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非小細胞肺癌(ステージⅠ~Ⅱ)の手術切除

肺癌診療ガイドライン2014 年版で、臨床病期Ⅰ~Ⅱ期の非小細胞肺癌では切除が可能な症例に外科切除が推奨されています。
また医学的な理由などで手術ができないⅠ~Ⅱ期の非小細胞肺癌には、根治的放射線治療や定位放射線治療が推奨されています。
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当院の外科手術の実施率は、2011年88.3%、2012年93.2%でした。
実施しなかった理由については、2011年は併存症等10.0%、全身状態悪化1.7%であり、2012年は併存症等2.7%、全身状態不良1.4%、患者さんの希望2.7%でした。
放射線治療については、2011年は患者さんの希望、呼吸機能障害や腫瘍の位置等により適応外、もしくは定位放射線治療ではなく通常の体外照射を実施しています。2012年もほぼ同様の理由により実施していません。
本県は高齢化が進んでおり、当院の肺癌患者さんも高齢者が多く、加えて大学病院であるため合併症を有する患者さんも多いのが現実です。ステージⅠ・Ⅱ肺癌の根治治療は手術ですが、それ以外の治療としては化学療法・放射線療法となりますが、高齢者の場合これらの治療にも高いリスクが伴い、手術と比較すると予後も悪くなります。その点から高齢患者さんが多い当院では、胸腔鏡下手術による低侵襲手術と肺部分切除や区域切除などの呼吸機能温存を目的とした縮小手術を取り入れ、可能な限り手術による根治治療を目指しています。

●測定方法

分子:外科手術が行われた患者数
分母:臨床ステージⅠ~Ⅱの非小細胞肺癌と診断された患者数
     院内がん登録で、「自施設において診断ならびに初回治療に関する決定・施行がなされた症例」
     または「他施設で診断確定され、自施設で初回治療方針に関する決定・施行が行われた症例」
 
※ 都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会がん登録部会Quality Indicator研究
  2011年症例解析結果、2012年症例解析結果に基づくデータより 
  参加医療機関による全体の実施率 2011年:85.4%(178施設) 2012年:87.9%(232施設)
  全体の結果は非実施の理由などは考慮していない実施率の値です。
 
(参考)
肺癌診療ガイドライン2014年版