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Kochi Medical School Hospital Clinical Radiology Department

高知大学医学部附属病院(代表)088-866-5811

〒783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮185-1

MRIMagnetic Resonance Imaging

MRI検査とは?

MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)は、強力な磁場を発生させる超伝導磁石により、核磁気共鳴現象という物理現象を応用し、人体の断層像を得る検査です。MRIはCTとよく比較されますが、決定的に異なるのはMRIはX線を使用しないという事です。また、画像を得る原理がCTとは全く異なります。CTに比べ撮像に関して多くのパラメータがあり、それらをどのように組み合わせ選択するかにより(撮像条件・パルスシーケンス)各臓器間のコントラストが大きく変化します。担当技師は、臓器・検査目的別にパルスシーケンスを組み、検査にあたっています。また、CTと違い人体の断層面は輪切りだけでなく任意の断層面を直接撮像できます。

当院では、これまで稼働しておりましたMRI装置に代わり、2019年4月に新しく3台のMRIが導入され、更なるイメージング性能、スピード、ワークフローがもたらされました。今後、幅広くなっていく診療科からの要望に答えるとともに、検査数も更に増加させ、患者さんの診療に役立てるようになることが期待されます。

単純・造影MRI検査、および、ワークステーションでの3D、MPR(任意断面表示)などの画像処理を4名の診療放射線技師で行っています。また、MRI画像は、他の検査と同様、病院画像サーバーに転送され院内全ての電子カルテ参照端末で画像参照ができるシステムになっています。

装置概観

GEMRI装置

第1MRI室 GE社製 Signa Architect 3.0T(テスラ)
主として高性能なコイルを用いての頭部領域の撮影や、豊富な種類のコイルを用いて整形領域、特に四肢の撮影を行っております。また、呼吸や、体動にも強いアプリケーションを用いて、骨盤領域(前立腺や子宮・卵巣など)の撮影を行っております。

     
PhilipsMRI装置

第2MRI室 Philips社製 Ingenia 3.0T
頭部、脊椎領域の他、主に、腹部、乳房、心臓などの体幹部領域を撮影しております。3台の中でパラメータ設定において最も自由度が高く、Compress Sensingという高速撮像技術を併用することで、それぞれの領域において撮像時間短縮と画質を両立した理想的な画質を得ることができるようになっています。

     
SiemensMRI装置

第3MRI室 Siemens社製 MAGNETOM Aera 1.5T
前2台と比較して磁場の強さが弱い装置です。体内に金属の入っている方や、妊婦さん、MRI対応ペースメーカーが入っている方の撮影はこちらで行っています。もちろん一般の患者さんも検査しており、頭部から足先まで、幅広く対応でき、安定した画像を提供しております。

代表的な検査

・頭部検査

頭部の検査では、代表的なT1強調画像、T2強調画像や他の様々な撮影方法と組み合わせて検査を行うことで、脳梗塞や、脳出血、その他の変性疾患の診断を行うことができます。MRI検査では造影剤を用いなくても、血管の流れを利用して血管を画像化することができ、脳動脈瘤や、血管の狭窄の診断を行うことができます。また、造影剤を用いることで、小さな転移性脳腫瘍の精査や、時間分解能の高い血管撮影を行うこともできます。

・脊椎検査

首、胸、腰の脊椎・脊髄の検査です。椎間板ヘルニアや神経の圧迫など、脊椎・脊髄の病気を見つけるための検査はMRIの得意とするところです。

・胸部・腹部検査

胸部の検査では縦隔や乳房の腫瘍の検査、そして心臓の検査などを行っています。腹部の検査では肝臓、膵臓、腎臓、前立腺、子宮・卵巣など、各臓器の検査を行っています。

・四肢検査

膝関節や手関節などの各関節の検査、腕・足の骨腫瘍や軟部腫瘍の検査などを行っています。

頭部T2強調画像 頭部T1強調画像
頭部T2強調画像 頭部T1強調画像
頭部拡散強調画像 頭部MRA画像
頭部拡散強調画像(白い部分:脳梗塞) 頭部MRA(MR-Angiography)画像
腰椎T2強調画像 腰椎T1強調画像
腰椎T2強調画像 腰椎T1強調画像
腹部T2強調画像 MRCP
腹部T2強調画像 MR胆管膵管撮影(MRCP)
骨盤部T2強調画像 膝関節T2強調画像
骨盤部T2強調画像 膝関節T2強調画像

