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Kochi Medical School Hospital Clinical Radiology Department

高知大学医学部附属病院(代表)088-866-5811

〒783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮185-1

CTComputed Tomography

CT検査とは?

CT(Computed Tomography)検査とは、体の周囲を回転しながらX線を照射し、体を透過してきたX線の強弱を検出器で受け取り、その強弱の情報をコンピュータで解析・計算し、体の輪切り(断層像)画像を得る検査です。また、輪切りの画像を元にデータを再計算することにより3Dや任意の方向の断層像も得ることができます。

当院では、2015年3月より320列MDCT(東芝社製AquilionONE)を導入致しました。本CTは世界一広い撮影範囲を有しており、1回転で16cmの範囲を最短0.275秒で撮影することが可能です。頭部および心臓の検査に有用なのはもちろん、小児や高齢者など息を止めるのが困難な患者さんにも対応できます。また臓器の動きによる画像悪化の影響を受けにくい、ありのままの臓器の微細構造を表現することが概ね出来るようになりました。

単純・造影CT検査、および、ワークステーションでの3D、MPR(任意断面表示)などの画像処理を3名の診療放射線技師で行っています。また、CT画像は、他の検査と同様、病院画像サーバーに転送され院内全ての電子カルテ参照端末で画像参照ができるシステムになっています。


装置概観

CT装置外観

全身の各部位・目的に応じた検査プロトコールを組み、鮮明で高速なスキャンが可能となっております。
また、必要に応じて3D画像やMPRの画像も作成しております。

代表的な検査

・頭部検査

寝台に仰向けに寝て、X線を使用して頭を輪切りにした画像を撮影します。脳出血や、くも膜下出血などを調べる上で欠かせない検査です。また、頭蓋骨骨折や副鼻腔、眼窩、聴器などの異常の有無を診断するのにも有用です。

・頭頸部血管検査

連続スキャンにより、造影剤が到達しない単純CT画像、動脈相や静脈相など狙ったタイミングの造影CT画像が得られ、またそれぞれが三次元のボリュームデータであるため任意の断面や3D画像の作成も可能です。また、頭部での最大の利点は急性期の脳梗塞の発見に有用(発症後数時間以内)な頭部Perfusion検査が可能となり、3D画像として全脳の血流を検査・診断できるようになったことです。さらに、造影剤が入った画像から入る前の画像を引き算する(CT-DSA:CT-Digital Subtraction Angiography)で、骨に埋もれた血管を取り出して、その血流を見ることが可能となり、これまで見逃されがちだった小脳や頭頂部の病変なども正確に描出可能となりました。

・体幹部検査

寝台を動かしながらX線を使用して体を輪切りにした画像を撮影します。実際に撮影にかかる時間は10秒程度で、息を止めて撮影する場合があります。肺やお腹の中の臓器の病気を調べるのに非常に有用な検査です。また、造影剤を用いることで血管や腫瘍などを明確に描出することが可能となります。

・心臓(冠動脈)検査

従来の64列ヘリカルCTとは異なり心臓全体を一回転でスキャンできるため、心拍によるズレが少なく、ノイズの少ない鮮明な画像が得られます。心電同期により必要な時相のみX線を曝射することで被ばく量を大幅に減らすことができます。質の高い検査を提供しながら、患者さんの負担を軽減することが可能です。 撮影中に不整脈が発生した場合においても、自動的に不整脈を検知してX線照射を止め、次の正常な心拍にて撮影するといった安全機構を搭載しており、検査精度が格段に向上しています。

・四肢検査

膝関節や股関節、その他四肢に対してもCTは有用です。一般撮影では得られない3D画像を得ることができ、任意の方向からの観察が可能となります。そのため、手術計画や交通外傷などの診断に有用となります。また、造影剤を用いることで血管の走行状態のスクリーニングを行うことも可能です。

頭部単純CT画像(脳出血) 腹部単純CT画像(肝細胞癌)
頭部単純CT画像(脳出血) 腹部造影CT画像(肝細胞癌)
頭部造影CT3D再構成 正面像 頭部造影CT3D再構成 側面像
頭部造影CT3D再構成像(左:正面像、右:側面像) 
心臓CT3D再構成像 足関節単純CTMPR像(踵骨骨折)
心臓CT3D再構成像 足関節単純CTMPR像(踵骨骨折)
胸部大動脈造影CT3D再構成像1胸部大動脈造影CT3D再構成像2胸部大動脈造影CT3D再構成像3胸部大動脈造影CT3D再構成像4 
胸部大動脈造影CT3D再構成像(胸部大動脈瘤) 

造影剤を使った検査を受けられる方へ

病気の存在や診断を正確に判断するため、造影剤を用いて検査を行うことがあります。CT検査で使用する造影剤は一般に「ヨード造影剤」と呼ばれるものです。通常、静脈から注入し撮影を行います。静脈注射時は血管に沿って熱感が現れ、体がポカポカしてきます。そのほか、ごくまれに下記の造影剤に対する副作用が出現することがあります。

造影剤の副作用について

  • 軽い副作用(発生頻度、3%程度):じんま疹、くしゃみ、吐き気、嘔吐、めまい、かゆみ、等         
  • 重い副作用(発生頻度、約0.01%程度):血圧低下、呼吸困難、意識障害、等

副作用のほとんどは注射後まもなく出現しますが、検査中は副作用に対して適切な処置が行えるよう万全の体制を整えています。安全に造影CT検査を行うために、次に該当する場合は検査前にお知らせください。場合によっては慎重に投与するか、造影剤を使用しないで検査を行う場合があります。

  • 以前にヨード造影剤を使用して気分が悪くなったり、発疹が出たことがある。           
  • アレルギーがある。(薬、花粉、アトピー等)         
  • 気管支ぜんそくがある。         
  • 甲状腺疾患や心臓病、肝臓病、腎臓病、糖尿病などの病気がある。         
  • 妊娠されている方、またはその疑いがある方、および授乳中の方。        

検査当日のご注意

  • 造影CTの検査前には撮影部位に関わらず原則絶食となります。これは脳の奥にある嘔吐中枢が造影剤に刺激されて反射的に吐き気・嘔吐を来す事があり、吐物誤嚥による肺炎や窒息を防ぐ為です。
  • 午前に検査のある方は朝食を摂らないでください。午後に検査のある方は、検査予約時間の3時間前以降は食事をしないようお願いします。検査前に食事をされていると、検査が遅れたり、検査が行えない場合もありますのでご注意ください。
  • 検査時の脱水状態は副作用の誘因となりますので、水やお茶などは飲んでいただいて構いません。ジュースや乳飲料などは飲まないようにお願いします。

検査後について

  • 検査後は普段通りの生活をお送りください。造影剤は尿として排泄されますので、水分を多めに摂取していただきますよう、お願いいたします。
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