高知大学農林海洋科学部・大学院総合人間自然科学研究科農林海洋科学専攻

大学院について
物部キャンパスには農林海洋科学専攻(修士課程)と黒潮圏総合科学専攻(博士課程)の2専攻が
置かれていますが、こちらでは農林海洋科学専攻をご紹介します。

総合人間自然科学研究科 農林海洋科学専攻

農芸化学コース

Agricultural Chemistry Course

農芸化学コースは、生物環境化学、動植物健康化学、微生物化学の3領域を内包しており、動物・植物・微生物の生命現象、海洋生物を含む様々な生物が生産する物質、安全な食料生産と健康増進、地域・地球環境の保全と修復、生物生態系等にかかる事象など多彩なテーマに取りんでいます。

新たな修士課程のカリキュラムにおいては、今まで以上に「化学」を重視。化学的視点から生物生産を幅広く探究できる人材を育成を目指し、実験科目と演習科目の強化を図っています。
研究分野紹介
生物材料化学
研究紹介

バイオ高分子を学術と社会を繋ぐ「虹の架け橋」とすべく、研究に取り組んでいます。世界に先駆け、抗菌・抗ウイルス性(衛生強化機能)と生分解性(環境適合機能)の両立を可能にした稀有の新素材「ポリγグルタミン酸イオンコンプレックス(PGAICs)」の開発に成功しました。

Keyword

微生物、高分子、遺伝子、抗菌、環境、プラスチック

応用低温生物学
研究紹介

動物の卵子と受精卵の凍結保存後の生存性に影響を与える遺伝子の探索を行うとともに、これらの細胞の新たな凍結保存法の開発を行っています。また、現在凍結保存が不可能な魚類卵子の凍結保存法の開発も行っています。

Keyword

卵子、受精卵、凍結保存、低温生物学

食品機能化学
研究紹介

植物には様々な化学物質を生産して、自分の身を守ったり、子孫を残すため昆虫を呼び寄せたりしています。それらの化学物質は動物が摂取すると、体内の生理機能を変化させることがあり、生理活性物質と呼んでいます。我々の研究室では食品や未利用植物から、生理活性物質を見つけ出し、有効利用につなげるための研究を行なっています。

Keyword

未利用資源の利用、生理活性物質

植物感染病学
研究紹介

植物免疫の制御機構を解明と、その成果をもとに遺伝子組み換え、ゲノム編集等のバイオテクノロジーを駆使し、病気に強い作物の作出を目指しています。作物を病害から守ることにより、安心・安全で安定した食料供給に貢献することを目指した研究を行っています。

Keyword

植物免疫、植物のバイオテクノロジー

土壌環境学
研究紹介

人類が直面している環境問題・食糧問題の重要な部分である土壌汚染のメカニズム解明と修復に関する研究を行っています。最近では社会全体で取り組んでいるプラスチック問題の解決策を探るため、土壌のマイクロプラスチック汚染の実態解明と浄化技術の開発に

Keyword

土壌、水、重金属、マイクロプラスチック、汚染、修復

化学生態学
研究紹介

フェロモン、摂食刺激物質、摂食阻害物質など多種多様な化学物質(言語)の構造を解明することで、生物間の化学物質を使ったコミュニケーションを翻訳しています。人の役に立つ研究という観点から、画期的なスズメバチ忌避剤、「#スズメバチサラバ」の開発にも寄与しました。

Keyword

生物間相互作用、化学言語、行動制御物質、生理活性物質

食品化学
研究紹介

食品の三つの機能(栄養機能、感覚応答機能、生体調節機能)に関する研究を実施しています。地元高知県の農水産物や伝統的な地域資源を研究対象とすることが多く、研究成果が高知県の活性化の一助となることを期待しています。

Keyword

食品成分、食品分析、味、香り、機能性

土壌科学
研究紹介

持続的食料生産と地球・地域環境保全に貢献するために、さまざまな土壌の生成や肥沃度を研究しています。日本国内のみならず、タイやマレーシア、フィリピンのような東南アジアも研究の舞台です。農業と森林を支える土壌を通して、人と社会の未来像を考える研究を目指しています。

