研究室紹介
【教室案内】
当科の前身である「第3内科」は昭和56年(1981年)4月に開設され、その後「血液・呼吸器内科」となり、平成19年(2007年)4月より横山彰仁教授のもと、内科領域における呼吸器や血液の疾患を担当してまいりました。しかしながら、各専門領域の医療の高度化に対応するため、令和元年(2019年)6月、新たに血液内科が分離・独立し、現在の「呼吸器・アレルギー内科」と呼称することになりました。
当科では気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性気道疾患および間質性肺炎の診療に重点を置くとともに、近年著しく増加している肺癌、2020年から増加してきた新たなコロナウイルス感染症であるCOVID-19に対しても先進的あるいは標準的な治療を行っています。気道疾患モデルを用いた病態解析・治療研究や、間質性肺炎のバイオマーカーの開発・研究、肺癌の臨床研究を行っています。COVID-19の後遺症研究および新型タバコのCOPDへ影響については、厚労省から研究費をいただき研究班を組織して全国的な研究を主導しています。
当科は意欲ある臨床医の育成に積極的です。なぜならば、高知県では中心部以外に呼吸器領域専門医がおらず、また、全国的にも大いに不足しているからです。医局員全員が内科学会の専門医を取得し、なるべく早く呼吸器あるいはアレルギー、臨床腫瘍の専門医、指導医を目指すことを目標にしています。当科出身の医師は県内基幹病院に在籍し、専門医として活躍しています。しかし、専門医取得後に高知県以外の出身地に戻る予定の人や、研究等で他の施設や海外で活躍しようとする人も大いに歓迎します。
なお、当教室の横山教授は2022年まで日本呼吸器学会の理事長を務め、2022年の第62回日本呼吸器学会講演会では会長として無事京都国際会議場において開催されました。したがって、本会のいろいろな面で我々医局員がホストとして貢献することができました。
【医学部学生教育の取り組み】
講義は4年生の呼吸器疾患を担当しています。それぞれの総論と診断学の講義に続いて文部科学省モデル・コアカリキュラムの呼吸器系で取り上げられている代表的疾患についての講義を、教授、准教授、講師、助教で分担して行っています。 5年生の臨床実習では多くの小講義をとり入れるとともに、現在はコロナ禍で、患者さんとの接触が制限されていますが、これまでは学生それぞれに担当患者さんを割り当て、課題を与え検討したことを実習終了時には症例発表もしてもらうなど、ベッドサイドティーチングなどマン・ツー・マン指導に重点を置いてきました。また聴診シミュレーター「Mr. Lung」を用いた胸部聴診実習や肺機能検査、胸部X線読影など実臨床に即した実習を行っています。
最新のナビゲーションシステムを用いた気管支鏡検査の見学も行っています。また、当科では死に直面した疾患も多いため、2週間の実習中に半日、高知厚生病院の緩和ケア病棟での実習を行い、ターミナルケアの実習を体験してもらっています。近年大学病院では結核症例が減少しているため国立病院機構高知病院の結核病棟での実習も行っています。