腫瘍内科学

腫瘍内科学では患者さんにより良い医療を提供する為に、日々の臨床 (Clinical practice)において生じた疑問点を解決する臨床研究 (Clinical research)、基礎研究で得られた「発見」を臨床に応用することを目指した橋渡しであるトランスレーショナルリサーチ (TR)、臓器横断的にがんの病態解明や診断・治療に関する基礎研究 (Discovery research)を、様々な領域の研究者や企業との共同研究によりシームレスに取り組んでいます。

がん治療、特に当科が専門とする薬物療法は、近年目覚ましい発展を遂げております。従来の「殺細胞性抗がん剤」に加え、がん細胞をピンポイントに攻撃できる「分子標的治療薬」の開発が積極化し、免疫checkpoint阻害薬に代表される「がん免疫療法」などの新規治療法が登場したことで、治療体系が複雑になってきました。また、次世代シークエンサーに代表される技術革新や人工知能（AI）の活用により「がんゲノム医療」が本格化していますが、全ての治療薬・治療法は臨床研究・臨床試験により効果・安全性が検討・検証された結果、最良の治療である「標準治療」として認められるようになります。腫瘍内科学は2021年11月に誕生した若い講座ではありますが、新規薬剤による第I相治験を開始し、第II相、第III相臨床試験を主体的に運用しており、先進的診療・研究を積極的に導入しています。

腫瘍内科専門医の育成において、若手医師に臨床腫瘍学の基礎を教育することに加え、日々の診療・臨床現場から生じたclinical questionを解決し、新たなエビデンスを創出するための臨床研究・臨床試験の立案や国際共同治験への参加、基礎研究、及び基礎と臨床を繋ぐTR、開発早期の医師主導治験などを実施する機会を得ることができます。
今後も国内外の研究者との協働により、新薬・新規治療法の開発、がんの病態・治療に関する研究活動を通して、患者さんにより良い医療を提供することで、医学の発展に寄与したいと考えています。

がん診療は予防・早期発見にはじまり、様々なモダリティーを組み合わせた治療によって治療成績の向上を認めています。一般的にがんに対する治療は手術、放射線、薬物療法が3大治療と言われておりましたが、がんに対する症状緩和や薬物療法による副作用軽減を目的とした緩和治療を加え、「4大治療」と言われています。これらがんに対する4大治療を効率的・効果的に患者さんに提案・提供し、さらなる治療成績向上を図るためには、それぞれの治療法の特性を理解し、適切なタイミングで最良の選択を行い、各診療科と連携を図る必要があります。いわばその「舵取り役」が腫瘍内科であり、当科では幅広い領域の固形がんに対して、臓器別診療科や多職種、他医療機関との連携を通じて診断・治療を実践しています。
特に薬物療法に関しては、従来までのいわゆる‘抗がん剤’である「殺細胞性抗がん剤」に加え、がん細胞において特異的に発現しているタンパクを標的とした「分子標的治療薬」や、体内の免疫細胞を活性化して抗がん効果を発揮する免疫checkpoint阻害薬に代表される「免疫療法」の登場により、治療効果が飛躍的に改善を認める反面、その治療体系は多様化し、新規薬剤に伴う今までなかったような副作用への対応も必要とされています。
また、「がんゲノム医療」の発展により、有効な治療薬が無かったがんに対しても、時に劇的な治療効果が期待できる時代となってきています。ある特定のがん遺伝子をターゲットとした薬剤の開発も日進月歩で進行中ですが、今後益々がん診療は高度化・個別化することが見込まれます。
薬物療法やがんゲノム医療に精通した医師が、患者さん個人個人に最適な薬による治療効果を提供することにより、手術で切除できなかったがんを外科的切除ができる状態まで縮小させることや、放射線治療と組み合わせることにより根治を目指すことも可能になってきています。当科ではがん腫横断的に豊富な診療を経験することが可能であり、また国内外の人脈などを駆使して、当院を受診される患者さんに最善の治療を提供すると共に、世界最先端のがん診療に携わることが可能です。
現時点で最も確立されている最良の治療である「標準治療」を実践するスキルを身につけることはもちろん、常に‘次の新しい標準治療’ ‘より良い治療’を創出するための知見やエビデンスを積極的に取り入れ、謙虚に弛まぬ努力を続ける「患者さん第一」の医療人・腫瘍内科医育成をモットーにしています。

附属病院腫瘍内科の紹介はこちらから

・坂本秀男 先生が新入局されました。

・日本臨床腫瘍学会 JSMO大学　腫瘍内科紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=P-aMqgb2AFM（外部リンク)

・栗岡勇輔 助教が大学院「卓越した学業等成績優秀者」に採択されました。

・佐藤拓弥 医員、栗岡勇輔 助教、佐竹悠良 教授が第21回日本臨床腫瘍学会学術集会（愛知）で発表しました。
https://www.congre.co.jp/jsmo2024/program.html（外部リンク)

・佐竹悠良 教授がESMO Targeted Anticancer Therapies Congress 2024（2024 ESMO TAT） in Parisで発表しました。
https://cslide.ctimeetingtech.com/tat2024/attendee/confcal/session（外部リンク)

