Interview 1
自社素材は宝の山?!
研究で新たなビジネスチャンスを拓く
食品メーカーに勤務しながら社会人修士生となった片山さん。
自社のビジネス課題の解決を通じて、生活習慣病予防という大きなテーマへの貢献を目指しています。
片山果咲
2023年度修了 | 株式会社 小谷穀粉
2026年度取材
健康茶素材の科学的根拠を明らかにしたい
私の勤める小谷穀粉は、お茶と穀物に特化して「美味しく、豊かに、美しく。」を追求している会社です。健康茶素材だけでも約70 種を有していますが、そもそもお茶は特定保健用食品や機能性表示食品に必要な科学的根拠が揃っているものが少なく、そこに課題がありました。そこで、社長はじめ会社の後押しを受けて土佐FBCの基礎コース、Sコースと学びを重ね、2022年度より農林海洋科学専攻に社会人入学しました。
学部卒業から10年ほどブランクがあり、当初は実験技術や最新機器の取り扱い、体力面などに不安がありましたが、研究室の仲間や先輩方が親切にサポートしてくれて順調に研究を進めることができました。和気あいあいで活力あふれる雰囲気に、いつもパワーをもらっていました。
研究テーマは「未病対策につながる食品素材の探求」です。自社の健康茶素材から日常的に入手しやすい素材を選び、生活習慣病関連の機能活性の評価や有効成分の定量分析を行うことで、機能や関与成分の解明と有望素材の特定を目指しました。

挑戦をきっかけに、社内に研究部門が新設。大学との共同研究も継続へ
2年間の研究の結果、生活習慣病関連の機能評価においては、血圧上昇に関与する酵素ACEに対し、高い阻害活性を示す素材として、クコ子(クコの実)とバナバ葉を選定。あわせて、ACE阻害活性に関与する主要成分を特定することもできました。また、有望素材の選定については、既知有効成分であるケルセチンを豊富に含有する素材として、ダッタンソバとバナバ葉を選定。お茶として機能が期待できる十分な成分量があることを確認できました。
これらの成果は、鳥取で開催された日本農芸化学会中四国支部第67回講演会で発表。現在、一つは機能性表示食品の届出に向けて準備を進めており、残りは引き続き、高知大学との共同研究というかたちで研究が続いています。
一連の挑戦を通じてたくさんの学びや成果を得ましたが、特に大きかったのは、自社の開発部門の中に「イノベーション研究室」が新設されたことです。また、修士課程修了後も大学との連携は続いており、そのネットワークを通じて製薬メーカーなど新たな取引先との接点も生まれています。これらの成果は、研究と業務の両立を理解しバックアップしてくれた上司や同僚の存在があってこそだと、心から感謝しています。
今後も、自社素材の付加価値をさらに高め、未病対策につながる商品をお客様にお届けすることが私の目標です。実は、生活習慣病の患者や関連する健康課題が全国平均を大きく上回る高知県。ふるさと高知の健康増進に、小谷穀粉のお茶で貢献できたら嬉しく思います。







