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輸血製剤廃棄率および適正評価指標

本院は適正使用への取り組みが認められ、2011年(平成23年)3月から「輸血管理料Ⅰ」の認定を取得しました。また翌年からは「輸血適正使用加算」も認められています。
 「輸血管理料」、「輸血適正使用加算」は輸血療法の安全かつ適正な実施を推進する観点から医療機関における管理体制の構築及び輸血の適正な実施について評価するものです。
本院では2か月に1回、輸血・細胞療法委員会を定期開催し、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、医事課職員、情報部門職員の多職種で輸血療法の安全性向上、適正使用に努めています。
輸血製剤の適正使用の評価については、赤血球製剤、新鮮凍結血漿、アルブミン製剤の使用状況を評価指標値で評価されます。評価指標値は、新鮮凍結血漿/赤血球製剤:0.54未満、アルブミン製剤/赤血球製剤:2.0未満となっています。
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本院では年間24,000単位前後の輸血用血液製剤を使用しています。輸血・細胞療法委員会では血液使用状況を診療科別に提示し、また輸血製剤(アルブミン製剤を含む)使用にあたって高額査定となった症例の検証等を行い適正使用への取り組みに努めています。その結果、適正使用評価指数において基準内を維持できています【図1.2】。また、廃棄率についてはT&S*導入、血液のオーダは必要な分だけにする等、余分な血液の在庫を削減することで年々減少させることができています【図3】。平成26年の廃棄率0.53%は、全国大学附属病院の平均0.97%(平成26年度全国大学病院輸血部会議資料より)に比べても低い値です。
*タイプ&スクリーン:本院の場合、出血量が少ないと予想される待機手術において、不規則抗体陰性で血液型に問題がない場合は事前に交差試験を実施して血液を準備することはせずに緊急に輸血が必要になった場合にのみABO同型であることを生食法で確認して輸血することとしています。

●測定方法

【集計期間】
1月から12月の1年間
【適正使用評価指標算出方法】
①赤血球製剤(赤血球濃厚液、自己血、洗浄赤血球等)の使用単位数 ②新鮮凍結血漿の使用単位数 ③血漿交換療法における新鮮凍結血漿の使用単位数 ④アルブミン製剤使用単位数〔使用重量(g)を(3)で除した値〕
〔 ②-③/2 〕/ ① = 0.54未満    ④/①=2未満
【廃棄率】
分子:廃棄血液製剤の金額
分母:購入した全血液製剤の金額