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肝切除前のICG15分停滞率の測定

肝癌診療ガイドライン2013 年版で、術前肝機能評価としては、一般肝機能検査に加えICG 15分停滞率を測定することが推奨されており、手術適応は、これらの値と予定肝切除量とのバランスから決定するのが妥当であるとされています。

ICG負荷試験に関する検討では、術後死亡の予測因子として有用であるとする報告がこれまで数多くなされており、ICG 15分停滞率は、日本肝癌研究会による肝障害度評価の際の一因子として採用され、術前肝機能評価法の標準的な検査となっています。

 

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当院の肝切除前ICG 15分停滞率の測定状況は、2011年、2012年ともに100.0%でした。
当院での肝癌患者さんの治療に際しましては、基本的に肝癌診療ガイドラインを遵守し、内科、外科、放射線科で協力して診療を行っております。また、肝癌以外の肝切除術を行う患者さんの治療に際しましても同様にICG検査を行っております。
更に個々の症例に応じて術前に3D-CTを用いた残肝容積の把握と、他の肝機能評価方法であるアシアロシンチグラフィーを併用し、より安全な肝臓手術を提供できるよう常に考えております。
また、大量肝切除の際は元々糖尿病ではない方でも、肝性糖尿病が問題となり、術後の合併症を増加することが知られています。そこで当院では人工膵臓を使用してより厳密な血糖コントロールを行い、成果を上げております。

●測定方法

分子:ICG 15分停滞率が治療開始前に測定された患者数
分母:初回の肝切除を受けた肝細胞がん患者数
     院内がん登録で、「自施設において診断ならびに初回治療に関する決定・施行がなされた症例」
     または「他施設で診断確定され、自施設で初回治療方針に関する決定・施行が行われた症例」
 
※ 都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会がん登録部会Quality Indicator研究
  2011年症例解析結果、2012年症例解析結果に基づくデータより 
  参加医療機関による全体の実施率 2011年:91.4%(178施設) 2012年:91.6%(232施設)
  全体の結果は非実施の理由などは考慮していない実施率の値です。
 
(参考)
肝癌診療ガイドライン2013年版