9.69 8.70 67.30
010060x2990201 脳梗塞 リハビリテーション 23 15.61 15.54 21.74 77.26
[解 説]
 入院では、診断のための検査入院と治療のための入院があります。検査方法は同じでも、治療方法は細かく分かれますので、件数で数えると検査入院が上位になります。
 最多は、未破裂脳動脈瘤に対する診断目的の、脳血管造影検査のための入院です。動脈瘤の形状周囲の血管との位置関係などから方針を検討します。未破裂脳動脈瘤の治療法は主に開頭による脳動脈瘤頸部クリッピング術とコイル塞栓術が現在の主流となっています。FLOW DIVERTER SYSTEMを用いた新しい治療法も開始しています。当院の治療件数としてはクリッピング手術が多くなっています。
 次いで多いのが脳梗塞です。脳梗塞の治療は基本的には発症3日以内の急性期におこないます。脳梗塞では特に早期の治療が重要であり、発症4.5時間以内で基準を満たせば血栓溶解療法をおこないます。効果不十分な場合は血管内治療による血栓回収なども試みる場合があります。これらの適応から外れた場合でも抗血小板剤療法や抗凝固療法などを主体にSCUStroke Care Unit:脳卒中集中治療室)にて治療をおこなっていきます。加えてリハビリは早期より開始し、急性期の治療後はリハビリ転院などをおこない地域の病院と連携して患者のケアをおこなっていきます。このため転院症例も多く、転院率が高くなっています。高知県では特に高齢化が進んでおり、脳卒中患者のケアが重要であり地域連携パスを運用して対応しています。
 最近では検診なども普及しており、脳梗塞発症前に動脈硬化による主幹動脈狭窄などが発見されるケースも増えて検査目的入院で3位となっています。これらの症例には脳血管造影検査、CTアンギオ、SPECT、頸動脈エコー、ホルター心電図、血液検査などを状況に応じて実施します。

脳卒中センターはこちら




泌尿器科 診療科のサイトへ                                       診療科へのリンクへ ページのTOPへ
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 針生検 141 2.60 2.54 0.00 71.67 PDF
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 102 12.11 11.89 0.00 69.04 PDF
110070xx02xxxx 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 光線力学診断 70 8.10 7.09 1.43 71.83 PDF
110070xx03x0xx 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 48 8.52 7.13 8.33 76.83 PDF
110070xx99x20x 膀胱悪性腫瘍 化学療法 44 21.36 9.96 2.27 69.09
[解 説]
 泌尿器科で最も多い入院は、前立腺針生検です。前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSAが高い時や、直腸診や超音波検査やMRI検査で異常所見が認められた時の検査で、前立腺癌の診断を確定します。超音波のプローブを肛門から入れ、前立腺を超音波で見ながら約12本針を刺して前立腺の組織を採ってきます。2通りの方法があり、直腸を介するものと会陰部(肛門と陰嚢の間の部分)を介するものがあります。後者は、半身麻酔で行うため痛みは感じません。前者は表面麻酔のみですが通常それほど強い痛みは感じません。検査時間は約30分程度です。入院は2日から3日ほど必要で検査結果は外来で説明します。入院せず外来で行われる場合もあります。
 
次いで多いのは、前立腺癌に対する前立腺癌悪性腫瘍手術目的の入院です。当科では前立腺悪性腫瘍手術,腎悪性腫瘍手術、膀胱悪性腫瘍手術に内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」が導入されています。合併症のリスクも少なく術後の回復が早く、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術では術後9日目に退院と、入院期間が短く早期の社会復帰が可能です。手術のみならず、放射線治療・化学療法での入院と、手術後の専門的な治療にも対応しています。
 膀胱がんに対する経尿道的手術も多く行っています。入院日数は約8~9日、年間の合計で約150症例の実績があります。光線力学診断とは、がん病変を蛍光発光させて観察する診断方法です。より適切に診断し確実に摘出することで、再発リスクの減少を期待されています。

 
泌尿器科では、膀胱、前立腺以外にも、腎臓など泌尿器疾患に対して対応でき、患者さんと同じ気持ちでお話し、病気の全ての情報を明らかにしながら患者さんの同意と納得のもとに行う医療を基本的な診療方針としています。



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DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
080250xx971xxx 褥瘡潰瘍 腫瘍摘出手術皮膚処置 63.79
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)鼻骨骨折整復固定術等 5.28
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 3.07
020230xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり 3.18
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術(一連につき)乳房(再建手術)の場合等 8.26
[解 説]
【皮膚潰瘍】
 皮膚や粘膜が様々な原因で傷つき、進行していくことにより起こる皮膚組織の欠損です。自然に治らないこともあり、手術で潰瘍をとりのぞき植皮術や軟膏処置をおこないます
【眼瞼下垂症】
 コンタクトレンズの長期使用、花粉症やアレルギーによる眼をこする動作、白内障などの眼科手術後、加齢などが原因でまぶたが重く感じること、頭痛や肩こりがひどくなるなどの症状を起こすことがあります。重症の場合は、まぶたが持ち上げられなくなり、視野が狭くなることがあります。顎を上げてテレビを見る、眉毛を上げることでまぶたを持ち上げようとするのでおでこに深い皺がある、頭痛や肩こりがひどいなどの症状の方は、眼瞼下垂かもしれません。機能的回復とともに外観も美しくすることができます。
【乳房の再建】
 
