EDUCATION

皮膚科学

研究室紹介

【教育】

私達の体の表面を被っている皮膚は、病原体や有害物質のみならず、あらゆる種類の外界の刺激にさらされており、それらから生体を防御するために非常に巧妙な構造を持ち複雑な機能を果たしています。一方、人と人のコミュニケーションも皮膚(肌)を介して行われます。痛み、痒み、熱い、冷たい、柔らかい、優しいなど、鋭い皮膚感覚を介してこころの動きも感じあっています。そして外界からの刺激との戦いに敗れたとき皮膚疾患が発生します。また、体内に異常が発生すると、それに対応して皮膚病変が出現することがあります。臓器別にみると皮膚疾患の種類が最も多く、そのため様々な特徴があります。我々は、皮膚疾患の成立機序に基づきながら、症状や治療法を学生には的を絞って、若い皮膚科医には専門家として立派にやってゆけるよう、実地に役立つ教育を心がけています。皮膚疾患の多くは目に見えてしまうこと、痒い痛いなど自覚症状も強く、患者さんの悩み苦しみは甚大なものがあります。患者さんの皮膚疾患を「肌で感じる」ことができるように、皮膚科医はコミュニケーションが必要です。皮膚科医師としての技量あるいは病気に関する説明が充分にできるために、皮膚科専門医資格をとることがまず手始めの目標です。

【研究】

皮膚は多種類の細胞から構成されており、それぞれによる病気が出現するため、病理学、免疫学、生化学、分子生物学などの基礎医学的手法を用いて研究されています。私達の研究室では、古くから言われているように、患者さんから学ぶという本質に基づいて、1人ひとりの患者さんの診療を大切にし、新しい発見によって病気を克服できることを目標としています。皆が専門科として恥ずかしくないように、あらゆる皮膚疾患について勉強しています。また基礎的な研究としては、Stat3 阻害軟膏をはじめとして新規の外用薬による乾癬の新しい治療を開発したり、様々なモデルマウスを用いた解析などを行っております。このような基礎的な研究は、単に研究のための研究ではなく、臨床家としての深い洞察力を涵養するために重要であると考えています。

研究内容

  1. Stat3阻害薬による乾癬の新規治療法
  2. Indirbinおよびその誘導体による乾癬治療
  3. 乾癬発症に関わるcytokineヒエラルキー
  4. Cytokine KOマウスを用いた乾癬発症機序
  5. 乾癬発症におけるTACEの役割
  6. 関節症性乾癬モデルマウスの確立
  7. 尋常性乾癬の病態形成に関する研究
  8. バリア障害マウスにおける皮膚炎発症機序
  9. メタボリック症候群と乾癬
  10. 関節症性乾癬への移行予測因子の解析
  11. Imiquimodによる紫外線発癌退縮機序
  12. タクロリムス軟膏と紫外線発癌
  13. 新規ループス腎炎モデルマウスの開発
  14. 表皮バリア破綻に関する研究
  15. 膠原線維合成に関わる新たな分子
  16. 角化細胞から誘導するiPS細胞
  17. 尋常性白斑における表皮角化細胞
  18. EGFR阻害薬によるざ瘡様皮疹発症機序
  19. 乾癬のバイオマーカー
  20. TNF阻害薬のT細胞に対する効果
  21. Mowat-Wilson症候群の原因遺伝子ZEB2のコラーゲン合成経路への関与

詳しくはホームページをご参照ください。
高知大学医学部皮膚科学講座
http://www.kochi-u.ac.jp/kms/fm_drmtl/

スタッフ紹介

役職名・所属 氏名 詳細

皮膚科学講座

教授 佐野 栄紀 研究者総覧へ
准教授(病院教授) 中島 喜美子 研究者総覧へ
助教 高石 樹朗 研究者総覧へ
役職名・所属 氏名 詳細

皮膚科

講師(病院准教授) 中島 英貴 研究者総覧へ
助教(学内講師) 山本 真有子 研究者総覧へ
助教(学内講師) 大湖 健太郎 研究者総覧へ
助教 寺石 美香 研究者総覧へ
助教 青木 奈津子 研究者総覧へ
特任助教 木戸 一成
高知大学医学部 皮膚科学

高知大学医学部 皮膚科学

TEL:088-880-2363

FAX:088-880-2364