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職員のインフルエンザワクチン予防接種率

医療従事者は自分自身が感染症から身を守るとともに、自分自身が病原体の運び屋になってはいけないため、一般の人々よりもさらに感染症予防に積極的である必要があります。また、感染症による欠勤等での医療機関の機能低下(人員不足など)を防ぎ、医療機関という集団での免疫力を高めることが重要であるとされています。
医療従事者はインフルエンザ患者と接する機会も多く、発症するリスクは一般の人々と比べて高い可能性があります。病院は、免疫力が低下している患者さん(ハイリスク患者)が治療を受け、生活する場です。職員から患者さんへインフルエンザを感染させるようなことは、避けなければなりません。また、当院では、院内感染防止マニュアルにおいて職員がインフルエンザに罹患した場合は、「解熱後2日間就業禁止」と定められています。インフルエンザに罹患する職員が多発すると、人員不足が生じ、病院の機能低下をもたらし、患者さんの安全確保を徹底することができなくなる恐れがあります。患者さんの安全を確保し、病院機能と医療の質を維持するために、病院としてインフルエンザ対策への取り組みを行っています。
当院では、インフルエンザの最も確実な予防は流行前にワクチン接種をすることと考え、アレルギー等で接種が適当でないと診断された者以外は、当院で実施するインフルエンザワクチン接種を必ず受けることと定めています。
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 当院における職員のインフルエンザワクチン接種は、2004年度は68.2%であったが、年々、上昇傾向にあり、2009年度に若干の低下はあったものの、その後は87%~89%台で推移ししています。これは、国立病院機構調査による病院職員のインフルエンザワクチン接種率(2008年度)の87.3%よりも高い数値となっています。2009年度の若干の低下は、新型インフルエンザの流行により、新型インフルエンザワクチン、季節性インフルエンザワクチンの接種が重なったことが、接種率に影響していることも推察されますが、新型インフルエンザの流行を機に職員の公衆衛生意識が高まってきたのではないかと考えられます。また、病院負担(職員は無料)で実施していることや感染対策研修会や感染対策ニュース等による啓発活動も接種率の向上につながっていると考えられ、今後も接種率の向上のために、啓発活動の継続、職員が接種しやすい環境を提供していきたいと考えています。

●測定方法

◆当院値の定義・計算方法
分子:当院でインフルエンザワクチン接種を受けた職員数
分母:職員数合計(非常勤職員含む、休職者・卵アレルギー等の医学的根拠ある理由で接
種不可能な職員は除く)
◆参考値の定義・算出方法
国立病院機構調査による病院職員のインフルエンザワクチン接種率(2008年度)
分子:分母対象者のうち、自施設でインフルエンザワクチンを接種した職員数
分母:院内職員対象インフルエンザワクチン接種を開始した月の初日に在職している非常勤職員を含む病院職員数(派遣職員を除く)