乳癌は、早期発見により根治が得られる癌でもあり、切除された乳房を再建して、より快適な生活を送りたい・楽しみたいと言う希望が叶えられるようになりました。乳癌術後の変形や欠損に対して、乳房再建をおこなっています。下腹部の組織を使用した方法(腹直筋皮弁や穿通枝皮弁)、背筋を使用した方法(広背筋皮弁)、インプラントによる方法(2013年7月より一部保険適応になりました)をおこなっています。既に乳癌手術を行われている患者さんに対する二期的乳房再建や、乳腺外科と合同で乳癌手術と同時に再建する一期的乳房再建をおこなっています。患者さんごとに方法を説明し、適切な方法を選択して治療をおこなっています。

 形成外科は1970年代に医療法上診療科として認められた、比較的新しい診療科です。主に、外観の変化(色・形・質感・機能など)を正常に近づけることで、ご本人の日常生活の質(quality of life)の向上を目的としています。

*本掲載条件により、形成外科の患者数等の公表は対象外としています。



初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数 ファイルをダウンロード   ページのTOPへ
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 81 23 13 12 1 8
大腸癌 52 22 45 34 14 1 8
乳癌 76 62 32 1 7,8
肺癌 93 37 68 154 174 1 7,8
肝癌 53 26 12 210 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

     
  [集計条件]
 胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌(いわゆる5大がん)で、入院した患者さんの人数を初発(UICC病期分類のステージ別)と再発による治療の場合にわけて集計しています。同じ患者さんが、集計期間内に複数回入院した場合は、繰り返しの入院回数をかけたのべ人数で集計しています。
 Stageが「0」のものは集計対象外です。

○UICC病期分類
 国際対がん連合(UICC)によって定められた悪性腫瘍の病期を分類する指標。がんの大きさや深さ、リンパ節への転移の有無、他臓器への遠隔転移の有無などから、総合的にステージ(がんの拡がり)を判断するもので、Ⅰ期(早期)~Ⅳ期(末期)に分けられ治療方針の決定や予後を判断する基準とされます。
 
     

[解 説]
 初発と再発を合わせると、前年度と同じく肺癌、肝癌、乳癌、大腸癌、胃癌の順に多くなっています。 胃癌はStageⅠの占める割合が大きいです。大腸癌もStageⅠが比較的多いですが、Stage別の偏りは見られません。乳癌の場合は、10年以上経ってから再発することもあるため、多い順で並べるとStageⅠ-StageⅡ-再発になっています。肺癌は、無症状のうちに進行し、ほかの癌よりも転移しやすいことからStageⅣで見つかることも珍しくありません。再発も起こすので、患者数は5大癌の中で最多です。肝癌は、再発しやすい臓器なので、経カテーテル的肝動脈化学塞栓術などを繰り返している患者さんが多くなっています。
 当院は、大学病院というだけでなく、専門的ながん医療の提供、がん診療の連携協力体制の整備、および患者さんへの相談支援や情報提供などの役割を担う「都道府県がん診療連携拠点病院」でもあります。そのため、StageⅠから、再発に至るまで、全ての病期に対応しています。さらに、本県は高齢化が進んでおり、合併症を有する患者さんも多くなっています。StageⅣや再発が多いことは、早期癌や初発に対する治療とは異なり、経年による患者さんの年齢や体力のこと、がんが進行しているための切除不能、使用できる抗癌剤が限定されるなど、複雑な条件下で診療がおこなわれていることを表しています。
 治療方針は、外科・内科・放射線治療・遺伝カウンセラー等の専門家によって十分に検討し、患者さんが望む最善の治療をおこなうように努めています。がんに対する標準治療はもちろんのこと、全国の多施設と共同した臨床研究や新薬の開発治験を推進し、新しいがん治療の開発に取り組んでいます。



成人市中肺炎の重症度別患者数等 ファイルをダウンロード    ページのTOPへ
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 47 17.11 75.23
重症
超重症
不明

     
   [集計条件]
 日常生活中に肺炎に罹患した成人患者さんについて、肺炎の重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。
重症度:市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPシステム)により分類しました。
A-DROP5つのチェック項目の頭文字をつなげたものであり、スコア0を軽症(外来治療)12を中等症(外来または入院治療)3を重症(入院治療)45を超重症(ICU治療)として推奨される治療環境を簡便に判断できるようにしたものです。

 重症度分類システム(A-DROPシステム)
  
AAge):男性70歳以上、女性75歳以上
  DDehydration):BUN 21mg/dl以上または脱水あり
  
RRespiration):SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
  OOrientation):意識障害あり
  
PPressure):血圧(収縮期)90mmHg以下

○集計対象:入院の契機となった傷病名および最も医療資源を投入した傷病名が肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(ICD10コード:J13~J18$)であるもの。ウイルス性肺炎、誤嚥性肺炎、インフルエンザ等は含みません。
 
     

[解 説]
 市中肺炎は、基礎疾患がない、または軽微な基礎疾患がある方が日常生活中に罹患する肺炎で、若年者から高齢者まで幅広い年代でみられます。
 重症度分類システム(A-DROP)は、日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインに記載がある、肺炎の入院加療の基準です。点数に従い、外来治療か、入院治療か、ICU入室を考慮すべきか判断可能なツールで、特に救急外来では有用です。
 軽症や中等症の一部においては外来治療が可能ですが、患者さんの状態に応じて入院治療をおこないます。中等症が最も多く、全体の約7割を占めています。



脳梗塞の患者数 ファイルをダウンロード  脳卒中センターはこちら    ページのTOPへ
発症日から 患者数 平均
在院日数
平均年齢 転院率
3日以内 139 21.25 74.67 27.04
その他 20 16.20 74.55 1.26

