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Kochi Medical School Hospital Clinical Radiology Department

高知大学医学部附属病院(代表)088-866-5811

〒783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮185-1

放射線治療Radiotheraphy

放射線治療とは?

放射線治療は、電離放射線を人体(腫瘍・癌)に照射し、生体内で吸収されたエネルギーが引き起こす生物作用により、癌細胞にダメージを与えて疾病を治癒させる方法です。

放射線治療には、直線加速器(LINAC)などから出る高いエネルギーのX線(一般撮影に使用される物の100〜200倍のエネルギー)を外部から照射し治療を行う外部照射と、密封されたRI(RadioIsotope:放射性同位元素)を食道・胆道・膣などの腔内に遠隔操作で挿入したり、組織内にRI針(カプセル)という形で人体の内部より照射する腔内照射・組織内照射があります。
放射線を人体に照射するわけですが、ターゲットはあくまでも腫瘍などの病巣であり、綿密な線量計算のもとに健常組織には出来るだけダメージを与えないような照射方法をとっております。
2010年には、定位放射線治療装置を導入し、病変のみに高線量を照射する、より精細で高精度な照射が出来るようになりました。


外部照射

体の外から照射する方法を外部照射と言い、普通耳にするのはこの照射方法だと思われます。適応は主に、頭頸部・肺・食道・子宮頸部・前立腺の腫瘍、骨転移疼痛緩和など様々な疾患です。一般的な治療の流れは以下のようになります。

放射線治療の流れ

多門照射 イメージ 通常、リニアックを用いた照射では、人体(腫瘍)に対して、多方向から腫瘍の投影形に応じて照射野・線量を変え照射します。これは腫瘍に最適線量を与え、正常組織に出来るだけ放射線を当てないようにするためです。そのために、CTやコンピュータを使いシミュレーションを行い照射方法を決定します。
患者さん一人一人に適した治療計画を立て、放射線を安全に効率よく照射し、高い治療効果を得るために、照射の前には必ずシミュレーションを行います。

治療計画用CT 照射位置を決めるため、CTを用いて正確な患部の大きさや位置などを確認します。これらの画像を治療計画用コンピュータに転送します。
外部照射治療計画用コンピュータ 取り込んだ画像データを元に、組織の放射線吸収係数、放射線エネルギーなどをもとに適切な線量分布・線量を計算シミュレートし、照射方法・条件を決定します。
そして、照射条件を治療装置に転送します。
リニアック操作卓 治療装置(照射装置)に照射条件・照射スケジュールの登録を行い、照射の準備を行います。照射中は治療室で患者さん一人になりますが、上記のようなカメラ・モニターで様子を見ております。また、マイクも設置しており、治療担当者とも会話できるようになっておりますのでご安心ください。


リニアック(Linac:Linear Accelerator)

外部照射では、リニアックという放射線治療装置が多く用いられています。当院でも2010年に1台、2012年に1台、リニアックを更新し、現在2台のリニアックにより外部照射を行っています。装置の更新により、画像誘導放射線治療(IGRT)、強度変調放射線治療(IMRT)が可能となり、従来よりもより高精度な放射線治療が可能となりました。

放射線治療装置 Novalis Tx 
Novalis Tx操作室 2010年末、当施設で3台目の治療装置となるNovalis Txが導入されました。この装置では主に頭部・頸部の治療や前立腺のIMRTなどを行っています。また、骨髄移植のための全身照射や、頭部や胸部の腫瘍に対して、通常の外部照射よりも高い精度で位置決めを行い、放射線を病変の形状に正確に一致させて3次元的に大線量を集中的に照射する定位放射線治療も行っています。

放射線治療装置 Clinac iX 続いて2012年末には、新しい治療装置、Clinac iXが導入されました。Novalis Txとは照射できる放射線のエネルギーが異なっており、使い分けをしています。こちらの装置では主に乳房や胸部、骨盤部への照射を行っています。


腔内照射

外部照射に対して、体の中から照射する方法を腔内照射、組織内照射といいます。腔内照射ではアプリケータと呼ばれる器具あるいはチューブを挿入し、これらの中に直径0.9mm、長さ4.5mmの小さな放射線の出る線源をコンピュータ制御で出し入れし照射を行います。また、組織内照射では、放射線の出る線源を密閉封入した針を挿入し照射します。
RALSと治療室 密封小線源治療計画システム

治療計画・線量計算は、体内に挿入しているアプリケータの内腔にX線カテーテルを挿入し、透視像またはX線写真・CTを用いて線源の位置を同定します。そして画像をもとに線量・線量分布をシミュレートし、その位置での照射時間を決定し、照射・治療を行います。適応は主に子宮頸部・膣の腫瘍です。組織内照射は、前立腺の腫瘍に対して行っております。当施設では、小線源の核種はIr(イリジウム)を使用しています。

外部照射と同様に、照射室では患者さん一人になりますが、照射中はカメラ・モニターで様子を見ておりますし、また、マイクも設置しており治療担当者とも会話できるようになっておりますのでご安心ください。

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