1.製剤室の主な業務

(1) 院内製剤の調製
(2) 特殊製剤の試作
(3) 製剤処方内容の検討
(4) 調製製剤の保管
(5) 製剤用機器の維持および運用
(6) 高カロリー輸液の混合調製
(7) 外来化学療法実施患者への指導

2.業務内容

製剤室では、院内製剤の安全性と有効性を検討し調製・供給および管理を行っています。院内製剤とは、薬事法による承認を取得して供給されている医薬品のみでは対応できない多様な臨床のニーズに対応するため、院内で調製した製剤です。
医療のニーズに対応するため院内製剤は薬事関連法規や製造物責任法の精神を踏まえ、日本病院薬剤師会が公表している院内製剤の調製及び使用に関する指針(Ver1.0)に準じて調製しています。院内製剤の調製に関しては、診療科からの調製依頼に対して積極的に取り組んでおり、試験研究室との協同により薬剤学的かつ薬理学的な見地より検討を加え処方内容を決定し、調製・供給しています。さらに、調製した院内製剤の安全性や安定性の製剤学的検討を行い、院内製剤の品質の均一化を行い情報発信をしています。現在では、院内製剤のみならず、市販された医薬品の製剤学的検討も行っています。
また、臨床試験にも積極的な関わりを持って活動しています。今までに、子宮癌の局所療法を目的としたシスプラチン坐剤、難治性褥瘡および皮膚潰瘍に適応したバリダーゼゼリー等について薬剤学的に検討し、臨床応用してきました。また、小児重症心身障害者に対するセレン内服液の調製および投与は、小児科との協同研究において、各種疾病の発症および進展に大きく関与する活性酸素を代謝するグルタチオンペルオキシダーゼの活性を増大させることを見出し、臨床的にも高い評価を得ています。数年前からはがんペプチドの分注作業、投与時のアジュバントとの混合作業を薬剤部にて行っています。がんペプチドの調製は臨床試験の経験を生かし、がんペプチドの治験薬の調製も実施しています。またその他にも、増感放射線療法に使用するオキシドールの小分けや、周術期におけるオピオイド使用に起因する諸症状に対するアプレピタントの効果について検討する臨床試験用薬剤の供給を行っており、トランスレーショナルリサーチにも積極的に関わっています。

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