     
   [集計条件]
 脳梗塞の患者さんについて、発症日を「3日以内」「その他」に分けた患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しました。
○集計対象
 最も医療資源を投入した傷病のICD10がI63$である症例の集計です。
○転院率
 該当する症例数のうち、当院から他の病院に入院して治療を継続することとなった患者さんの割合です。
  転院患者数/全退院数
 
     
[解 説]
 脳梗塞は、正確な診断のもと、早期の治療開始がよりよい結果をもたらします。当院は高知県から脳卒中センター機能を持つ病院として指定され、脳梗塞などの脳卒中が強く疑われる患者さんの受け入れ要請に24時間365日対応する体制を構築し、急性期治療をおこなっています。
 脳梗塞の治療は基本的には発症3日以内の急性期におこないます。脳梗塞では特に早期の治療が重要であり、発症4.5時間以内で基準を満たせば血栓溶解療法をおこないます。効果不十分な場合は血管内治療による血栓回収なども試みる場合があります。これらの適応から外れた場合でも抗血小板療法や抗凝固療法などを主体にSCUStroke Care Unit:脳卒中集中治療室)にて治療をおこなっていきます。加えてリハビリは早期より開始し、急性期の治療後はリハビリ転院などをおこない地域の病院と連携して患者のケアをおこないます。このため転院症例も多く、転院率が高くなっています。高知県では特に高齢化が進んでおり、脳卒中患者のケアが重要であり地域連携パスを運用して対応しています。




診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで) ファイルをダウンロード       ページのTOPへ
 診療科   
消化器内科 血液内科 循環器内科 小児科
皮膚科 放射線科 乳腺・内分泌外科 外科(消化器・小児)
呼吸器外科 心臓血管外科  産科婦人科 整形外科
眼 科 耳鼻咽喉科・頭頚部外科 脳神経外科 泌尿器科
形成外科

     
  [集計条件]
 診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢及び患者用パス(有無)を集計しました。

○Kコード:手術術式の診療点数表コードです。
○名称:手術式の名称です。
○平均術前日数:入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
○平均術後日数:手術日から退院日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
○転院率:該当する症例数のうち、当院から他の病院に入院して治療を継続することとなった患者さんの割合です。
   転院患者数/全退院数
○患者用パス
 クリニカルパスとは、ある治療や検査で受ける診療内容を時間の経過に沿って記載した予定表のことです。 この予定表は、診療内容を最適な形で標準化して作 成され、医師、看護師をはじめ、医療にかかわるスタッフ全員が患者さんの診療計画を共有化することにより、チーム医療に役立て、医療の安全や医療の質の向上を目的としています。
 患者用パスは、患者さんに治療内容や食事・入浴などの生活の流れを十分にご理解いただき、安心して入院生活を送っていただくために作成されたもので、説明時にお渡ししています。
 ※この集計値は、厚生労働省保険局医療課発行の「病院情報の公表の集計条件」に基づいており、自費分等を含まないため、実際の症例件数とは異なります。
 
     



消化器内科                          診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K6152 血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術) 119 1.82 9.40 1.68 76.24 PDF
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 119 2.04 8.77 10.08 72.80
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 49 1.02 8.53 2.04 74.37 PDF
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法 44 2.16 8.34 0.00 74.07 PDF
K6871 内視鏡的乳頭切開術 27 2.59 8.74 14.81 79.78
[解 説]
 最も多い手術は、肝細胞癌に対する肝動脈塞栓療法です。肝臓の動脈に挿入したカテーテルから薬を注入することで肝臓に発生した腫瘍の治療をおこなう方法です。さらに、その後肝動脈の一部をスポンジのようなもので塞栓を行い腫瘤の血流を止めることで更に効果が高まります。
 また、経皮的ラジオ波熱焼灼療法もおこなっており、この治療は肝臓の腫瘤に特殊な針を刺し、高周波電流を利用して腫瘤を熱凝固壊死させる方法です。最近、肝臓治療の専門施設において広くおこなわれるようになってきた治療法の一つで、その壊死効果は高く評価されています。治療は腹部の皮膚を麻酔後、エコーを見ながら特殊な針を腫瘤に刺した後に10-20分ほど熱凝固を行います。治療は準備時間も含め30-40分ほどで終了します。
 
内視鏡的胆道ステント留置術も最も多い手術のひとつとなっています。これは様々な原因で狭窄した胆道にチューブを通して拡張し、胆汁の流れをよくする手術です。当科では、胆道疾患や膵臓疾患に対する内視鏡を用いた治療を積極的におこなっています。
 外来もしくは他院での内視鏡検査にて発見された粘膜内癌(早期癌)を内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術を用いて切除する治療をおこないます。近年、大きな粘膜内癌に対する一括切除法として切開剥離法(ESD)が注目されており、当院でも内視鏡診療部(内視鏡室)で積極的に施行しています。

※本集計は、入院期間中に実施した手術のうち主たるものが集計対象となっているため、実際の症例件数とは異なります。なお、主たる手術として集計されていない「K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD)」の件数は44件となっています。
 



血液内科                           診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K6112 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢に設置した場合) 17 16.76 15.59 0.00 64.65
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) PDF
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他)
[解 説]
 抗癌剤治療は、頻回で長期に及ぶことから、薬剤を血管内へ確実に投与するため、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置術が最多になっています。
次いで、造血幹細胞移植のための、造血器細胞の採取術も実施しています。
頭蓋内腫瘍摘出術は、脳内に発生した悪性リンパ腫に対して脳神経外科と協力しておこなっています。