・佐竹悠良 教授のASCO GI 2024 in SFでの発表が海外腫瘍学教育サイトで取り上げられました。
https://ecancer.org/en/video/11804-trifluridine-tipiracil-and-bevacizumab-combination-gives-a-prolonged-pfs-compared-to-trifluridine-tipiracil-monotherapy-in-mcrc（外部リンク)

・高知がん診療協議会 第2回がん薬物療法部会 講演会（2024年2月14日 ハイブリッド開催）のお知らせ

・佐藤拓弥　先生が高知新聞の「ただ今修行中（2024年1月22日）」と「コラム時空（2024年1月23日）」に掲載されました。
https://www.kochinews.co.jp/article/detail/715482（外部リンク 高知新聞Webサイトへ)

・佐竹悠良 教授がASCO Gastrointestinal Cancers Symposium（ASCO GI 2024） in San Franciscoで発表し、がんナビで取り上げられました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/202401/582887.html（外部リンク)

・栗岡勇輔　先生が11月1日付けで特任助教から助教になりました。

・佐藤拓弥 先生が日本消化器病学会第120回四国支部例会（高知）で発表しました。
https://120jsge-131jges.com/program.html（外部リンク)

・医学部附属病院広報誌「ORANK, おらんくの大学病院」に掲載されました。
http://www.kochi-u.ac.jp/kms/hsptl/pdf/info/kouhou/orankuhsptl20-202311.pdf（外部リンク)

・佐竹悠良 教授が第61回日本癌治療学会学術集会（横浜）　「領域横断ワークショップ1　消化器がん　切除不能からのConversion therapy -領域を超えた概念と有効性の共有-」（10月19日）、及び「教育セッション20 胃癌治療UPDATE」（10月21日）に登壇します。
https://congress.jsco.or.jp/jsco2023/index/page/id/198（外部リンク)

・佐竹悠良 教授が日本消化器病学会四国支部 第100回市民公開講座 「たまるか！消化器がんの最新治療」（2023年9月17日（日） 13:30-16:30 ＠高知市文化プラザかるぽーと小ホール）に登壇します。
https://www.jsge.or.jp/citizens/kouza/kouza（外部リンク)

・佐竹悠良 教授が 「more (Monthly Oncology Report)：もっと知りたい もっと聞きたい 最新がん情報」（2023年9月3日（日） 13:00-14:00 ＠web開催）において、講演されます。
https://more002.peatix.com/（外部リンク)
http://nakamura.pro/pdf/230903more002.pdf（外部リンク)

・小嶋咲絵 先生が第128回日本内科学会四国地方会（高知）で発表しました。
https://www.naika.or.jp/meeting/shikoku/shikoku_endai_list/09128protop/（外部リンク)

・佐藤拓弥 先生、附属病院 医員（研修医）坂本秀男 先生が日本消化器病学会第119回四国支部例会（香川）で発表し、研修医奨励賞を獲得しました。
https://med-gakkai.jp/jsge-sh119/（外部リンク)

・栗岡勇輔 先生が第8回日本がんサポーティブケア学会学術集会（奈良）で発表しました。
https://www.c-linkage.co.jp/jascc2023/program.html（外部リンク)

・栗岡勇輔 先生、佐藤拓弥 先生が第29回日本遺伝性腫瘍学会学術集会（高知）シンポジウムで発表しました。
https://29jsht-kochi.com/program.html（外部リンク)

・佐藤拓弥 先生、小嶋咲絵 先生が新入局されました。

・栗岡勇輔　先生が第20回日本臨床腫瘍学会学術集会（福岡）、第95回日本胃癌学会総会（札幌）、およびGI week 2023（東京）コアシンポジウムで発表しました。
https://www.keiso-comm.com/giweek2023/index.html（外部リンク)

・佐竹悠良 教授が市民公開講座 大腸癌WEBシンポジウムにおいて『これからの大腸がん治療（薬物療法）』についてお話しします。
【開催日時】2023年5月21日(日)　13時~15時
【参加方法】オンライン視聴（LIVE配信）参加無料　事前申込制
　申込URL：https://20230521.sankei-live3.com（外部リンク）
【内容】「最も身近ながんは大腸癌　～他人ごとではありません、まずは知ることから～」
　詳細はチラシ（PDF）をご覧ください。

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・佐竹悠良 教授が日本消化器病学会四国支部市民公開講座　「お腹のことだけでない、最近の話題」（3月21日（祝） 14:00-16:00＠高知共済会館3F大ホール）に登壇します（先着100名）。

・腫瘍内科学講座 佐竹悠良 教授がテレビ番組「正しく知ろう！がんのこと 〜がんとの共生社会を目指して〜」（高知放送: 2023年2月5日（日） 17:00-17:30放送予定、3月4日（土） 9:30-10:00再放送予定）に出演します。

・附属病院 医員（研修医）佐藤拓弥 先生がESMO Asia Congress 2022 in Singaporeで発表し、Best Poster Awardを獲得しました。

・腫瘍内科学講座 佐竹悠良 教授がThe Best Doctors in Japan 2022-2023に選ばれました。

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