Keyword

土壌生成・肥沃度、物質動態、持続的利用

植物病理学
研究紹介

世界中の250種以上の作物に萎凋症状(青枯病)を引き起こし、世界の農業生産に甚大な被害を与える土壌生息植物病原細菌Ralstonia solanaceaerum(青枯病菌)の病原性の分子機構の解明を行い、その結果を基に、青枯病防除技術の開発を行っています。

Keyword

青枯病、病原性、クオラムセンシング

植物栄養学
研究紹介

重金属は植物の生育に必要な微量要素である一方、過剰吸収すると毒にもなります。私達は植物のミネラルトランスポーター解析を通じ、鉄やマンガンの恒常性維持に関わる分子メカニズムの解明を試みています。また企業等と連携して鉄欠乏環境下での生産性を向上する生分解性の鉄キレート剤の開発に挑んでいます。

Keyword

植物、ミネラル、トランスポーター、重金属

応用微生物学
研究紹介

環境中から有用な微生物や微生物酵素を探し出して、その特徴を明らかにし、私達の生活に役立てることを目指して研究をしています。微生物酵素を用いた環境負荷の低い物質生産法や微生物酵素の高い基質特異性を活かした定量分析法の開発などに取り組んでいます。

Keyword

微生物・酵素の探索、機能解析、応用

植物生育環境学
研究紹介

耕地生態系における養分動態の評価と施肥による適正化を通じて、持続的農業につながる研究を行っています。主に水田を対象として、圃場レベルでの評価と改善を目指しています。また土の色や手触りの評価などの生産者自らが実施できる簡易土壌診断法の開発にも取り組んでいます。

Keyword

土壌肥料、持続的農業、簡易評価法

蛋白質科学
研究紹介

主に微生物由来機能未知遺伝子について、機能推定、機能解析、立体構造解析を行っています。特に、海底下微生物由来機能未知遺伝子と推定上DNA修復/組換え遺伝子の解析に力を入れています。

Keyword

機能未知遺伝子、海底下微生物、DNA修復

微生物分子遺伝学
研究紹介

細菌は環境中で単独ではなく、他の生物と関わりながら生存しています。その関わりの過程で、必要とされる遺伝子発現の調節を行っています。植物病原細菌が宿主に感染する場合と海洋性細菌が大型藻類の持つ多糖を分解する際に、特異的に発現する遺伝子の発現調節機構について研究を行っています。

Keyword

植物病原細菌、大型緑藻多糖分解細菌

微生物遺伝子工学
研究紹介

ビタミンなど「硫黄原子を含む生理活性物質」の生合成機構に興味を持ち、硫黄原子の供給を担う酵素(システインデスルフラーゼ)の機能解析を行っています。また、遺伝子工学的手法により反応特性を改変した変異型酵素の創出にも取り組んでいます。

Keyword

遺伝子組換え、タンパク質工学 酵素機能改変

修士論文タイトル

後発酵茶の味形成と関与成分に関する研究/海洋性細菌によって菌体外に分泌される緑藻ウルバン分解酵素であるウルバンリアーゼの解析/嫌気条件下での基質誘導性遺伝子発現解析法を用いた海底下微生物由来機能性遺伝子の探索 (2019) /トビイロウンカ産卵刺激物質の解明/Nicotiana benthamiana植物由来ホスフォリパーゼC3による過敏感反応抑制機構の解明(2019)/タイ国の水田土壌肥沃度の規定要因と緑の革命による影響/多年生牧草アルファルファを用いた沙地修復技術の構築/未利用植物資源が示す3T3-L1前駆脂肪細胞に対する脂肪蓄積抑制活性の解明/青枯病菌のクオラムセンシング機構の解明/食品に含まれる抗疲労成分カルノシンの酵素を用いた新しい定量法/Burkholderia sp. HME13のエルゴチオネイン代謝関連酵素ErtC、ErtDの酵素特性/含硫化合物合成におけるシステインデスルフラーゼの生理的機能/イネの液胞膜型Mn-CDFは鉄の恒常性にも関与するか