循環器内科                          診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 174 1.36 3.41 0.00 66.47 PDF
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 86 2.71 2.93 3.49 71.77
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 53 2.21 3.49 9.43 73.92 PDF
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 34 3.18 10.47 5.88 80.79 PDF
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 27 3.70 3.11 3.70 73.22
[解 説]
 最も多い手術症例は、経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテル・アブレーション)で、不整脈を引き起こす異常な心筋組織をカテーテルで焼灼する手術です。足の付け根や首の血管から細長い管(電極カテーテル)を挿入し、心臓を電気刺激して不整脈の原因となっている異常部位を特定します。異常な部位には、カテーテルの先の電極から高周波電流を流し、細胞を壊死させます。
 経皮的冠動脈ステント留置術、経皮的冠動脈形成術は、心臓カテーテル治療です。カテーテルと呼ばれる細い管を手首や足の付け根の動脈から心臓まで通し、狭心症や心筋梗塞などによる冠動脈の狭窄や閉塞部分に対して、バルーン(風船)で拡張します。また多くの症例では拡げた血管を固定し、再閉塞を予防するために、ステントと呼ばれる金属チューブを挿入します。
 下肢閉塞性動脈硬化症にも、血管からカテーテルを挿入して拡張する血管内治療を積極的におこなっています。
 ペースメーカー移植術(経静脈電極)は、房室ブロックや洞不全症候群等の不整脈に対して、鎖骨の下を通る静脈にリードを挿入し、心臓の中に到達させる方法です。ペースメーカー本体は、胸部(鎖骨より下の皮下)に植え込みます。患者さんによっては従来のペースメーカーではなく、リードレスペースメーカーを使用しています。

※ 集計条件に従い、主たる手術の他に実施された経皮的冠動脈ステント留置術(その他)21件、経皮的冠動脈形成術(その他)111件は、集計値に含まれません。



小児科                             診療科へのリンクへ ページのTOPへ   
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K9131  新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 11 0.00 43.73 0.00 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度)
K190-5 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填
K7151 腸重積症整復術(非観血的なもの)
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) PDF
[解 説]
 「仮死第1度」は軽度新生児仮死、「仮死第2度」は重症新生児仮死です。赤ちゃんが元気に泣かずにややぐったりして生まれてきた状態を新生児仮死といい、保温して気道を確保し、酸素投与や人工呼吸等、状態に応じた呼吸管理をおこないます。



皮膚科                             診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 64 0.16 5.64 0.00 77.97
K013-22 全層植皮術(25cm2以上100cm2未満) 14 10.00 13.57 7.14 67.86
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 11 0.82 2.00 0.00 52.64
K013-21 全層植皮術(25cm2未満)
K293 耳介悪性腫瘍手術
[解 説]
最も多いのは基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病などの皮膚悪性腫瘍の切除術です。部位は全身の皮膚や皮下を対象としますが、特に多いのは顔(眼のまわりを含む)の腫瘍です。悪性腫瘍に限らず母斑(ほくろ)、日光角化症などの良性腫瘍の摘出術もおこなっています。単純切除が困難な皮膚腫瘍や、熱傷などの皮膚壊死、皮膚潰瘍に対して、植皮術や皮弁形成術を併用しながら積極的に手術治療をおこなっています。日光角化症は放置すると一部癌へと変化するので適切な治療をおこなうことが大切です。
※ 集計条件に従い、主たる手術の他に実施された全層植皮術(25cm2未満)39件、デブリードマン(100cm2未満)13件、皮弁作成術11件は、集計値に含まれません。



放射線科(診断科・治療科)               診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 18 1.89 5.94 0.00 54.56 PDF
K773-4 腎腫瘍凝固・焼灼術(冷凍凝固) 11 5.27 9.18 0.00 59.36 PDF
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) PDF
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回)
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回実施後3月以内に実施)
[解 説]
 当科では、画像誘導下にピンポイントに病変を治療する低侵襲なIVR治療が多くおこなわれています。肝細胞癌の動脈化学塞栓療法、動脈瘤や血管腫等に対する動脈塞栓術と続いています。多くのIVR手技は局所麻酔下でおこないます。画像で確認しながら病巣までカテーテルや針などを進めた後、「(薬剤などを)注入する」、「(血管などを)詰める」、「(狭いところを)拡げる」、「(病変を)焼く」、「(液体などを)吸引する」などの単純な行為をおこなって病気を治療します。少し前までは、このような単純な行為でも外科手術を必要としていましたが、最近では症例によっては低侵襲なIVR治療で治すことが可能となってきました。
 当科は2020年12月から放射線診断科、放射線治療科となり、両科協力しながら診断・治療をおこなっています。 

※IVR(インターベンショナル・ラジオロジー)とは、血管造影・CT・超音波などの画像誘導下に経皮的低侵襲医療で、日本では「画像下治療」と訳されます。外科的手術などと比べて体への負担が少なく、多くは局所麻酔でおこないます。体表に作った2-3mm程度の「針孔」から、血管内に細い管(カテーテル)を進める血管系IVRと、直接病変に針などを穿刺する非血管系IVRに大別されます。

IVRセンターのホームページは こちら 




乳腺・内分泌外科                      診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術) 51 1.20 1.76 0.00 57.59 PDF
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術) 47 1.04 8.96 0.00 63.91 PDF
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除なし) 27 1.41 10.04 0.00 59.81 PDF
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ)
K4641 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術(副甲状腺摘出術)
[解 説]
 手術においては、上位3位まで乳がんの手術が占めており、全てが標準治療の手術でおこなわれています。特に、1位の『乳房部分切除術』は、不要な切除をおこなわない手術であるため、厳密な術前検査と高い手術力が求められる治療ですが、それを多くの患者さんに実施しています。
 近年の乳がん治療とは、手術・薬物療法・放射線療法などを用いた集学的治療と言われています。しかし、依然として確実性が高い治療は、病巣を切除できる手術です。術後の変形や欠損には、形成外科と合同手術をおこなうなど、患者さんの治療に対するお考えを考慮に入れながら、最適な診療をおこなっています。
 甲状腺や副甲状腺疾患も、病巣を切除できる手術が確実性の高い治療と考えられていますが、病巣の拡がりやがん細胞の種類によって集学的治療をおこないます。
 