造影剤を使った検査を受けられる方へ

病気の存在や診断を正確に判断するため、造影剤を用いて検査を行うことがあります。MRI検査で使用する造影剤は一般に「ガドリニウム造影剤」と呼ばれるものです。通常、静脈から注入し撮影を行います。静脈注射時は造影CT検査とは異なり、熱感が現れることもなく、ほとんど何も感じることはありません。しかし、ごくまれに下記の造影剤に対する副作用が出現することがあります。

造影剤の副作用について

  • 軽い副作用(発生頻度、1%程度):吐き気、動悸、頭痛、かゆみ、発疹、等         
  • 重い副作用(発生頻度、0.05%以下):血圧低下、呼吸困難、意識障害、等

副作用のほとんどは注射後まもなく出現しますが、検査中は副作用に対して適切な処置が行えるよう万全の体制を整えています。安全に造影MRI検査を行うために、次に該当する場合は検査前にお知らせください。場合によっては慎重に投与するか、造影剤を使用しないで検査を行う場合があります。

  • 以前にガドリニウム造影剤を使用して気分が悪くなったり、発疹が出たことがある。          
  • アレルギーがある。(薬、花粉、アトピー等)        
  • 気管支ぜんそくがある。        
  • 妊娠されている方、またはその疑いがある方、および授乳中の方。       

検査当日のご注意

  • 一般的なMRI検査を受けるにあたっての注意事項はこちらをご覧ください。

MRCP検査を受けられる方
  • 胃や十二指腸に食べ物や水分があると検査できませんので、午前に検査のある方は朝食を摂らないでください。午後に検査のある方は朝食を9時までに摂るようにし、昼食は食べないでください。検査前に食事をされていると、検査が遅れたり、検査が行えない場合もありますのでご注意ください。
  • 水分は検査開始時刻の2時間前からは極力飲まないでください(検査2時間前までは薬を飲む水や少量の水やお茶は飲んでもかまいません)。牛乳・乳飲料・スープなどは時間に関わらず、検査が終わるまで飲まないでください。

造影MRI検査を受けられる方
  • 造影MRIの検査前には撮影部位に関わらず原則絶食となります。造影剤の副作用により吐き気・嘔吐を来した際、吐物誤嚥による肺炎や窒息を防ぐ為です。
  • 午前に検査のある方は朝食を摂らないでください。午後に検査のある方は、検査予約時間の3時間前以降は食事をしないようお願いします。検査前に食事をされていると、検査が遅れたり、検査が行えない場合もありますのでご注意ください。
  • 検査時の脱水状態は副作用の誘因となりますので、水やお茶などは飲んでいただいて構いません。ジュースや乳飲料などは飲まないようにお願いします。

検査後について

  • 検査後は普段通りの生活をお送りください。造影剤は尿として排泄されますので、水分を多めに摂取していただきますよう、お願いいたします。

インテリジェント手術室 Intelligent operation room

インテリジェント手術室について

2017年4月より、手術室内にMRI装置を設置した「インテリジェント手術室」が稼働しています。術中MRI診断システムは、開頭手術中にMRI検査を行うことにより、リアルタイムナビゲーションにより腫瘍を切除することができるものです。神経線維を傷つけずに摘出できるとともに、腫瘍の取り残しがないこともすぐに確認できるメリットがあります。脳腫瘍・脳血管障害などの高度な脳神経外科手術をより安全かつ的確に実施できるようになると期待されます。

手術室12番

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