外科(消化器・小児)                   診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 56 3.80 12.09 1.79 72.63 PDF
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 41 1.49 1.10 0.00 15.07 PDF
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 40 1.53 8.30 5.00 67.05 PDF
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 26 1.77 14.08 15.38 73.81 PDF
K6112 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢に設置した場合) 22 2.73 15.82 9.09 68.68
[解 説]
  消化器の手術においては、早期癌のみならず、進行癌に対しても手術前検査の検討を十分におこなったうえで手術後の回復の早い腹腔鏡補助下の腸切除をおこなっています。これは従来のお腹を大きく開ける手術ではなく、小さな傷で手術をおこなうものです。痛みが少ない、傷が目立たないなどのメリットがあります。
 肝胆膵領域の疾患は良性疾患から悪性疾患まで幅広くおこなっています。
 ヘルニアの手術においては、世界的に推奨されている医療用メッシュを用いた治療をおこなっています。直接鼡径部を切開して治療する手術方法と、腹腔鏡による手術方法があります。他の手術と同じように、腹腔鏡は痛みが少なく傷が目立たないメリットがあるため、切開する手術方法と比べて実施件数が多くなっています。入院期間は2泊3日(前日入院、翌日退院)前後でおこなっています。



呼吸器外科                          診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 38 3.00 13.26 2.63 73.13 PDF
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 32 2.66 11.91 0.00 72.09 PDF
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 26 2.12 6.62 0.00 69.08 PDF
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 13 3.23 18.92 15.38 69.92 PDF
K504-2 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術 12 1.75 8.17 8.33 61.50 PDF
[解 説]
 肺がんに対する手術は全国的に低侵襲化(傷が小さく、身体への負担が少ないこと)が進んでいます。当科では、完全胸腔鏡下肺葉切除術を2013年から導入し、病状が許す限り、なるべく小さい傷で手術を施行するよう低侵襲化に努めています。
 ダヴィンチサージカルシステムを活用したロボット支援手術も導入しており、より精密かつ低侵襲になりました。2021年3月現在100例超(呼吸器外科として四国4県で最多)のロボット手術を安全に施行しています。これらの身体に負担の少ない手術によって、特に近年増加している高齢者のがんにおいても、生活の質(QOL:Quality of life)を損ねることなく、早期に社会復帰を目指していただきます。



心臓血管外科                         診療科へのリンクへ ページのTOPへ   
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K555等 心臓弁形成・置換術等 35 5.14 27.46 17.14 69.63
K561等 ステントグラフト内挿術等 25 2.76 12.72 8.00 75.84 PDF
K552等 冠動脈、大動脈バイパス移植術等 15 3.33 22.67 20.00 72.47 PDF
K560等 動静脈瘤手術等 11 8.72 25.55 27.27 75.55 PDF
K594等 不整脈手術(メイズ手術) 10 5.77 22.44 11.11 65.89
[解 説]
 心臓血管外科では、主に弁膜症、動静脈瘤、心筋梗塞、狭心症の外科的治療をおこない、循環器内科の内科的治療と併せて最も効果的な治療をおこないます。
 弁形成・置換術は、心臓弁の閉鎖不全で血液が心臓の中を逆流したり、体内に必要な血液を送り出せなくなった弱った心臓の弁を、修復したり、人工弁に交換したりする手術です。心臓を止めておこなうため、限られた時間内で正確な手術が必要で、実施できる医療機関が限られます。
 ステントグラフト内挿術は、胸部(腹部)の大動脈瘤等に対して、両足の付け根からカテーテルを通して動脈瘤内にステントグラフト(人工血管にステントと呼ばれるバネ状の金属を取り付けたもの)を内挿・固定する血管内治療のことです。動脈瘤破裂予防としておこないます。
 胸部大動脈瘤は、高齢者が多く発症するので身体への負担が大きい単独外科手術だけでなく、ステントグラフトを組み合わせたハイブリッド治療により手術侵襲の低減と早期回復を図っています。 冠動脈バイパス手術は、冠動脈の狭窄、閉塞による狭心症や心筋梗塞に対して、内胸動脈や大伏在静脈を用いて問題部分をバイパスする手術です。合併症を起こさないために90%以上の症例で心拍動下におこなうオフポンプバイパス術が選択されています。 5番目に多い、メイズ手術は、不整脈のうち心臓の心拍を制御する電気信号が正常ルート以外に流れて心臓が正確な脈を打てない時に、異常なルートを取り除く手術です。



産科婦人科                           診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 78 5.36 8.04 0.00 32.10 PDF
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 62 2.71 5.45 0.00 49.02 PDF
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 54 16.19 7.69 0.00 33.06 PDF
K879 子宮悪性腫瘍手術 33 3.39 10.55 0.00 59.55 PDF
K861 子宮内膜掻爬術 32 1.13 1.41 0.00 54.88 PDF
[解 説]
【帝王切開】
母体あるいは胎児の状態で通常の経膣分娩が危険と判断される場合は帝王切開をおこないます。麻酔は麻酔科医が担当し、緊急時以外は腰椎麻酔と硬膜外麻酔で行います。また、小児科医も手術に立ち会います。以前に帝王切開や子宮筋腫手術をされた場合、逆子(骨盤位)、児頭骨盤不均衡、前置胎盤等の場合は、選択的帝王切開の適応になります。
【腹腔鏡下子宮附属器腫瘍摘出術】
卵巣と卵管を総称して子宮附属器と呼びます。腹腔鏡手術は小さな切開創でおこなうため、開腹手術に比べて術後の痛みが少ない、術後の回復が早く入院日数が少ない、術後創が目立たない、術後の腹腔内癒着がおきにくいなどのメリットがあります。良性腫瘍(卵巣のう腫、チョコレートのう胞等)においては、患者さんに負担の少ない内視鏡手術(腹腔鏡手術、子宮鏡手術)を原則としておこなっています。
【子宮悪性腫瘍手術】
子宮の悪性腫瘍は、外科手術でがんを取り省くことが基本になります。がんの拡がりによって術式が変わり、がんを取り除くと同時に、病期の拡がりを正確に診断し、化学療法や放射線治療等を追加するか判断します。
【子宮内膜掻爬術】
  子宮内膜細胞診(子宮体がん検診)で異常を指摘された場合、経膣式超音波検査で子宮内膜に異常を指摘された場合(子宮内膜ポリープが疑われる、子宮内膜が異常に厚い、流産による出血が疑われるなど)など、子宮内に何らかの異常が疑われる場合に麻酔下で子宮内膜をかきだす手術をおこないます。

※ 集計条件に従い、自費や包括外のDPC(診断群分類)は、集計値に含まれません。



整形外科                            診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 161 2.65 15.31 61.49 73.28 PDF
K1426 椎弓形成術 80 2.95 15.54 48.75 74.09 PDF
K1423 後方椎体固定 43 4.14 17.79 39.53 68.72 PDF
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 34 2.62 14.62 76.47 78.21
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 26 3.62 13.50 80.77 81.31
[解 説]
【人工関節置換術】
傷んで変形した関節の表面を取り除いて、人工関節に置き換える手術です。 人工関節は、関節の滑らかな動きを再現できるように、耐久性に優れた硬いポリエチレンでできています。
高齢で股関節や膝関節、肩関節の変形が著しく人工関節にせざるを得ない場合は、術後の痛みが少なく、早期にベッドから離れ、早く歩いて自宅に帰れるように手術手技を改良しており、手術を受ける患者さんの気持ちに立った治療に努めています。
【脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術】
椎弓形成術では、椎弓に切り込みを入れて開き、間に人工骨や患者さん自身の骨を挿入して脊柱管を広げ、脊髄の圧迫を取り除きます。椎弓切除術は、神経を圧迫している椎間板を削り除圧だけおこないます。除圧だけでは再発する可能性のある不安定な脊椎や、除圧により不安定になった脊椎に対し自家骨やインプラント(金属のスクリューやプレート)で固定するのが脊椎固定術です。
当科では、腰部脊柱管狭窄症に対して、脊椎内視鏡を用いた最小侵襲手術をおこなっています。また、腰背部の筋肉を手術で剥離せずに温存して、患部のみ狭窄を取り除く低侵襲手術もおこなっています。
【骨折観血的手術】
骨折している部分を切開して骨を直接正常な位置に戻した後、ねじ等で固定する手術です。ギプス固定より治療期間を短縮させることができるメリットもあります。
【人工骨頭挿入術(肩、股)】
当科では、大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折などに対して人工骨頭挿入術をおこなっています。

※ 集計条件に従い、主たる手術の他に実施された椎弓切除術39件は、集計値に含まれません。



眼 科                             診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合) 287 0.54 4.62 1.39 75.70 PDF
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 185 0.70 7.57 1.08 67.28
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 68 0.69 6.71 0.00 66.75
K2683 緑内障手術(濾過手術) 51 1.59 12.69 0.00 71.41
K2685 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術) 49 1.20 10.00 4.08 71.37
[解 説]
【水晶体再建術 眼内レンズ挿入】
 濁った水晶体を、超音波で細かく砕きながら吸い出し、水晶体のかわりに「眼内レンズ(人工のレンズ)」を挿入します。
【硝子体茎顕微鏡下離断術】
 目の中に細い手術器具を入れ、目の中から網膜剥離などを治療する方法です。
【緑内障手術】
 緑内障手術の当科の代表的な手術は線維柱帯切開術と線維柱帯切除術と緑内障インプラント手術です。線維柱帯切開術は線維柱帯の一部を金属のフックで切開し、房水の流出をよくすることで眼圧を下げる手術です。比較的安全な手術で術後の合併症も少ないですが、眼圧の下降効果は線維柱帯切除術や緑内障インプラント手術と比較すると弱く、初期から中期の緑内障に適しています。線維柱帯切除術は房水を結膜下に流すバイパスを作成し、眼圧を下降させる濾過手術です。緑内障インプラント手術は、インプラントを眼球に挿入し、そこへ房水を流す濾過手術です。いずれも眼圧下降効果が高く、中期から末期の緑内障が適応となります。

※ 集計条件に従い、主たる手術の他に実施された水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他)208件は、集計値に含まれません。



耳鼻咽喉科・頭頚部外科                   診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 61 1.00 5.20 0.00 15.56 PDF
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 26 2.42 6.62 0.00 31.92 PDF
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型 21 2.05 4.48 0.00 60.57 PDF
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型 19 0.95 4.47 0.00 61.00 PDF
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡) 13 1.08 3.69 0.00 53.85 PDF
[解 説]
【口蓋扁桃摘出術】
 繰り返す扁桃炎、扁桃感染が原因となる掌蹠膿疱症やIgA腎症、睡眠時無呼吸症などに対して、扁桃摘出術がおこなわれます。
【鼓室形成手術】
 鼓室形成手術は、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、先天性耳小骨奇形などにおこなわれます。内視鏡による低侵襲手術から2回に分ける手術まで進展度に応じて使い分けています。西日本でいち早く低侵襲な内視鏡下におこなう手術を取り入れました。耳の後ろを大きく切開することがないため、術後の痛みも少なく、短期入院手術が可能となっています入院期間は通常、1週間以内です。
【内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型・4型】
 内視鏡手術にて手術中の出血量の減少、手術後の痛みの軽減、入院期間の短縮が得られています。慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)、喘息と同様な機序で嗅覚から障害されやすい好酸球性副鼻腔炎、高齢者や糖尿病、免疫抑制患者などに多い副鼻腔真菌症、虫歯が原因の歯性副鼻腔炎などにおこなわれます。
【直達鏡下喉頭腫瘍摘出術】
直達鏡下喉頭摘出術は、喉頭の良性腫瘍に対しておこなわれている手術です。直達鏡で病変を観察しながら切除します。入院期間は通常、1週間以内です。

※ 集計条件に従い、主たる手術の他に実施されたアデノイド切除術50件や鼻中隔矯正術14件、頚部郭清術14件は、集計値に含まれません。



脳神経外科                           診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 37 9.46 30.16 27.03 59.81
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 25 1.00 10.56 24.00 80.76 PDF
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 25 8.36 8.96 12.00 68.44
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 20 2.85 23.55 45.00 65.45
K1781 脳血管内手術(1箇所) 16 2.94 10.38 12.50 64.50
[解 説]
 脳腫瘍摘出術の実施件数が最多です。脳腫瘍の摘出術には、頻度の多い順から神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫などがありますが当院では全ての腫瘍に対応しています。これらの腫瘍はそれぞれ悪性度でも分類されており、悪性度の高いものは薬物療法、放射線療法などの追加治療も必要となり入院期間が長期となる傾向が生じます。特に状態が良いとは言えない場合は治療後、他病院に転院で療養を継続する必要がある場合もあります。
 慢性硬膜下血腫は高齢者に多く、高齢化の進んでいる高知県では必然的に多くなります。手術としては主に局所麻酔でおこない比較的難易度の低い手術ですが、地域の多数の病院、診療所と連携している当院では結果的に多くの慢性硬膜下血腫の治療をおこなう事になります。退院後も地域の医療施設と連携して対応をおこないます。
 頚動脈ステント留置術は頚動脈に狭窄が生じた際に金属ステントにより血管内腔を確保し血流を保つ治療です。腕や足からカテーテルを狭窄部位まで進めて、狭窄部位を拡張後にステントを留置します。侵襲度は手術に比べて少なく、結果的に入院期間も短くて済みます。
 脳動脈瘤頸部クリッピングは開頭により脳動脈瘤の頸部に対して金属クリップをかけて動脈瘤の破裂を防ぐ手術であり、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の主な治療法です。血管内治療と比較し侵襲は大きいですが、動脈瘤の確実な処理、血腫の除去などもできるため今でも有効な治療方法です。
 脳動脈瘤の脳血管内治療は主にコイル塞栓術です。これはカテーテルを動脈瘤まで進めて動脈瘤内にコイルを充填させて血栓化を促進させて動脈瘤を閉塞させて破裂を防ぐ方法で近年進歩が著しく脳動脈瘤クリッピングと並んで主な治療法となっています。手術に比べて侵襲性が低く入院期間が短くなる傾向があるのが特徴です。クリッピング術とコイル塞栓術はそれぞれ特徴があり動脈瘤の位置や大きさなどでも使い分けられています。
最近では巨大脳動脈瘤に対してFLOW DIVERTER SYSTEMのような新しい技術も開発されており、当施設でも実施しています。当施設では症例ごとに十分検討をおこない、これらの治療の選択肢から最適な治療法を選択しています。



泌尿器科                             診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)
(電解質溶液利用のもの)
152 2.96 4.49 3.29 74.68 PDF
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術
(内視鏡手術用支援機器を用いる)
102 2.55 8.56 0.00 69.04 PDF
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 22 2.64 10.05 4.55 72.86 PDF
K8036ロ 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 21 2.90 3.52 4.76 62.48 PDF
K803-22 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術
(全摘(回腸又は結腸導管を利用して尿路変更を行うもの))
19 3.05 30.53 10.53 71.16 PDF
[解 説]
 泌尿器科で最も多い症例は、膀胱癌に対する膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)で、尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を切除する早期(表在性)膀胱癌に対する治療方法です。光線力学診断用剤を使用し、より適切に診断をし、より確実に摘出することができるようになり再発が多い当疾患への有用性が期待されています。
 次いで多い手術症例は前立腺悪性腫瘍手術です。当科では内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入しています。「ダヴィンチ」とは、ロボットが手術を行なうのではなく、医師がロボットを活用し、より精度の高い手術を実施します。「ダヴィンチ」の長所は、小さな孔(あな)からカメラや鉗子を挿入し手術を実施するため、開放手術と比べて明らかに傷が小さくて済みます。さらに、腹腔鏡下手術と比べて、拡大視野で、3次元の立体的な、デジタルハイビジョンによる鮮明な映像、緻密な手術操作により、出血量が少ない低侵襲な手術が実施できます。
 腎臓癌は、薬だけで治療することは今の医学では不可能で、手術で切除することが治療の原則です。腎臓は身体の深いところにあるので、途中で邪魔になる筋肉も切断し、手術の傷もかなり大きくなります。その点、腹腔鏡下手術だと、いくつかの穴から器具を入れて手術が出来ますので、皮膚を切るのは腎臓をとりだすのに必要な最小限の大きさだけになります。さらに当科では、腎摘除術は腹腔内に入らずに後腹膜腔での腎摘除術をおこなっています。
 主に浸潤(細胞や組織を壊しながらのがん組織の移動)性の膀胱癌に対して開腹ではなく腹腔鏡下で全摘加療をおこなうことにより、早期の離床・周術期合併症発症の低下が期待でき、約1ヶ月の入院加療での退院を実現しています。
 他、尿路結石・尿路狭窄など、泌尿器疾患すべてに対応しています。



形成外科                             診療科へのリンクへ ページのTOPへ
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K016 動脈(皮)弁術、筋(皮)弁術
K019 複合組織移植術
K1002 多指症手術(骨観察、腱の形成を要する)
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
K0064 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)
(長径12cm以上)
[解 説]
皮膚癌や悪性軟部組織腫瘍により皮膚や筋肉が切除されると、機能的な問題のみならず外観が大きく変化します。皮膚移植術・皮弁作成術・顕微鏡下手術による遊離組織移植術などの技術により、それらの改善を図り、患者さんの社会生活への復帰を支援しています。また、顔面の陷凹などの変形に対しては、脂肪吸引・注入移植もおこなっています。
手術で傷痕の瘢痕組織を切除すると、傷は最初の大きさに戻るため大きくなったように感じます。大きな傷であれば最初は皮膚欠損もあったかもしれません。脂肪などが瘢痕組織に置き換わって柔軟性が減少した可能性もあります。それらを考慮しながら、皮膚をブロックに分割して切開し「動きやすい方に動かす」ことで、将来拘縮を生じにくい「新しい傷」に置き換えるのが「瘢痕拘縮形成術」です。
挙筋前転法では、延びたり緩んだりした挙筋腱膜を、瞼板に再固定します。眼瞼挙筋や挙筋腱膜を切除せず、付随する筋肉も傷つけないため、健康的な改善が認められると言われています。ただし、まぶた内部の組織を手術するため、治療の際はまぶたの皮膚を切開します。
耳鼻咽喉科・頭頚部外科、呼吸器外科、乳腺外科等の外観の変化が顕著となる診療科を始め、形成外科的なフォローが必要な場合には共同で診療にあたり、患者さんの治療に対応しています。
※この集計値は、厚生労働省保険局医療課発行の[病院情報の公表の集計条件」に基づいており、包括対象外診断群分類、自費分等を含まないため、実際の症例件数とは異なります。また、入院中に複数の手術を実施した場合は、医科点数表の最も高点数の手術が集計対象となります。
※入院科で集計をしているため、他科入院中の患者さんに対して施行した手術は集計対象外としています。
本掲載条件により、形成外科の患者数等の公表は対象外としています。



その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率) ファイルをダウンロード      ページのTOPへ
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 18 0.16
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 41 0.35
異なる

     
  [集計条件]
播種性血管内凝固(DIC)、敗血症、真菌症、手術・処置等の合併症に対して最も医療資源を投入した患者数とその割合を集計しました。
○DPC:DPCコード14桁のうち病名による分類である上位6桁を表しています。
○傷病名:DPCコードの上位6桁に該当する診断群分類名称です。
○入院契機:DPCデータには、それぞれの患者さんがどのような病態で入院するに至ったか(入院契機病名)が登録されています。この入院契機病名と入院中最も主要な病態(DPC病名=医療資源を最も投入した病名)が、「同一」か「異なる」かによって集計しています。
 「同一」:ある病気の診療目的で入院し、その病気の治療をおこなった。
  「異なる」:ある病気の診療目的で入院したが、併存していた、あるいは入院中に発症した異なる病態(今回は、播種性血管内凝固や敗血症、手術・処置などの合併症)による治療が主だったものになってしまった。
○発生率:全入院患者さんのうち、該当するDPCで入院費が請求された患者さんの割合です。


□播種性血管内凝固
 がんや重症感染症など、さまざまな重症の基礎疾患のため、過剰な血液凝固反応が起こることによって引き起こされる全身性の重篤な病態です。
 濃厚治療が必要なため、該当するDPCにおいて高額な点数が設定されています。
□敗血症
 体のある部分で起こっている感染症から血液中に病原体が入り込み重篤な症状を引き起こす全身性炎症反応症候群です。
 濃厚治療が必要なため、該当するDPCにおいて高額な点数が設定されています。

□その他の真菌感染症
 真菌によって引き起こされる感染症です。

□手術・処置などの合併症
 手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。
 最善の努力を払っていたとしても、合併症はどのような術式でもどのような患者さんでも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。
 
     

[解 説]
 播種性血管内凝固や敗血症は、全身性の重篤な病態です。濃厚治療が必要なため、該当するDPCにおいて高額な点数が設定されています。
 厚生労働省による令和元年度のDPC対象病院全国平均発生率では、播種性血管内凝固「0.15%」、敗血症「0.47%」、その他の真菌症「0.04%」、手術・処置等の合併症「0.56%」であり、令和2年度の当院の発生率は、4項目すべて全国平均以下でした。
 手術や処置などは、合併症を起こさないように細心の注意を払って臨んでいます。合併症の内訳は透析シャントの機能低下や閉塞、人工物の感染、手術創の感染などです。しかし、合併症はどうしても一定の確率で起こり得ます。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明したうえで、手術や処置の施行に同意を得ています。とはいえ、これらは重篤な主疾患の合併症として発症しているケースが多いため、臨床上ゼロにはなりえないものですが、少しでも低減できるよう努めています。


更新履歴
2021.09.30
「令和2年度病院情報の公表」を作成しました。